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失明しかけていた中での野球

楽天Jr.の最終選考まで残っても、左投手に苦手意識が強かったんです。

ですが、父親は「苦手だとしてもここまで打てないのはおかしい。」そう言って、視力がそんなに良くなかった僕を眼科に連れて行こうとしました。

でも僕は「ただ視力が悪いだけだ。」と思い、「実力がないだけだから、練習するよ!」と言い、眼科での診察を延期にしました。

その後、地元のシニアから声がかかり、6年生ながらシニアの1年生大会に出場できることになりました。

僕はとても嬉しくて、シニアの練習に参加しました。

1年生大会前の練習試合で、僕はライトのポジションにつき、緊張の中試合に取り組みました。

試合中盤、ライトにいる僕のところに打球が飛んできて、僕はその飛球をキャッチするために落下点に入りました。

グラブを出すと、打球はグラブのすぐ横を通り過ぎていったのです。

「やってしまった!!」

僕は焦り、必死に打球を追いかけました。

試合後に父に呼び出され、僕は「怒られるのかな…」とドキドキしながら話を聞きました。

すると「やっぱり眼科いくぞ。」と言われ、心配して険しい顔になっていたんだと安心と、自分の視力に不安になりました。

次の日眼科に行くと、視力測定のパネルが全く見えない状態で、診断結果は「網膜剥離」でした。

医師からは「紹介状を書くから、すぐに〇〇病院に行って!」と言われたんです。

僕は不安でいっぱいでした。〇〇病院について診察を受けると、「数日遅かったら失明してたね。間に合ってよかったね。」と言われました。

「野球やってる場合じゃなかったんだ。」と、ここで初めて気づかされました。

僕は自分の視界が真っ暗になっていることには気づいていました。

でも、「これが視力が悪くなるってことなんだ。」と思いながら野球をしていました。

その後、全身麻酔の手術を受けて、無事に光を取り戻すことができました。

誰もが当たり前に野球をしていると思ってた12歳の時。当たり前のことが当たり前ではないんだと気付かされたんです。

自分の網膜剥離を嫌な思い出とせずに、気づかせてくれたきっかけだと、感謝しています。

網膜剥離のような視力の問題だけでなく、野球を含めたスポーツには怪我がつきものです。

何か少しでも「変だな…」というような異変を感じた時には、軽く考えずに早めに病院やチームドクターに相談して欲しいです。

僕はまだ不幸中の幸いで野球を続けることができたから良いですが、野球を2度とできないというような体になる前に、幸せな環境を失ってしまう前に自分の体を自分自身、保護者の皆様で守っていきましょう。

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