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お薬のお話〜デエビゴ®︎錠2.5mgの0.5Tの処方を見たことがありますか?

こんにちは、お久しぶりです、やま茶です。
今回は質問形式でブログのタイトルをつけてみました。

私自身の回答としては「ありません」です。


ぜひ、見たことがある方いらっしゃったら教えて頂きたい。

じゃあなぜこういったタイトルになったのか?
それは、処方されることがあるかもと思ったからであります。

以下、解説していきましょう。

デエビゴ®︎ってどんどん処方されるようになりましたね〜
ベルソムラ®︎の相互作用でクラリスロマイシン禁忌なので一気にデエビゴ®︎発売と切り替わるように処方が変わっていきました。
そんな比較的併用禁忌チェックのいらないデエビゴ®︎でも減量基準がありますよね。
でもそれって添付文書だけでは全てを把握できないって知ってましたか?

ということで、添付文書を見てみましょう。

7.4 CYP3Aを阻害する薬剤との併用により、レンボレキサントの血漿中濃度が上昇し、傾眠等の副作用が増強される恐れがある。CYP3Aを中等度又は強力に阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は、患者の状態を慎重に観察した上で、本剤投与の可否を判断すること。なお、併用する場合は1日1回2.5mgとすること。

デエビゴ®︎錠添付文書より引用

CYP3Aを中等度又は強力に阻害する薬剤(フルコナゾール〜省略〜クラリスロマイシン)なんですよ。”等”…

つまり、添付文書に全て載っていない…
これはメーカー作成の医薬品リスク管理計画の中の適正使用ガイド内で、等で省略された薬剤を確認できます。

デエビゴ®︎錠適正使用ガイドより引用

処方頻度の低い薬であれば良いんですが、フルボキサミン、ジルチアゼム、GFJは添付文書に載せておくべきでしょ!とツッコミたくなりますね。
暗記しなさい!と言われればそこまでですが…

ということで、私はさらに深掘りします。
審査報告書では、

申請者は、強力なCYP3A阻害剤及び中等度のCYP3A阻害剤との併用時に非併用時と比較してAUC0~∞は4倍に上昇したこと等から、本剤10mg/日に相当する曝露量となる2.5mg/日のみを、効力なCYP3A阻害剤及び中等度のCYP3A阻害剤との併用投与時の推奨用量としている。〜省略〜

デエビゴ®︎錠審査報告書より引用①

本剤10mg/日では傾眠、睡眠時麻痺等の有害事象の発現割合が5mg/日と比較して高くなる傾向が認められること〜省略〜併用する必要がある場合は10mg/日相当の曝露量と想定される2.5mg/日とすべきであり、安全性に問題が認められれば、本剤の投与を中止することが適切である。

デエビゴ®︎錠審査報告書より引用②

とありますね。

つまり、デエビゴ®︎錠2.5mgを定期服用している人に、CYP3A中等度阻害剤のフルボキサミンが処方追加となった場合、一気にAUC0~∞面でデエビゴ®︎錠が10mgに増量されることになってしまうんです!!

まあ、禁忌に該当しないし、減量基準満たしているし、大丈夫だなっと思って簡単に捌いてしまっては少し危ないです。

今回処方されたお薬との相互作用で、眠剤が4倍増量されることになってしまうのですが、翌日朝の眠気やだるさなどはいかがですか?

と患者さんに確認すべきですし、Drにも確認したほうが良いでしょう。

普段からデエビゴ®︎錠10mgを服用している人だったら、見かけは2.5mgへ減量となり、AUC0~∞では10mgを服用していることになり、お薬代も安くてラッキー♪となるかもしれませんけどね^^;

インタビューフォームまで確認しましたが、半錠にした場合の製剤の安定性の記載はありませんでした。

ちょっとだるさありますと患者側から報告された場合は、その”ちょっと”が4倍になるということですから、結局は、デエビゴ®︎錠か、CYP3A阻害剤を別のものに変更するしかないですよね。

ということで、もし、デエビゴ®︎錠2.5mgの半錠処方、見かけることがありましたら教えて欲しいです。
なぜなら、その問合せをした薬剤師、又は処方した医師は審査報告書まで確認された、ということですからね! もしくはこのブログの読者でしょうね(^^)

では、今日はここまでです。

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