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#3 全て覚えなくていい。記憶の湖による整理術|広告マンの徒然草

不健康法師です。本日も不健康に休日出社し、仕事の傍らで考えています。

さて本日は、整理術について。インプットをどうアウトプットにつなげるか。といっても、結論から言うと、私は情報・記憶の整理はしていません。

世の中には、「頭の中で棚を作って整理整頓する」や「ディレクトリを切って仮想フォルダ内で管理する」など、ものすごい整理法を持っている方々がいますが、実際私には頭の中にそんな仮想空間を持ち合わすことができません。そもそもフィジカルな空間でも整理整頓を苦手とします。

しかし、日々のインプットや、激烈な体験などを、アウトプットに活かしたいと思っていることも確かなわけで。

そこで私は、ひとつの「イメージ」をもって、かつそのイメージの中でのアウトプットにつながる「アクション」によって、体験・経験・情報・ひらめき・思いつきなどの情報と向き合っています。
何故そのイメージに至ったのかという自身の体験を持って、紹介できればと思います。

●経験は血となり肉となる。

大学3年生のころ、親父の死がきっかけとなり、「人はいつか死ぬ。死ぬ前にやりたいことをやろう」と思い、大学を休学し世界一周7か月のバックパック旅にでました。

本当に様々な、街・文化・人・歴史・風土・宗教と出会えたのは良かったのですが、帰国してからは、「このものすごい経験を、世の中にアウトプットしなければいけない。」という義務感を勝手に背負いこんで、形にしようと焦っている自分がいました。
*当時人気のあった「高橋歩」の影響を受けていたのかも知れません。

そんな中、インド・ムンバイで出会った「菅原さん」という定年後の旅好きおじさんからメールをいただき、奈良のご自宅まで遊びにいくことになりました。世界一周の思い出話を聞いていただき、そして「実はこの経験をどう形にすればいいか悩んでいる。」と相談をさせていただきました。

その時、菅原さんの奥さまが仰った言葉に、心の底から救われました。

「あなたは、今日食べた晩御飯のひとつひとつが、これが爪になって、これが髪の毛になって、これが筋肉になるって説明できる?
人の経験も同じよ。ご飯みたいなものなの。あなたの経験は今は見えなくても、いつか血となり肉となり、これからのあなたの中で生き続けて支えてくれるから。焦らなくていいのよ。」

「経験は全て無駄じゃない。」そう思えた瞬間でした。

●イメージ:記憶とは湖である

とはいえ、身体の中はどうやっても見えず、より実用的に情報のインプット・アウトプットを行いたいと思うようになりました。
そこで至ったのが「記憶の湖」というイメージです。
今思うと南米大陸を陸路で移動していた際、ボリビアからペルーに向かう道中で立ち寄った「チチカカ湖」が、そのイメージの源泉かもしれません。

イメージの中で、私は(トップ画のように)静寂な湖の上でひとりボートに乗っています。そして色んな経験・体験・情報を、「えいや!」と湖の中に放り込んでいきます。これがインプットです。

そうすると湖の水中では、目には見えないけど食物連鎖的な事象が新たに発生し、記憶と記憶が食い合い・あるいは融合して、どんどん大きな生物が誕生していきます。

自分の湖は広くて深いんだ。そしてそこには色んな生物が生きているんだ。そう信じる切ることが、大切な要素かもしれませんね。

●アクション①:釣り上げる

さて記憶の湖で生まれた大魚をどうアウトプットに活かすか。私が実践するアクションは、まず「釣り上げる」こと。湖をのぞき込み、餌を吟味し、釣り糸を垂らし、あとはじっくり待ってみる。

概念的には話になりましたが、ようは「自分と向き合う時間を増やす」ことと「釣り上げるもののイメージを持つ」です。

今はどこにても何をしていても、誰かがそばにいる時代になりました。その分減っているのが、自分自身と向き合う時間じゃないかと思います。まずはボートの上に浮かんで日が暮れるまで自身の「記憶の湖」と向き合う。そうすると、湖の中が見えたり、色の違いに気づいたりします。

また、釣りをするとき、何を釣り上げるかはだいたい目標を持ちますよね。そしてその目標によって、餌なりルアーなりポイントは変わるはず。
世界一周の時感じたことでアイデア・アウトプットが出せないかな?と思ったときは、それを放り込んだポイントまで行って、特徴的な思い出という餌を使って、釣りを開始します。

釣れないときもありますが、「絶対大魚がいるんだ!」と信じると、最終的には何かしらがポッと上がってきたりするものです。

●アクション②:垂下式養殖

もう少し実用的にアイデアを作りたい。そう思う人は、「垂下式養殖」もおすすめです。ようは、「お題を与えて太らせる」方法です。記憶のおおよそのエリアを選んで、牡蠣の養殖のように一回記憶の湖の中に沈めてみる。湖の上にはブイがその位置を知らせてくれます。

もっと具体的な行動でいうと、「常に頭の片隅で考える癖付け」かもしれません。ぐーっと考えるよりも頭の片隅で考えたものことの方が、客観的にいいものが生まれる場合もあります。大切なのは「お題を意識し続ける」ことで忘れてしまってはいけません。そのためにスマホのリマインダー/メモ機能や、フィジカルなポストイットに書いておくなど、自分にあった方法を見つけれればできると思います。

これは私の感覚ですが、お題はシンプルに言語化できているものの方がいい牡蠣が育つ気がします。

●アクション③:誰かと一緒に釣りをする

つまり、「人と話す」ことです。壁当てとはよくいったもので、誰かに話すことは時に自分でも気づかなかったことが浮かび上がってきたりします。私も体験として、一人でBARにいき、自分と向き合う時間をつくりつつ、この辺に大魚がいそうだなと思ったら、そのあたりの話題をBARで横に座っているお姉さんに話してみたりします。

「あともう少しで釣れそう!」という時は人の力に頼るのも有効です。

●まとめ

・経験は全部無駄じゃなく自分自身に生きている。
・記憶の湖というイメージを持つ。
・その湖からアウトプットを生むアクションを実生活に落とす。
・焦らず自分自身を信じる。自分と向き合う。

これらが勝手ながら私の記憶の整理術で、意外とワークしています。
「全部覚えてなくていい!」っていう免罪符も、実は変なプレッシャーから守ってくれるマインドセットになっていたり(笑)

是非、試してみてください。&ほかのイメージあれば教えてください!
以上、広告マン・不健康法師の徒然草でした。

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