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星のおうじさま を読んでみて

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ著、「星のおうじさま」といえば、言わずと知れた名作です。ただ読んでみても「わからない!」ということも多いのがこの作品でもあります。

正直に言います。この作品は”わからない”からこそ、素晴らしいと思うんです。

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主人公は、飛行機のパイロットをしています。あるとき、砂漠に墜落し、星のおうじさまに出会います。

そのおうじさまは主人公に会うなり「ヒツジの絵をかいて!」と言います。

主人公は羊の絵を描くんですが、ことごとく「ぼくが探しているヒツジはこの羊じゃない!」と言われて、他のヒツジを描かされます。

とうとう、主人公は箱の絵を描いて、

「きみがほしいっていうヒツジはこの箱の中にいるよ」

と伝えます。するとおうじさまは満足して

「そうだよ!こんなヒツジなんだ、ぼくがほしかったのは」

とこたえます。

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星のおうじさまは、まるでずっと、この箱を見せられているような、そんな作品です。

星のおうじさまが、いったいどんなメッセージを僕たちに伝えてくれているのかは、僕たち自身が想像するんだと思います。

そのメッセージは当然、人によって違います。オリエンタルラジオの中田さんのような解釈をする人もいると思います。

そして何よりメッセージは読む自分の状況によっても違うんじゃないか、と思うんです。

ハコを見せてくれるからこそ、ぼくらが欲しいメッセージがそこには出てくる。

そのことが、星のおうじさまが多くの人に受け入れられ、そして長く愛される作品である所以なのではないでしょうか??

ぜひ、自分が今どんなメッセージをそこに見出すのか、

宝探し気分で読んでみてはいかがでしょうか??

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