山形さなか

主に短歌 うたよみんにいました https://potofu.me/yamagatas…

山形さなか

主に短歌 うたよみんにいました https://potofu.me/yamagatasanaka

最近の記事

短歌85

春うらら病院ビルの歯科医院で前の患者が褒められている 求めたい誰かがいない香料のベリーがわたしへと住み着いて カモミールぱちんと世界が終わったら世界外生命の追悼 白昼夢・早く葉桜になりたくて張り切っている老若男女 朝に弱い天使が朝に弱いことを考慮してくれる週の神様 予報とは打って変わった晴天を受けて急遽行く遠い公園 切り花を抱えた人とやけに会う春の夕日の駅への道で あの頃のJ-POPカラオケで入れても戻れないからあの頃だった 入院を思い出のように思ってて人は都

    • 短歌84

      数輪の夜桜のこと気づきたいいろんなくすりを飲んで眠った 桜蕊 髪の長いわたしのままでまだ待っていたいから見つけてよ 外を見ようとずっとドア際に立ってたけど夕日が射してきて眩しくなった 嫌いだった乗り換えの駅があなたの住む街の駅になって 夕景 オレンジピール記憶がいつか磨耗していくことの確かさは面白いね 公共の花壇に造花が植わってるもうすぐ高層ビルの建つ街 また来たいほど店はない一駅と一駅がこんなに近い街 まあ生きているから私達 河川敷に野球少年蠢いて 馴染みの

      • 短歌83

        変わることは分かっててもどう変わるのか見失う季節 三月は 奥底で燃える花びら後悔の形を定めることは怖いよ 春の脈あなたを知っている人の扉の色ばかり確かめて 約束の無精卵だったかもしれず眼裏が赤くて温かい 解いている式のことは分からないのに答えは近づいて 忘れ傘 すぐに詩で誤魔化しちゃう癖よくないよ一日中雨の天気予報 花を炎に炎を花に例えても本当にしたい話じゃないね 後悔をなのに今してばっかりで願える星はこんなにあるのに 元気でいてくれるならそれでいいけれど 強

        • 短歌82

          放課後は部活で忙しいように定時の後も労働をする のそのそとすすった辛いラーメンの舌先に関してはつらかった 商業ビルのメインのテナントが潰れて人は部分的に死ぬこともある daydream 管理しづらい体調をかわりに抱き締めてほしいけど 春の惰眠気持ちいいことする時のわたしたちの神様じゃなさ ネモフィラを見かけるようになる頃に順を追って感情を伝える 僕だけが大切そうに抱えてる想像妊娠の母子手帳 人が花の見頃を調べられるようにインターネットが出来たのであれよ 多分も

        マガジン

        • 短歌81~90
          5本
        • 掲載情報
          6本
        • 連作短歌
          42本
        • 短歌71~80
          10本
        • 短歌51~60
          10本
        • 短歌61~70
          10本

        記事

          🤍

          https://yamagatasanaka.blog.shinobi.jp/Entry/6/今年1月発行のネプリを期間限定で全体公開します。 期限:東京で桜が咲くまで コンビニで魔法を購入する際は商品名ではなく番号を/Re

          【お知らせ】合成音声に短歌を朗読してもらいました【feat.裏命】

          インスタにて不定期で更新中です。よろしくお願いします。 使用ソフト ボイス元のバーチャルシンガー 理芽さん

          【お知らせ】合成音声に短歌を朗読してもらいました【feat.裏命】

          【短歌】だいだい

          しがちかも、遠慮 苦しい下着しか売っていないと分かった日から 海に臨む暮らしで海に望むこと海にじゃなくても望めたっぽい? おみやげは1.5倍買っていく人は増減するものだから 去り際の台詞はそういう漫画みたくするのがずっと約束だった 蕾の雨 蕾の田んぼ だからこそ幸せだったと気づいてしまう 会い足りよう、だいだい色の公園で話せる話なんてなくても

          【短歌】だいだい

          短歌81

          死んでいる世界線のあたしを悼むそれは必要なことだから つぎはぎのボーカルの高音抱いて本当はどんな世界があるの? やるせない話ばかりで月を見る月にはやるせないとかはないけど 霜柱 言い訳が出来なくなると会えなくなるが同義の春に その人のハンドクリームの匂いにまで焦がれるならば、永久凍土 今はないファミレス改装したファミレスそういう記憶だらけだよ、今 処方薬に救ってもらえてる今でもあなたのことを背骨と思う 雨っぽく雪解けの水 心から心を向けたことあんまない 終点に

          【短歌】□

          五右衛門のパスタを箸で食べている従う郷がある冬の日に たぶんこれが正解なのにストローが容易く突き刺さらない あなたも 都合よくさらいに来てはくれなくて私と白い息の境界線 それなりに未来に生きていることを本当は祝祭に思いたい 上向きの三角を押す私へと下降してきてくれるエレベーター 先祖にはならないからだで務め上げる人生ゲームの銀行係 入り浸り続けても籍は入れないね微糖の紅茶の微糖ではなさ

          短歌80

          恋人の鼻へと降り積もる雪がなかったことにならない花材 導いてしまうと思う数々の夜風に白い花綻んで さよならが肌に馴染んでいくばかり舐め取ったバニラアイスが多い ブルー、クリームソーダの 記憶の中でサムネイルにもならない人と 飛ぶ鳥を落とさないでよ真っ青なばかりの町でしない約束 撫でようとする度に私の影が猫へとかかってしまう夜道は 今なんて言った?って気軽に押せば10万年巻き戻るボタン 結晶になる前に君が降ってくる僕にはそれが美しかった せめてもの花の名前を与え

          ネプリ「Re」、セブンは明日までです。 https://note.com/yamagatasanaka/n/nd9532dd2b415

          ネプリ「Re」、セブンは明日までです。 https://note.com/yamagatasanaka/n/nd9532dd2b415

          短歌79

          花籠に飽和する花 売れたのにあたしの前世もまだ売れている 夕景に似合わせてみるそんなわけないだろってリミックス 日々の 永遠の冬日さよなら 会えたのは切り分けすぎたケーキの断面 凍らないどこにも辿り着かない川浅い知識で慰め合えば 人類は滅んだほうがいいけれどあなたのことは愛してみたい 親ガチャの当たりの親になれるって大勢が思っていて怖いな 青白い列車が胸を駆けていく堂々巡りしか能のない 時々の星々の砂々止めてしまえるうちにここから逃げて 久々に変身すれば戦闘用

          【短歌条例】それが僕らのあかり

           新しい花火はここにいくらでもあるけれど、君を灯した日々の代わりにも後継にもならないことを、幸か不幸か僕は知ってる。  過ぎ去ればどんな色でも褪せていく。君もまた例外ではなくて、平等に、たまに不平等に、それを確かめさせられる。今もまた。  褪せ方にまで望むのか――それはまだ分からないけれど、たった一つ、その日々が、君が美しかったことは、君が褪せても何も変わらない。  大丈夫、必ず僕が覚えてる。君が灯した光の後で。

          【短歌条例】それが僕らのあかり

          【お知らせ】ネプリ「Re」配信中です

          今年もよろしくお願いします。 この度の震災等で被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。 もしもコンビニでの印刷が困難だという方がおられましたら、上記ウェブ上でご覧いただけるよう対応いたしますので、Twitterまでご連絡ください。 2月末頃まで受け付けます。

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          短歌78

          帰らないことを決めたら軽くなる町 心じゃなくて町のほう 流氷をきっと見ることはないけれどイメージとして僕は流氷 中庭があるのに外庭がなくて中庭でずっと手をつないでた ペパーミント心を抱いてほしいってせめて言葉にしてしまいたい 心理学研究室の窓際の作り物みたいだった鉱石 可愛げのある都市伝説だったよねこの時間がずっと続けばいいのに まどろみの中でいつでも渡してる長持ちしすぎて怖い花束 残酷に思えているうちが花だよめくるめく廃工場夜景 永遠の切れ端を貰ったことが少

          短歌77

          水餃子一本でやってる店に連れて行くならあなただったよ サンタクロース(業者)も業者なりに夢を壊さぬようにしている この丘でした約束は映えるからずっと覚えていられるという 君が今日に限って触れてくれなかったネイルのテディベアの表情 かわいいはかなしい暖冬の風を一緒に浴びたりしてみたかった 常に脈が速いのは常に恋だから市バスのかなりすごい北上 その夜が高架が鉄線が、拍動 無様に愛を告げてみたんだよ 繋がらない電話番号を選んで延々かける 夜の児童館 わけばかり聞いて