やりたくない理由を正当化する大人=俺
どうも。
患者さんが主体的に医療をうけてムダな薬を無くしたい薬剤師の川島です。(もっと短いキャッチコピーを考え中です。)
今日は僕の失敗談を紹介します。少しでも誰かのお役に立てば良いな。
これは僕が薬局薬剤師の仕事を始めて半年くらい、20代前半の時に社内で一つのプロジェクトを推進しよう、となった時のお話です。
15年以上前の話ですが本質的な問題は今でも変わりません。そして恐らく未来でも変わらないと思います。なぜなら人間の本質が根っこにあるお話なので。
会社は金もうけしか考えてない?
当時会社で取り上げられたプロジェクトがありました。
『お薬手帳の持参率をあげて売上(利益)をあげよう』
薬局以外のサービス業の方はこんなイメージをしてください。
『付加価値を提供して客単価・利益率をあげよう』
一番わかりやすいのはマクドナルドの「ご一緒にポテトはいかがですか?」というヤツです。(そういえば最近は単品で注文した時に聞かれなくなった。マニュアルが変わったのかな?)
当時は薬局では“お薬手帳”を持ってきてもらった方が薬局の売り上げが高かったんですね。(持ってきてもらうよう努力した分、点数(売上)をつけるよ、という国の政策)
※今は基本的にはお薬手帳を持参した方が薬局での点数は低くなるし、何よりも安心・安全のために持参してくださいね。
当時20代前半の時に僕が配属されていた店舗ではこんな意見が主流でした。
「会社の利益のためにお薬手帳の持参率を目標化するのはおかしい。持ってくるかどうか決めるのは患者さんだ。会社は金もうけしか考えてない!」
僕も「確かにそうだ!お薬手帳を持ってくるかどうかを決めるのは患者さんだから、僕たちで数値をコントロール出来るわけがない!目標設定するのはオカシイ!」と思っていました。
そこで、会社の本部の方に意見をぶつけたんですね。たまたま飲み会の席で話せる機会があったので。
「お薬手帳の持参率の目標を会社が設定するってオカシクないですか?患者さんが持ってくるかどうか決めるものなのに」
その時の本部の方が
「いいから言われた通りにやれ!」って言ってたら、僕は多分反発してたと思います。が、その時に言われたのがこんな言葉だったんです。
「たしかに。川島君の言ってることはわかる。
でもね、会社っていうのは会社の利益になることじゃないと、聞いてくれないよ。ボランティアじゃないし、皆の給料も払わないといけないし。だからそのストーリーでは会社は説得できないよ。
その前に、そもそも“お薬手帳”って患者さんが持ってきた方が良いもの?持ってこない方が良いもの?」
その時に衝撃を受けたのを今でも覚えてます。こんな風に“きちんと”話をしてくれた大人に出会ったのが初めてだったので。
付加価値を提供して対価を得るという(資本主義の社会では)当たり前のこと
このセリフには二つの軸があります。
分解しますね。
①お金の話。会社から給与が支払われるというのは当たり前ではなく、会社に利益があるから給与を支払うことができる。(このコロナ禍で痛感している方も多いかもしれません)
②付加価値を提供する話。より良いサービスを提供して相応の対価を得る。そのために“良いサービスがありますよ。その分、お値段がこれくらいプラスされますよ。その分、これだけの安心が得られますよ。”という情報を発信しないことには、顧客は選ぶことすらできない。
もちろん最後に選ぶのは患者さん(顧客)ですが、選べるだけの判断材料を患者さんに提供できているのか?ということを、本部の方に言われたのです。
当時の僕は、こんな基本的なことすら考えずに周りの大人の意見に同調していたんですね。今考えると、もう、恥ずかしすぎますね。
この時に僕は初めて“会社、自分、顧客、給与の関係”を本気で考え始めたといっても過言ではありません。
その時のやり取りは今でも覚えています。
「お薬手帳は患者さんにとって持ってきてもらった方が良いに決まってます!」
「そうだよね。結果的にお薬手帳の持参率があがったら売上もあがるし利益もとれるし給料もあがるし、みんなハッピーでしょ。
だからまずやる。やってみる。
やってみた結果、上手くいかなかったら、その時にまた考える。だからやらずに批判する大人にはならない方が良いよ。」
やりたくない言い訳を創作する
そしてこの話には続きがあります。
「あとね、人は自分が悪者になりたくないんだよ。
だから“やりたくない”とは言わずに、何かそれっぽい理由をつけて、自分がやらない理由を正当化したいんだよね。」
今回の事で言えば
・お薬手帳を持ってきてくださいね。と言って、断られるのがイヤ。
・シンプルに、持ってきてください言うのがメンドクサイ。(今までも何度も言っているのにまた言うのか・・・。という感情。)
・会社から目標を達成してなかった時に追及されるのがイヤ。
この辺が“自己都合”によるやりたくない理由。
でも、これを会社の上司に直接は言えないから「選ぶのは患者、数値目標を設定するなんでオカシイ。金もうけしか考えてない!」という話にすり替えている(可能性がある)。
あなたの周りにもいませんか?
自分がやりたくないから“それっぽい理由”をつけてやらない方向へもっていこうとする人。
よく聞く台詞が
“会社がこう言っているので・・・”
“みんなも言ってますよ”
会社って誰?みんなって誰?・・・自分でしょ?
・・・はい、昔の俺です!ゴメンナサイ。
まずはやってみる。
やってから意見する。
これ大事です。
何か言ってることはわかるけど、納得いかないっす!
ていう人も多々いると思います。
その“納得いかない!”の正体については次回書こうと思います。
では、また。
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