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#9:クラブの企業価値評価

教頭の福田です。
「いや〜、2022年もついに始まったな〜〜」
なんてことを1月に言ってたと思ったら、いつの間にか2022年度が始まった4月も終わり、今はもう5月。。。
いっちょ前に「少年老い易く学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず」なんて知ってるくせに、全然実行できてない自分に辟易しちゃいます。。。
いや、これでこそ人間。気がついたときに何とかもがいて取り返しましょう!やればできる!!(笑)

さて、定例勉強会9回目の講義は、クラブの売却・買収が行われる際の価格決定に関する理論と実際について。ロジック・パッション・ネットワーク、そしてネゴシエーションがドロドロに混ざり合うこの分野の学び、簡単に共有させてもらいます。


1.スポーツチームの価値算出理論

 冒頭、山田塾長から投げかけられたのが、こちらの問い。

「えっ!?売却と買収の時に使うって言ってましたやん!!!!」

そんなあなたの心の声、ちゃんと聞こえてます。

「実はもう少し用途があるんです」

と山田塾長。
それはこんな感じです。

①チームの客観的な評価・外部からの見られ方
②経営者の目標やボーナス算出の根拠
③チーム買収の際の価値
④増資の際の払込の金額
⑤(上場チームについては)株式市場での売買価格
⑥従業員に株式型報酬を渡す上での報酬の価値

出所:オトナのスポーツファイナンスゼミ山田塾

「①チームの客観的な評価・外部からの見られ方」については、海外だとスポーツチームの資産価値ランキングが毎年発表されていますよね。有名なのはフォーブス。

近年では、クラブの社会貢献活動についてもSROI(Social Return On Investment:社会的投資収益率)という概念と手法において経済的価値を測定しようという動きが活発化しています。これについては、「山田塾スピンオフ#1」でも松本山雅のケースを学びました。


「④増資の際の払込の金額」については、最近の日本でもコロナ禍で発生した債務超過を克服するためにクラブの増資が決定されています。

「⑤(上場チームについては)株式市場での売買価格」についても、最近Jリーグはクラブの株式上場を解禁しました。

「⑥従業員に株式型報酬を渡す上での報酬の価値」については、上記の流れの中で、今後スポーツクラブにもストック・オプションが導入される時代が来るだろうと我々山田塾は読んでいます。

1)企業価値の種類

話は戻り、基本的にクラブ買収を中心にここからは進みます。
で、企業価値の種類について。こちらは需要と供給、売り手と買い手の交渉力が反映される構造になっています。
大きく分けて2つに分けられることを学びました。

コラム1 - プライマリーとセカンダリー取引

さて、クラブの株式取引には、増資と既存株の売買がありますが、この2つはかなり性質が異なります。クラブ視点では、「クラブにお金が入るの?入らないの?」という点が極めて重要になります。これ、クラブを応援するサポーターにとっても、「今回の取引が強化予算の獲得につながるのかどうか?」に関わる重要なポイントになるので気になりますよね。こうしたニュースが出る際の判断基準になりますので、以下のスライドを是非覚えておいてください。

2)ファイナンス的な価値算出手法

ここからは具体的な価値算出に関する以下の理論と手法を学びました。

①コストアプローチ
②DCF法
③マルチプル法(PER, PSR, EV/EBIT, EV/EBITDAなど)

その中身は是非山田塾にご入会頂き、資料とアーカイブ動画から直接学んでください。ここ、良いところなんでまとめnoteではお知らせできません(笑)

要は「それぞれに長所と短所があり、いくつかの手法を複合的に用いて価値換算する」というのが結論なのですが、ここに「唯物的価値を持ったサッカークラブの特性」が加わります。

2.実際の買収事例からの解説

上記を受け、「メルカリーアントラーズ」、「mixiーFC東京」の事例を解きほぐしながら理論と実際の隔たりや共通項についてディスカッションしました。ベンチャー企業CFOでもある山田塾長、スポーツアカウンティングの専門家である講師の里崎さん、そして欧州クラブのCSOである飯塚さんの視点はまさに理論と実践が融合したもので、今からでも皆さんに触れてほしいと思っています。

まとめとお知らせ

今回の内容は、クラブ・球団での勤務経験を持つ私、福田にとって、
「現場の実務がどのような土台の上で成り立つものなのか?」
という資本の観点において根本的で構造的な気づきを与えてくれるものでした。

この土台の理解なくして現場での成果がどこに反映されるか掴むことができません。言い換えれば、ここを理解することで自分の業務がクラブの企業価値に対してどのように貢献できているのかを『掴む緒』にもなります。

なので、「ああ、現役ビジネスパーソン時代に学んでおくべきだったな」と強く感じました。

また、今後は現在よりもクラブの買収・増資(つまり、新たな企業の経営参画やオーナー交代)が起こるでしょう。近い未来にはクラブの上場や外資系オーナーの誕生も高い確率で発生すると思います。

その際、経営者、従業員、スポンサー、新規参入者、ファン、選手というそれぞれの観点からこの動きを理解することがクラブの発展に必要だと考えます。もちろん、この講義だけではその全ては理解できませんが、90分でかなり深く、何よりカジュアルにそれを学べることは確かです。

今月、2022年5月から山田塾はシーズン2を迎えます。
既存塾生の皆様には既に継続のご案内をFBグループ内でお送りしておりますのでご確認の上、是非新シーズンもお付き合いください。

これを機に「山田塾、入会しようかな!」と思って頂いた皆様、
 ①下記MOSHから申し込み
 ②山田塾公式FBグループに申請
上記2ステップにて是非ご参加下さい。なんと今季から学生の皆さんには学割も登場!!

また、
「気になるけど、一回どんな感じか試してみたいなあ〜」
という方は、シーズン1初回講義を公開しています。講義資料&動画から山田塾の学び、是非ご体験下さい!
【下記まとめnoteの下部からどうぞ!】


シーズン2も熱く盛り上がること間違い無しの山田塾、私も非常に楽しみです!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

(執筆:福田拓哉)


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