見出し画像

【プロット】車道の真ん中にいる頭脳明晰な大学生

 沼地の生物は、独自の生態系をつくっている。
 特に微生物の世界を見ていると、人間に荒らされていない沼ではとても面白い。
 昨日はアメーバの動きを見るために何時間も顕微鏡を覗いていた。
 私が書いたスケッチは膨大な数になり、部屋に積まれている。
 大学で博士論文を提出して、受理されたのであとは出版までトントン拍子だろう。
 車を飛ばして湿地に向かう途中、路肩に停めて風景を眺めたくなった。
 山奥なので、他の車はほとんど見当たらない。
 車道の真ん中まで出ると、行き先に目を細めた。
 博士号をとって、これから何をするのだろう。
 もちろん研究はしたい。
 収入を得るためにつまらない仕事はしたくない。
 国立研究所の話も蹴った。
 組織に所属していると、研究に制約が出てくるからだ。
 役に立たない研究にこそ、価値がある。
 ただ理想だけを追っているわけではない。
 時代に沿って考えた結果なのだ。
 車に戻り、昨日の研究成果を音声で配信し始めた。


「利益」をもたらすコンテンツは、すぐに廃れます。 不況、インフレ、円安などの経済不安から、短期的な利益を求める風潮があっても、真実は変わりません。 人の心を動かすのは「物語」以外にありません。 心を打つ物語を発信する。 時代が求めるのは、イノベーティブなブレークスルーです。