見出し画像

コロナ禍での妊娠体験記#3 突然変わる生活、妊娠初期の孤独な戦い

妊娠10週、これが私の本当の妊婦検診(初回)

今までも産婦人科には通院していましたが、出産予定日が確定し、母子手帳をもらってからがいよいよ本来の妊婦検診と呼ばれるものなのでしょう。
体重測定、血圧、尿検査、むくみチェックなどのルーティーンが始まり、初回ということでがっつりと血液検査がありました。その他、内診で子宮頸がん検査なども行いました。

体重測定後、看護師さんに、妊娠前の体重を確認されました。妊娠前にコロナの影響もあってか、2〜3キロくらい太ってしまっていたことを正直に話したのですが、「うーん、そうなんだ。でも、この後、体重管理で妊婦さんってものすごく苦労するんだよね。0.5キロだけ減らしておくね」と看護師さん。てっきり、初回の体重からスタートするものと思っていましたが、妊娠前の体重を自己申告しておき、そこからの体重変化を追っていく、ということのようです。
今回も無事に心拍が確認でき、また一歩前に進めたとひと安心しながら、先生には妊娠初期に注意するべきことをいろいろとアドバイスしてもらいました。

完全にスルーしていた、妊娠の検診費用のあれこれ

緊張と安心の入り混じった気持ちで検診を終えましたが、最後のお会計の際に、行政からの補助クーポンを使用したにもかかわらず、約3万円を請求されたことに心底驚きました・・(1万くらいかなーと何の根拠もなく思ってた・・クーポン使わなかったらいったいいくらになるんだ・・)

とはいえ、自治体や通う病院によっても費用は大きく変動しますので、これから妊婦検診が始まるという方、病院を選ぶという方は、お住まいの地域や病院に費用の詳細を確認されるといいかなと思います。
千葉某所と都内某所の病院に通う友人と私では、毎回の検診費用で約5,000円程度も開きがあることが判明しました・・・!(もちろん高いのは都内です)怖いですね、総額でどれくらい差が出てしまうのか・・
ちなみに、血液検査が入る検診は高額になることが予想されるので、検診一回あたりの費用はいくら、ということだけでなく、トータルいくら、という目安の金額を確認された方がいいです。
私の場合は、病院選びの際に、費用がそこまで変動するものという意識がなかったので、特に費用のことは調べもせずに病院を検討してしまっていました。

通常の病気や怪我であれば、私たちの年齢では自己負担は30%ですみますが、「妊娠は病気ではない」ということで、妊娠の検診費用は全額自己負担です。
妊娠って本当にお金もかかります。

すべてを見直す食生活

妊娠がわかると、今まで通りの生活というわけにはいきません。
まずは、一番最初に食生活を見直すことになりました。私はもともとお酒や生物(刺身や、生肉)が大好きでしたが、これらをいっせいに禁止とし、コーヒーや紅茶などのカフェインも量を控えるようになりました。
生物が禁止、というのが厄介で、これは表面を炙っていても、中がレアであればNGということです。つまり、半熟卵やレアステーキ、ローストビーフも禁止です。

その他、大好きな生ハムやチーズ(ナチュラルチーズと呼ばれる加熱処理されていないチーズ)も食べられないということがわかり、途方に暮れました。。
ジャンルでいえば、あえて挙げれば、中華料理は比較的安全かというくらいで、和食、フレンチ、イタリアン、スペイン料理どれも危険要素が含まれます。
もともと料理をすることも外食することも大好きだった私にとっては、生きがいのひとつがいきなりなくなってしまったような感覚でした。

マイナートラブルという曖昧な言葉で一括りにされる、あらゆる体調の変化

妊娠悪阻で言うと吐き気はそこまでひどくなかったものの、夕食後には必ず吐いてしまったり、お肉や揚げ物などの油っぽいものも食べられなくなったりしました。やたら塩っからいものが食べたくなり、漬物やキムチ、梅干しを大量に摂取していました。(おかげで、塩分の過剰摂取やむくみ、血圧上昇にならないか気になりました)
体が火照って仕方ないので、睡眠も浅くなり、3時間程度の睡眠で翌日の仕事がつらい、ということも悩みの種でした。妊娠前まではベッドに入れば快眠なタイプで、翌朝までぐっすり、夢もほとんど見なかったのに・・

その他、つらかったのが貧血と頭痛です。これらはもともとの体質が関係していると思いますが、妊娠を機に症状が悪化しました。立ちくらみや頭痛でベッドから起き上がれずに、仕事を何度も休みましたし、早退することもありました。座っているのに血の気が引くような感覚になったり、目眩がしたりすることも多かったです。

母親や姉は妊娠悪阻がそこまでひどくなかったと言っていたので、自分も勝手に同じ体質だろうとタカを括っていましたが、同じような妊娠初期とはならず、まいりました・・

コントロールできない心と体

妊娠前までは、それなりにハードな運動習慣があったので、妊娠を機に運動が制限されたこともつらいことの1つでした。
今までは、一心不乱に筋トレをすることで、気分的にもリフレッシュできていたし、基礎体力が向上していくのが目に見えてわかるので、「もっとやりたい」「これくらい絞りたい」という高いモチベーションでトレーニングしていました。
しかし、妊娠を機に『安静』が最優先され、筋トレのような無酸素運動はもってのほか。特に、妊娠初期には運動はできないので、日々の習慣がなくなってしまいました。

『心拍確認後に流産』といった話を聞くこともあり、体調の変化にもなかなかついていけないだけでなく、精神的にもつらい時期で、まったく余裕がありませんでした。
私の体調を気遣ってくれる夫にも、刺々しい態度になり、それでまた自己嫌悪に陥り、悪循環になっていると自覚しながらも、バランスの取れない毎日を過ごしていました。
体調もメンタルも自分ではコントロールできない状況に、「仕事も退職しないといけなくなるのかな」と落ち込む毎日でした。

これはダメ、あれも危ないばっかりの妊娠生活

妊娠がわかってから、何冊かの本を読み、できる限り安全に、健康に、赤ちゃんにも快適な環境を作ろうと努力してきましたが、驚いたのは、禁止事項や注意事項の多さです。
食生活に関する本当に細かいあらゆる制限だけでなく、運動や、生活スタイルそのものにもたくさんの注意点があり、正直これを全部100%で遵守していくことは現実的ではないと思いました。
仕事もしていますし、夫と2人で生活しており、自分の思い通りにならない部分はたくさんあります。妊娠について知識を頭に叩き込んだつもりでも、うっかり間違えてしまうことはありますし、10年前とは違った常識が定説になるなど、常に情報もアップデートされています。

『マイナートラブル』という曖昧な言葉で表現されるように、妊娠における悪阻については詳細がわかっておらず、科学的にも解明されていないと言われています。
100回の妊娠があれば、100通りの妊婦生活があるのだと思います。

命を授かった身としては、この命を大切に守り、精一杯の力で育んでいく必要があると思いますが、医療の発展、生活環境の改善など、いろいろな条件が整っていたとしても、赤ちゃんが必ず元気に生まれ、育っていくという保証はありません。
あくまで私たちは、できる限りの努力で、その可能性を少しずつ高めているにすぎないと思っています。

つらい妊娠初期、孤独な戦いをしながらも、そんなことを考えながら、なんとか気持ちを保っていました。
そしてきっと同じように苦しんでいる妊婦さんがいるはず、いや私なんかマシな方、私だけがつらいわけじゃない、と言い聞かせ、毎日を指折り数えて過ごしました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?