80才代の老人3人組に勇気づけられたお話
バイトに行かずともよくなったので、時間がたっぷりある❣️はずだったんだけど❓
今日は朝7時起床!初任者研修の講習を受講するため遠くの町まで40分かけてドライブ。9時〜5時の講習(実技含む)を受け、帰りにスーパーマーケットに寄って買い物。さすがに家に帰る頃には蚊🦟だった。
が、せっかく購入した食材を腐らせるわけにもいかないので、牛バラ肉を小分けして冷凍庫へ移動、真鯛には塩を振って冷蔵庫へ。赤カレイをサッと煮ておけば明日の夕食の一品になるからと雪平鍋に湯を沸かす。生姜を切る。カレイの下処理をして鍋に投入。ふぅ〜、これでやっと寝られる。
と思いきや、猫のロビン氏が
お外に出たいよ〜
とおっしゃる。
行くの?
寒いよ?
今、マイナス1度だよ?
と説得を試みるが、ガンとしてドアの前から動かないロビン氏に根負けし、渋々扉を開ける。開けたが最後、まさか外気温ー1度の森に一晩中放牧もできないので、ロビン氏のご帰宅を待ちながらnoteを開く。結局、ロビン氏が帰宅し就寝したのだが、もう0時を回っていた。
翌日は朝8時起床。ロビン氏はむろんガッツリ睡眠モード。
もう起きるん?
アホちゃう?
みたいな顔つきでチラッと視線を投げて後、完全に睡眠続行モード。
人間の方は、今日もやる事あったっけと体を垂直にする。
とりあえず、今日は糸染めが最優先事項!なので、庭で胡桃の葉柄や葉っぱを拾い集め、ボウルでグツグツと煮出す。甘い木の香りが部屋中に漂いはじめると、だんだん気持ちがまったりしてくるから不思議だ。
染める糸はウールが多い。草木染めのニット専門店で販売する糸の染色を紀元前から請け負っている。紀元前は大げさだけど、私が手掛けている仕事の中では一番歴史が古い。染めた糸が1000色を超えたところで、品番を1に戻したから今2世紀目の150色めくらい。似た色はあるけれど、1つとして同じ色が存在しないのが手染めの魅力だろう。
中でも胡桃の茶色はこっくりした独特の色で、私も大好きな色である。と、染め職人風に語ってみる私。
グツグツ煮える胡桃を横目で睨みながら、ガスレンジと薪ストーブの掃除をする。これから長い冬の間お世話になるからと、特に念を入れて磨く。
薪ストーブくん、よろしくね。
と話しかけている自分が若干イタイが、本当にこの人(人じゃないけど)の重要性はV・I・Pクラス!贅沢品でも雰囲気を醸し出すためのインテリア用品でもなく純粋なる必需品。はるばるカナダからやってきた無骨で頼りになる冬の相棒なのだ。
そこへ睡眠をご堪能された猫のロビン氏登場。四肢を伸ばしつつ私を見上げる。
外へ行きたいんだけど?
と無言で曰う。
ここからドアマンの仕事が加わる。
あ、そうだ!以前から気になっていた黒ゴマのカンパーニュを焼こう!と思いつき、生地を捏ねて薪ストーブの近くに置く。発酵にちょうどいい温度なんだよね、これが。
胡桃色に染めた糸をボウルの中に沈め、このまま一晩置くことにする。
2倍に膨らんできたパン生地を成形しオーブンへ。
友達とLINEでお喋りしてからパンを取り出す。
焼きたてにかぶりつく。
うんまい❣️
パンをかじりながら、帰ってきた猫のためにドアを開ける。
と、ロビン氏は、すかさず膝の上に乗り、早くもだらーんでれーんと液状化している。
いい身分だな、君は。。。
ねえねえ、今日は、染め職人➕主婦➕パン職人➕ドアマンだったんだよ。
すごくない?
などと言いながら、夕日が、ゆっくりと春楡の木の間に沈んでいくのを、猫と2人で眺める。
こんな風になんでもない1日が淡々と過ぎていく。
平凡な1日ってこんなにありがたいもんだったっけ?と思えるのはグレイッシュ・ホームで出会った老人たちのおかげかもしれない。
片マヒ➕認知症➕歩行困難の80代3人組はこう言っていた。
まだ若いじゃない!
なんだってできるわよ!
身体も動くし!
頑張んなさい!
∠(*^ー^*)oラジャ!!
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