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「前から言ってるけど〜」について

たまに、自身の意見を自由に書き込みできるインターネット掲示板──とくにヤフコメ欄あたりで、
当たり前のように

「前から言ってるけど〜」
「前にも書いたけど〜」
「いつも言ってるけど〜」
「散々繰り返してきたけど〜」

…などと、まるで

「自分の投稿がずっと読まれている体(てい)」

…の「お断り」を入れてから、自身のロジックを
たっぷりと展開するヒトを見かけます。たとえば、
一昔前のコロナ禍だと、

「前から言ってるけど、マスゴミは今日は全国で
◯◯人の感染者数でしたと垂れ流しているだけ。
いい加減国民もうんざりしてる」

…みたいな感じですね。

ただ、ぼくはこの手の(もはや?)慣用句
目の当たりにするたび、いつも思うんです。

「前から言ってるけど〜」って…
知らんがな! 
アンタのことなんか!!
アンタがヤフコメ欄で同じことを
何回言ってるかなんて、
アンタがどーいう主義主張の持ち主かなんて、
いちいちチェックしとらんがな!!!

…と。ぼくがまだ駆け出しのライターだったころ、

「いくら連続モノの記事やコラムや小説であっても、この原稿をはじめて目にする読者のことを常に考えた書き方を心がけなさい」

…と、何人もの担当編集から徹底的に叩き込まれて
きました。だから、

「前から言ってたけど〜」

…はもっとも使用してはいけない禁句中の禁句なんであります。

百歩譲って、そう記述するなら、紙媒体だとその「前から言ってたこと」の要約を追記、ネットだとそこへ飛ぶことができるリンクを貼るのがマストなのです。

2022年から、Yahoo !はヤフコメ欄への投稿に対して、携帯電話の登録を必須化しました。そのおかげで「コメント欄が“キレイ”になった」という声があるいっぽう、ネット界全体としては「口汚い誹謗中傷がTwitterや5ちゃんねるやガールズちゃんねるとかに流れただけ」という見解もあります。
また、ヤフコメ欄は、中高年世代を中心とする一部のヘビーユーザーが一つのニュースに何度も投稿して
いたりもするため、

「必ずしも投稿実数と投稿人数は一致しない」

…なんて噂を耳にしたこともあります。「共感した」「なるほど」ボタンの数で承認欲求を満たしたり、
自分が多数派かどうかを確認する…ような使い方をしている人も少なからず実在する…らしい。
いずれにせよ、炎上案件だと一つの記事に何千ものコメントが集まるヤフコメ欄において、ましてや無記名の適当なハンドルネームのみで発信する投稿が、
“読者”の記憶に残っているはずもない──
そんな謙虚な客観的視点は、いくらノーギャラであろうと趣味の一環であろうと、公に…世界に向けておのれの持論を放言するかぎり、最低限持ち合わせて
然るべき礼儀なのではないでしょうか。

あと、ついでにもう一つ! よく

「マスゴミ」

…なるワードをヤフコメ欄でも散見しますが、
これはおそらく

「マス・コミュニケーション」

…の略語である「マスコミ」の誤記であると推測されます。やはり、公に…世界に向けておのれの意見を
晒す際、このように初歩的な誤字脱字

「MAXに頭が悪そうに見えてしまう」

…ので、そこらへんのうっかりミスには万全の注意を払っていただきたいものです。



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