今こそ見たい、BLドラマ。

BLドラマ先進国といえば台湾、タイのイメージだ。ワタシはどちらかというと、実写版的な物は見ない派なので、ドラマはほぼほぼ見ない。

ノルウェーだかスウェーデンだか、とにかく北欧辺りで数年前に放送された「SKAM」というドラマがある。思春期の少年少女の悩みや問題を描いており、シーズン毎に主人公が変わるドラマだ。多分。

多分、というのは、なんせ日本では放送もされてなかったので情報を得ようとすれば、英語だかドラマの放送国の原語の動画とかサイトしかなかった。日本語オンリーのワタシは雰囲気でそれらを理解するので、情報は結構適当だ。そんな適当情報のSKAMの中で、ゲイの高校生の恋愛や葛藤などを描いたシーズンがある。男女それぞれある様で、BL漫画好きとしては、もちろんDKの方をを観たい。超絶話題になったばずなのに、日本では放送すらされなかった。SKAMを知った二年前は無かったが、今はフランス版もあるらしい。(たしかアメリカ版もあった気がするが、嘘かもしれない)どっかのケーブル局とかNETFILIXとかアマプラでもいいので是非、放送して貰いたい。

画像1SKAMのエヴァンとイサク

画像2

この二人はノルウェーのドラマアワードみたいな授賞式でも終始手を繋ぎ、キスまで披露していた。ファンサービスが異常だ。

SKAMはさておき、実は日本にも勧めたいBLドラマがある。勝手にワタシがBLだと思い込んでるだけだけど。

それが、沢田研二ことジュリー主演の

「悪魔のようなあいつ」

だ。

BL漫画の金字塔「風と木の詩」の連載が始まったのが1976年なので、放送はそれよりも早い1975年。1978年にCOMIC JUNとしてスタートを切った、JUNEの編集にたずさわった方が、ご両親から酷く反対された。とおっしゃっていたのを何かの記事で読んだことがある。1970年代は、そういう時代だったんだろう。

そんな1970年代において「悪魔のようなあいつ」は、当時時効を迎えた「3億円事件」を下敷きにしたサスペンスでありながら、男性同士の色恋をストーリーに盛り込んでいたのだ。実験的で革新的で、アバンギャルドでセンセーショナルだったに違いない。一言で言ってしまうと、時代を先取りしすぎている。とは言え、あの時代でないと放送出来ない内容であるのも間違いない。

世間を賑わせた3億円事件が時効を迎えたその年、可門良(ジュリー)は元刑事(藤竜也)がオーナーのバーで専属歌手として、ステージで弾き語る傍ら、女性相手に春をひさぐジゴロとして生計を立てていた。良は以前、バイク屋で整備の仕事をしていたが、3億円事件が起こったその年、整備の仕事を辞めている。時効後も犯人を追う刑事(若山富三郎)が良の前に現れた事で、物語は思わぬ方向へと突き進んでいく。

あらすじは、覚えてる限り大体こんな感じだ。もちろん春をひさぐジゴロなので、女性関係も出てくる。書いてないけど、ヒロインは篠ひろこだ。そしてこの大体のあらすじだと、どこらへんがBLなのか分からないサスペンス要素しかないのだが、注目は元刑事のオーナーの藤竜也だ。

藤竜也というと、ワタシは何故だかピースというイメージがある。あとウィスキー。そんなCMにでも出てたんだろうか? 記憶にないけど。とにかく渋い大人の男の藤竜也が、ドラマ中盤だか終盤で、まるで獣の様にジュリーに襲いかかり、ジュリーのシャツを引き裂くという、衝撃シーンが登場する。藤竜也の切羽詰まった感じが凄いのだ。もうおっさんなんだし、落ち着けよ。と余裕があれば突っ込んだところだが、そういうドラマだと思って見てなかったので、「お、おう……」と答えてやることしかできなかった。

男女のラブシーンも気不味い空気が重くのしかかる家族団欒なのに「好きなんだよ!」とか言いながら(確か)、ジュリーを殴ってシャツを引き裂く藤竜也。シャツを引き裂かれたジュリーと同様に、お茶の間の空気は凍てついた筈だ。ちなみにこのドラマは深夜枠でも昼メロ枠でもなく、午後十時に放送されていたらしい。

昭和は良い意味でも悪い意味でも凄い。その部分が問題じゃなく、一度も再放送されなかった(できなかった)理由は、ドラマを見てればなんとなくわかる。

元刑事の藤竜也がそうなんだし、現役刑事の若山富三郎もきっと、魔性の男ジュリーに惹かれているに違いない。なんせ、富三郎は登場当時から、イヤらしい(偏見)目つきでジュリーを見ていた。最後はきっと

藤竜也と若山富三郎がジュリーを奪い合い、殺し合って全員死ぬはずだ。

と、ワタシはそんな風に予想した。

まぁ、若山富三郎のイヤらしい目つきは、ワタシの勘違いだったのだが、大体死ぬのでその辺の読みは間違ってない。主人公含め、大体死ぬというのも、鬱っぽいエンディングが避けられがちな昨今では、逆に斬新だ。

現在はCSのTBSチャンネルで見られるらしい。多分。

因みにこのドラマのテーマソングとして作られたのが、ジュリーのヒット曲である「時のすぎゆくままに」だ。ドラマの原案が阿久悠ということもあり、ジュリーは劇中でこの歌しか歌わない。弾き語り歌手なのに、この歌しか歌わないという不自然さがあるが、毎回どこかでジュリーが歌う。そんな感じなので、空で歌えるようになるという特典までついてくる。








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