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沢井製薬のテレビCMから妄想した医療業界の未来

自分の体は自分で守ろう!

どうも、薬剤師の川島です。

今日はタイトルの通り、沢井製薬のCMを観て業界の未来を妄想した話。

結論

医師会も薬剤師会には、もう頼らない。AIを活用した医療のイニシアチブをとっていく製薬メーカーは我々だ!

何がなんだかわかりませんよね。

順をおって説明していきます。

沢井製薬とは?

そもそも沢井製薬というのは日本の製薬メーカーです。

ジェネリック(後発医薬品)メーカーとしては国内最大手の製薬企業です。

有名なジェネリックメーカーと言えば、もう1社。東和薬品も有名ですよね。(黒柳徹子さんが「東和のジェネリック」って言ってるヤツ)

今までのジェネリックメーカーのCMと言えば

・効果が同じでお薬代が安くなるから医者に処方してもらおう

・効果が同じでお薬代が安くなるから薬剤師に相談しよう

そして品質も問題ないですよ!という内容でした。

今やっているテレビCMはこちら

面白いことに、医者も薬剤師も“登場してるっぽい”けれども、診断(?)して薬を処方(?)しているのは・・・コンピューターです。

これは結構衝撃的でした。

医師会・薬剤師会との決別

これは今までの製薬メーカーのCMではありえない内容です。

なぜなら、製薬メーカーの売り上げ構造は医者に自社の製品の良さを伝えて(営業活動)、処方してもらうことで利益がでる、という仕組みです。

そのために医師に処方してもらう、というのが第一段階。

第二段階として、法律上、薬局で薬剤師と患者さんでジェネリックを選べるようになったので、薬剤師(薬局)に自社製品を選んでもらうための営業をする。(今ここ)

今回のCMではその先、第三段階を描いたわけですね。

薬をチョイスするのがコンピューター、という世界。

決して医者がいらない、薬剤師がいらない、とは言っていませんが、近い将来、AIが診断し最適な薬を選択し処方する時代がくる、というメッセージをテレビという媒体を使って打ったということに、驚きを覚えました。

ターゲットは団塊の世代?

これがYouTubeなどのインターネット媒体だけの話なら僕も驚きませんでした。

しかし高齢者がメインターゲットであるテレビでこのCMを打つということは、高齢者(特に団塊の世代)へ刷り込みを始めた、ということです。

「これからは医者だけじゃなくてコンピューターも診断の手助けをしてくれる時代が来ますよ」と。

2025年問題と言われる団塊の世代の人たちが後期高齢者となり、高齢化社会がピークに差しかかかるまで、あと5年足らず。

くしくも新型コロナウイルスによって、今までの生活様式を見直そうという流れが加速する中で打たれたこのテレビCM。

医療の仕組み、あり方が大きく変わったね、と10年後、20年後に振り返った時に言われるターニングポイントに、僕らはいるのだと思います。

薬剤師も医師から独立を

製薬メーカーがいよいよ医師会だよりから卒業していくぞ、という姿勢をみせてきました。AIを活用し患者さんへの治療の最適化に貢献していくぞ!という本気の姿勢を見せた中で、薬剤師会はどう変わっていくのか?

薬局の経営も、医師が処方箋を発行して、それを患者さんが持ってきてもらうことで売上が得られる、という仕組みです。

が、今後は「処方箋」も売り上げの一部、という形にもっていかないと、本当に患者さんの為の活動を続けていくのは難しいなぁ、と思います。

個人的には

・(一部の)予防接種の薬局での実施(特に新型コロナウイルスのワクチンが作成可能なら恐らく数か月毎に接種することになる。ならば“元気・軽症な方の来る”薬局でやれるのが理想。)

・一般用薬、医療用医薬品(処方箋無しでも買えるもの)を活用したセルフメディケーションの推進

・診断、治療、予防ガイドラインに基づいた医療の推進(予防へのシフトと、無駄な薬の削減をエビデンスベースで推進)

ここが肝になってくると思います。

自分の体は自分で守ろう

そのためには患者さん(一般の方々)にも、ある程度の医療の知識が必要になってきます。

例えば風邪の時は風邪薬を飲めば大丈夫、とか、糖尿病は症状が無いからしばらく放置してても大丈夫、といった「医学的には間違った知識」ではなくて、正しい知識を得て、自分の体は自分で守れるような教育をどこでしていくのか・・・。

疑問に思ったら、医師や薬剤師などの医療者にきちんと質問をする文化をどう作っていくのか。

小さい頃(学校)からの刷り込みが、遠回りなようで近道な気がします。

この辺はまたの機会に。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました!

※この記事は決して業界団体をディスってるわけでも、沢井製薬が凄い!という話でもありません。こういう見方もできるよね、というお話でございます。

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