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#1 概念の力|広告マンの徒然草

徒然なるままに、日暮らし。
パソコンに向かいて、業務繁忙の傍ら頭に浮かびゆく由無し事が、意外と大切な気づきだと思う今日この頃。

これまでの人生、走りながら考え、考えながら走ってきた。一度立ち止まってみよう。無意識的に考えてきた生き方・その指針、頭の中にふつふつと思い浮かぶアイデアやその他雑多なことを、徒然なるままに、まとめていきたいと思います。

大海原へ小さなブイを「えいや!」と投げ込んでいくような作業ですが、いつの日か誰かが進む航路の、ひとつの指針になればと願っています。

●概念とはサーチライトである●

これは、博報堂ケトル嶋浩一郎氏の言葉。書籍『欲望する「ことば」 「社会記号」とマーケティング (集英社新書)』に登場。

僕ら広告を扱う仕事は、アイデア(無形)を何かしらのアウトプット(有形)へと変えていくのがもっぱらの職務。その際に、他者と考えを共有することが必要になり(一人では何もできないし誰もお金をくれない)、考えの「見える化」を求められる。アイデアを簡潔に語ることができればそれがベストであるが、なんか、こう、こうゆう感じなんだけど…と一言で伝えきれない場合もある。
その時に必要なのが、「概念力」。大枠を描き、関係者を納得させる力。

より具体化すると、次の3つの能力になると考える。

①図式力

建築的には「ダイアグラム」と言い、設計のコンセプトをいかに形に落とすのかを「誰もが一目でわかる」ように図化したもの。概念を語るとき、この図化できる能力は本当に重要で、企画や戦略に関してのあらゆる事柄を一枚絵に落とすと、途端に全員が納得する・その図をベースに詳細の議論が始まったりする。この図化能力が高い人は、たいがいホワイトボードや白紙をつかった「板書力」が高い。
マーケティング・広告的に言うと、「パーセプションフロー」や「ロードマップ」や「カスタマージャーニー」といった、「フロー(流れ)」を表すこともできる。

②例え力

「いいチームは、打順が組めるチームだ。」
これは私の尊敬する上司の名言。野球の打順は、全員が強打者では成り立たないということに例えて、「同じような能力が揃うチームより、何か秀でた能力がある人が組み合わさった方が強い。」ということを示している。

この業界では、まぁ例え話が多い。また例え話が上手い人が多い。
そしてその例え話で、その場にいた全員の合意が取れてしまうことがある。
これこそが、大枠を描き周りを納得させる「概念力」であると私は確信している。

「プレゼンとは戦場だ。地形の利を把握し戦略を練ることが営業の仕事。すなわち営業とは軍師だ。」
「君はあれだな。外見はおでんくんだけど、中身は本田圭祐だな。」

などなど、「例え力」は強力な概念把握ウェポンです。

③視座

前述の2つが「伝える力/サーチライトの照度や色」だとした際、最後の一つ「視座」は、「多面的に見る力/サーチライトの台数・角度」である。複雑な事柄であればあるほど、最も分かりやすい視座はどこか?を探し当てることが大切。すごい人ほど、多くの視座を持っている。

ここで全く違う話。母が教えてくれた「こびとのはなし」。

あるこびとがいいました。「象って動物は、固いんだぞ。」
するとべつのこびとがいいました。「いやいや、象はふさふさしてるよ。」
またべつのこびとはいいまいた。「違うよ。象はべちゃっとしてるんだ!」
このこびとたちは口論になってしまいました。だって全員があってるから。
象の爪を見たこびとと、尻尾を見たこびとと、鼻先を見たこびと。

大切なのは、「引いてみること。」

そう、「視座」って角度や台数だけじゃなく、ズームワイドも大切です。


●まとめ

・概念の力は、物事を前に進める力
・図式できたらすごい
・例えで言えたらすごい
・色んな視座でみつれればすごい

最後は「概念の力」を概念的に説明してしまい、もはや何のことかわからなくなってきてしまいましたが、何かしらの参考になればと思っています。

今回は以上。広告マン・不健康法師の徒然草でした。

#広告 #ビジネス #働き方 #徒然草 #概念とは #私の仕事