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ネット上に蔓延(はびこ)る「なんちゃって関西弁」について

冒頭のサムネールにある言葉は、
2024年3月29日付で、
俳優らを常習的に脅迫した罪で懲役3年、
執行猶予5年の有罪判決が確定した
「ガーシー」こと東谷義和元参議院議員が、
かつて自身のYouTubeが相次いで
BANされたときにSNS投稿した檄文であります。

大阪に生まれ、大学を卒業するまでの20数年間
大阪で過ごしてきたゴメスが鑑定するに、
このガーシー氏によるこの捨てゼリフ(?)は…
内容はともかくとして、

「せん」

…というたった二文字の否定語から

「わ」

…という語尾まで…
関西弁としては完璧だと思います。

まあ、ガーシー氏は兵庫県の伊丹市出身──
とのことなので、これくらいの

「高次なバランスのネイティブな関西弁」

…を流暢に使いこなせるのは当たり前と言っちゃあ
当たり前なのかもしれませんが、
昨今は関西にまったくゆかりもないヒトたちまでが、
SNSやヤフコメ欄やネット掲示板とかで

「なんちゃって関西弁」

…を好んで使うケースが、
にわか増えつつあると感じるのは
気のせいでしょうか?

たとえば、ぼくの草野球仲間の一人である
東京の麻布十番出身青山学院大学を卒業して
都内の大企業に勤める…
しかも転勤の経験
一度たりとてない40代男性は…
LINEでやり取りする際、時おり
津軽弁でもなく茨城弁でもなく沖縄弁でもない、

「つたない関西弁」

…をブッ込んできます。

「たしかに左投げの
セカンドがいたらおもろいかもね」

「今更やけど、今日のボクの
第二打席はやっぱエラーになるんかな?」

「アレは100%ヒットやんけ!」

…みたいな風に、です。

大阪の血が流れるぼくからすれば、
生粋の「港区男子」として
生まれ育ってきたその彼が、
なぜ唐突に憑依されたかのごとく

「エセ関西人」

…を気取るのか、
さっぱり理解できないのですが、
(※しばし馬鹿にされているような
気分になることすらあります)
関西弁
にはおおよそで申すと
以下のような効果が期待できる
…と、ぼくは推測します。

・輩(やから)感(=コワモテ)の演出

・関西芸人的なコミカル感の演出

・キツめな文面内容にソフトさを加味する

・シビアな文面内容のガス抜き的な役割

・テレ隠し
(※↑「やっぱエラーになるんかな?」)

・(一部の)関西人特有の
        関西弁に対するプライドの固守

・(一部の)関西人以外の人が
        抱く関西弁に対する謎の憧れの主張

個人的な話をすれば…正直なところ、
ぼくは執筆にあたって
文章中に関西弁を多用するのは、
テイストとして
あまり自分にはしっくりこないし、
「可読性」という視点からも
極力避けるよう心がけてはいます。

上京して1年足らずで、
ぼくの「大阪訛り」もほぼ標準語へと、
自然に矯正されました。

公私問わずの会話にしても
メールのやりとりにしても、
(東京では)頑なに関西弁を貫き通すより

「標準語のほうが
コミュニケーションもスムーズになる」

…ケースが多い、と
(あくまで個人的に)判断したからです。

しかしながら、そんなぼくでも、
いまだ愛用し続けている関西弁
一つだけあったりするのです。

「なんでやねん!」

…であります。

日本各国に実在する
幾多のツッコミ用語のなかでも、
コイツに勝るモノはなし! 

「激しさ」「愛嬌」が同居する
この最大級に便利な言葉を成文化するとき、
ぼくの大阪人としての魂が
この六文字(「!」マークを含めると七文字)に、
ここぞとばかり宿るのでありました。




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