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「老害」と「大御所」について

かつて、お笑いタレントの
明石家さんまさん(68)が、
とあるトークバラエティ番組で、
こんな発言をなさっておりました。

「人気がどうこうより、一人でもオレを応援してくれる人がいるかぎり、辞めるのは(応援してくれている人に)失礼だろ、ということで
今でも頑張らせていただいている」

「若手のことは考えてない。
ファンのことを考えてる、オレは」

「(逆に、若手には)もうオレたちの時代やないな…と思わせてほしい」

さて。「老害」なる言葉が
メディアやネット上でやたら
目につくようになった昨今…
とくに、我々みたいな
フリーランス「人気稼業」に就く者は、
企業プロ(団体)スポーツ界などと違って
明確な「解雇」の勧告がないためか、

「いつまでも大御所ぶってないで
とっとと引退しろや!」

…といった “圧” が、
まるで真綿で首を絞めるように
しっとりまとわりついてくるものです。

ちなみに一応断ってはおきますけど、
(一部を除く)我々ベテランはみずから

「大御所」

…を気取っているわけでは決してありません。

大半の “大御所世代”

「どんな汚れ仕事でも受けまっせ〜!」
「ギャラもそこまでうるさいことは言いませんよ〜」

…と謙虚な姿勢で日々を生き抜いております。
勝手に若いヒトたち側が我々を

「大御所扱い」

…し、「面倒臭いヒトたち」扱い
しているだけなのです。

そして、この負の連鎖によって
大御所世代の仕事が無くなる状態を、ぼくは

「大御所貧乏」

…と呼んでいます。

しかし、いっぽうで日本社会は
高齢化対策の一環として、たとえば勤め人

「定年の引き伸ばし」

…を試みる風潮も見て取れたりもして…。

「結局のところはどっちやねん!」

…と、ゴメスじいさんは、
ただ戸惑うばかりであります。

たしかに、若い世代と比べ、
ITツールに対する対応力などは
圧倒的に劣っている…。

しかし、さんまさんのおっしゃるとおり、
ぼくのコラムを楽しみにしてくださっている人が、
仮にたった一人でも実在するならば…
(※クライアントさまから「連載終了」を
告げられないかぎり)
ぼくはやはり、
自分から引退する気は毛頭ありません。

万一、ぼくが居座っているせいで
一人の若手が仕事からあぶれているとしても、
そんなの知ったこっちゃない。
ぼくの “席” が欲しけりゃ、
実力で奪い取ればいいのです。

こうして「大御所」という名の “老害世代” が、
未練がましく “現役” にしがみついて、
若い世代とガチで “席”を奪い合う──
ある意味 “健全” とも言える
エイジレスな関係を気づくことこそが、
高齢化を宿命とするニッポン社会においては、
真の活性化へとつながるのではないでしょうか。

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