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ビートルズ曲解説 Got to get you into my life

ビートルズに出会って40年。 集大成として1曲づつ曲解説を書いています。

武道館公演の前に既に完成していた。デビューから僅か4年。ビートルズは凄いスピードで進化を遂げる。

アルバムに収められる曲は当時の技術ではライブでの再現が難しく、活動の主軸が「ライブ」から「レコーディング」になっていったのも無理はないだろう。この頃よりビートルズの楽曲は当時の機材、そして4人編成での再現は難しくなっていた。


ポールは「モータウンサウンド」に影響を受けてこの曲を書いたらしい。初めて大々的に導入されたブラスセクション(*1)が印象的であり、ブラスロックの先駆け的な楽曲となっている。ポールは単なるモータウンサウンドではなく、ジャズ色を強く出したかった様であり、そんなところにポールの多彩な音楽性を感じる。

ジョンは歌詞について「ポールも頑張れば、このような良い詞が書けるのだ」と語っていた。私は関西在住なので、関西弁で和訳してみた。
多少デフォルメしたが、こんな感じだろうか。

俺、一人で車運転しててんけど
あてもなくブラブラとな
ほかの道(*2)、走っとったら違っとったかも知れへんけど
そこで、お前にバッタリ出くわしたっちゅう訳や
俺にはお前がホンマ必要なんや
何でって、俺の人生が豊かになるさかい
俺、ホンマにお前と人生を共にしたいねん
「一生、一緒にいてくれや♪」やねん

ジョンがベタ褒めするほどの歌詞でもないように思えるのだが、いかがだろうか。

だが、タイトルは工夫されている。「Got to 」「get you」「 into」「 my life」全てUで韻を踏み、シャウトした時、とてもリズミカルで歯切れが良い。

幻となったウイングス日本公演ではオープニングを飾る曲だったらしい。「Got to get you into my life」「Jet」「Getting closer」と繋がる構成。公演が中止となり、残念この上ない。

カバーバージョンとしてはアース・ウィンド&ファイアーのカバー(*3)が有名である。彼らのバージョンは1978年にリリースされ、ビルボードで9位まで上昇し、ブラックチャートでは1位を獲得している。タイトな感じでカッコいい!やはり原曲が良いのだろう。


(*1)ブラスセクションは「ジョージー・フェイム&ザ・ブルー・フレイムズ」が担当。
この頃ポールはロンドンのナイトクラブ『バグ・オネイルズ・クラブ』に足繁く通っており、そちらで出会ったようだ。愛妻リンダとの出会いも同店。

(*2)ジョンのインタビューではポールはマリファナを歌っていると語っている。歌詞の中の「ほかの道」=マリファナとも解釈できる。

(*3)ビージーズ、ピーター・フランプトンが出演するミュージカル映画「サージェント・ペパーズ」からのシングルカット。サントラのプロデュースはジョージ・マーチン。
サントラアルバム、私は好きだが、あまり評価されなかったようだ。
ビージーズ、ピーター・フランプトンの良さが引き出されてないのかな?

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