11/30 CA「高校生以下のスマートフォンにフィルタリングをかけるべきか否か」

今回のCAでは「高校生以下のスマートフォンにフィルタリングをかけるべきか否か」について議論を行いました。私自身、前回のファシリテーターでは上手くまとめることができなかったため、今回は事前に互いの主張をメモにまとめ随時確認できるように準備して臨みました。結果として、以前よりもまとめることができたと思います。また、自分のレベルを考え、最初は難しく話そうとせず、自分の言葉でシンプルに話した方が良いと思いました。


記事

皆様は、日常的にスマートフォンを利用するようになったのはいつからだろうか。私は中学1年生のころに親から買い与えられて利用を始めているが、昨今の高校生へのスマートフォンの普及率が90%を超えていたり、スマホデビューの低年齢化が進んでいたりする今日では、早い場合は小学校5、6年生から、遅くても高校1年生くらいには保護者から買い与えられていることが多いだろう。そんな時代の中で、フィルタリングについて一度は耳にしたことのある人は多いのではないだろうか。今回は、フィルタリングの是非について議論をしてみたいと思う。
そもそもフィルタリングとは、フィルタリングとは、主に未成年者の違法・有害なウェブサイトへのアクセスを制限し、安心してインターネットを利用できるよう手助けするサービスのことである。フィルタリングを事前に設定しておくと、子どもがアダルト系やギャンブル系などの有害サイトやコンテンツにアクセスする危険を回避できる。なお、フィルタリングには大きく分けて2つの方法があり、「ホワイトリスト方式」と「ブラックリスト方式」に大別できる。それぞれの違いについては、以下の画像を参照してほしい。また、これ以外にもネットワーク自体にアクセス制限をかけるネットワークフィルタリングと、専用ブラウザを使用することでネットワークに関係なくアクセス制限をかけるブラウザ型フィルタリングにも分類ができる。

なお、2009年からは「青少年インターネット環境整備法」という法律が施行され、保護者が解除を申し出ない限り、18歳未満にはフィルタリングの利用が義務づけられている。ただし、フィルタリングの利用率は2021年の時点でも38.1%と決して高いとは言えない状況であり、総務省の調査報告書では「継続的な利用促進のための取り組みが必要」という結果が出ている。

以上が今回の論題の記事内容となります。私は今回反対という立場から立論いたしますので、皆さんは賛成の立場から反論をお願い致します。

議論

質問

Qホワイトリスト、ブラックリストの審査基準は?
A明らかに危険なもの。
ヤフーの知恵袋は1つ過度なものがあれば全てにフィルタリングかかってしまう。

Q時間管理も含めていい?
Aはい

Q時間制限はいいのではないのか?
A時間制限も設定が難しい。

意見・論点

1.現状のフィルタリングは有害なWebサイトへの対策に特化しており、アプリへの対応が難しい。
→スマートフォンのフィルタリングの多くは、Webサイトへのアクセスを制限するものであり、SNSやゲームと言ったアプリへの対応は不十分である。そのため、アプリを介して不正アクセスやマルウェアへの感染などといった脅威にさらされる可能性がある(あんしんフィルターのみ、Androidでアプリフィルタリングが可能)。

Qそもそもアプリは入れることはできないから問題ないのでは?
Aドコモはアプリではなく、ドコモが定めた基準でフィルタリングしている。

2. 利用者の操作によってはフィルタリングが回避されてしまう。
→スマートフォンのフィルタリングは、利用者の操作によって回避される可能性がある。たとえば、利用者の小中高生がフィルタリングの設定を変更したり、VPNやTorなどのIPアドレスの匿名化ツールを使用したりすることで、フィルタリングの制限を突破することができる。特に、携帯キャリアのフィルタリングは3G/4G/5Gといったモバイルネットワークでのみ行われているため、Wi-Fiなどの別のネットワークに接続してしまえば簡単に回避できる。

Q国として決まりを作ることが大事なのでは?守られている特権があるのに制限かけないのはおかしいのでは?
Aフィルタリングの制限が厳しい。また、フィルタリングはカスタマイズできるが使いづらく設定にも手間がかかる。そこをまず直すべき。

Q決まりというものをわからせることが大事なのでは?
Aそれでも利用者の面から考えると制限がきつすぎる。

3. 利用者の自由度を制限してしまう。
→スマートフォンのフィルタリングの中には、設定が厳しすぎて有益な情報をも遮断してしまうものがある。そのため、利用者である小中高生の自由度を制限する可能性があり、利用者の不満や反発を招く可能性がある。その結果、2.で示したVPNの利用などといった形でフィルタリング回避がなされてしまう。また、フィルタリングによってはカスタマイズやフィルタリング解除がユーザー側では行えないものもある。

Qフィルタリングサービスは無料でできる。リスク考えるならやったほうがいいのでは?
A無害なのに制限がかかってしまい、使いづらくなるのが問題。

予想される反論・再反論

有害なWebサイトへのアクセスを制限できるという意味でも、フィルタリングはありなのではないか。
→回答がいくつか考えられるため、今回は箇条書きとする。
・ただ闇雲にアクセス制限を行う前に、まずはなぜフィルタリングをかける必要があるのかについて、また、インターネットの持つ潜在的な危険性について、ユーザーである学生やその保護者に対して自分でWebサイトの持つ危険性を認識できるように教育を行うことが必要なのではないかと考える。
・また、制限の範囲をWebサイトのみならず、アプリにも拡大すべきである(現状Androidは可能だが、iOSは不可能)。
・フィルタリングを利用することで、本来は問題ないコンテンツであってもアクセスが制限されてしまうこともありうる。

Qフィルタリングの対象もリテラシーをもつべきなのでは?広告もブロックできた方がいい。
Aサイト側の収益がなくなってしまう。完全な規制は不可能に近い。

Qフィルタリングをすることで大人側の責任を回避することができる。自己防衛になる。責任がないなら自由もなくていいのでは?
A過度な縛りはネットの良さである親しみやすさ、自由度を抑制されてしまう。

参考文献・URL

ITトレンド「フィルタリングとは?実施方法や注意点をわかりやすく解説」 https://it-trend.jp/filtering/article/442-0039 
総務省「我が国における青少年のインターネット利用に係るフィルタリングに関する調査結果の公表」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_03000347.html 
Iフィルター「フィルタリングの回避方法とその対策【1】 「それ、Wi-Fiにも効くフィルタリングですか?」」https://www.daj.jp/cs/newswatch/160202_01/ 
CNET Japan「子どもを守るはずのフィルタリングが機能していないワケ--保護者のリテラシーに課題」https://japan.cnet.com/article/35170510/ 
パーソルクロステクノロジー「抜け道もあるが、無意味ではない スマホの青少年向けフィルタリング、「される側」はどうしてる?」https://staff.persol-xtech.co.jp/i-engineer/product/SPfilter

【先生からのコメント】

古くて新しい問題。制限の是非はいつの時代もいたちごっこになっている。1回悪を経験しないと正義を知ることができない。ただ、一定の制限をかけたり、そのへんのさじ加減が大事になってくる。











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