坂口

哲学もどきの駄文を書いてます

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最近の記事

言葉と時空間②

 言葉はやはり時空間内におさまりきる存在であるとは思えない。言葉は時空間からはみ出している(はみ出しているという表現自体が空間的ではあるが)。これは普通に考えれば、意外に当たり前のことなのかもしれない。例えば目の前の机は時空間内に存在しているし、私の身体も時空間内に存在していると言える。しかし、言葉はどうだろう。言葉が時空間内に存在していると言えるだろうか。普段日常生活で使用しているレベルの話し言葉でも、時空間内に認められる存在でありながら、時空間から逸脱した存在であると言え

    • 言葉と時空間

       書くことがなんらかの救いをもたらすと信じているから今まで書き続けてきたわけだ。いつも無理に文章を生み出すために、何もないところから何かを掘り出そうとしている。そうして、強引に捻りだして練り上げた不格好な文章が眼前に現れる。誰だお前は。お前はどこから出てきたのだ。お前は俺が考えたことで出てきた言葉なのか。いや、出てきたという表現に穴があるのかもしれない。まるで、自分の中に蓄えられていた言語表現があらかじめ自分の中にあり、そこから取捨選択してきたような形を私は勝手に連想している

      • コギトと機械

         自分は十一年ほど社会人として働いていたが、心身共に病んでしまって社会から離脱して無職となった。いい年をして実家暮らしをするようになり、親の世話になりながら気楽な立場に甘んじるようになった。仕事をせずにぶらぶらする生活は良かった。旅行にも何度か行ったりした。そうこうしている間に、世間ではコロナで大騒ぎし始め、この騒動に自分はまったくついていけなかった。いたる所がマスクとアクリル板で埋め尽くされる光景に違和感を抱いた。ネット上で先導的な言動をくり返す医療関係の人々、政治家、知識

        • 精神界の存在性

           五感のいずれかで把握できる領域を物質界、五感のいずれでも把握できない領域を精神界と、以前に私は勝手に定義した。私たちの視界に表れるもの、耳で聞くことのできる音や人の声、または鼻をつまみたくなるようなにおい、触れる壁など、これらは物質界に属する。そして、過去を回想するときに記憶して蘇るイメージ、頭の中で言語を巡らして想像する内容、または数式を用いた思考などは精神界に属する。言葉というものが精神界に属するか物質界に属するかは、簡単には言えない。書き言葉である文字自体は目で確認す

        言葉と時空間②

          理性と権威

           いつまでも同じ場所にとどまりながら似たような文章を飽きもせず書き続けることにそろそろ嫌気がさしてくるかなと思いながら、これがなかなか終わりが見えてこなかったりする。心の底の方では書くことにうんざりしているところはあるのだけれど、理性の方では何かを書かなければいけないと強いてくる。両者のバランスが取れてなんだか間の抜けた文章ができあがっていくようだ。もう書きたくない、書くことに飽きている、書くことに見切りをつけたいと思っている自分もいるが、書き続けることで何かを得ることができ

          理性と権威

          思考、読書、自然

           せっかくの休日にだらだらと動画を見る習慣をなんとかしたいと思いながらも、なかなかやめられない。前に進みたいのだけれど、もう少しここで休んでおこうという気持ちにいつも占拠されてしまう。だいたい見る動画は決まっていて、もとから貧困な思考がより貧困になって、お決まりの道ばかり通っていて、それ以外に様々な通路があることを知らない人間になってしまう。思考は型にはめられたものになってしまい、いつの間にかがっちりと固定されてしまう。たくさん本を読んだところで、もう自分の思考は固まっている

          思考、読書、自然

          雑記

           これまで色々書いてきた。書く理由の一つとして自分の過去を整理して少しでも今後の人生を生きやすくするためというものがあった。だが、私はほとんど自分の過去にメスを入れることができていない。入れようとしても、いつもの脱線的思考が作動してうまく迂回してくれるようにできている。だから過去を直視して整理して、自分の心身を健全なものにしたいという思いは書き始めからずっとあるのだが、書き出すと制御がかかりよけいな比喩などが頭に浮かび、思わぬ方向へ連れていかれる。こんなことのくり返し。ずっと

          言語的思考と負の感情

           やはり憎しみが書く動機になってしまうところがある。自分の中で負の感情や、暗い情念が湧き上がってくると、言語による思考が活発になってくるのがわかる。自分の精神が貧困なのか、どうも言語的思考と闘争心は近いところにあるのではないかと疑ってしまう。敵を倒そうと思ったときに、言葉で考えたい意欲が向上するのか。人を傷つけたくないと思いながらも、他人も自分も傷つけていかないと人生は進展しない。結局苦しまないとだめだろう。真面目さから逃げても救われない。いい加減、自分の人生を生き始めるとき

          言語的思考と負の感情

          過去と言葉と酒

           書くことが尽きてきたかな。もうどうでもいいじゃないか。現実の人生をいつまでも中断させて、自分には興味のないことを書きなぐってみても心はますます乾いていくだけだ。こうやって、よけいな思考で自分の心を防衛する技術に長けすぎてしまった。まあ言葉自体が本来そういう機能を持っているとも言える。言葉はいつも自分が表現したいことの周囲を徘徊しながら、中心部に近づいたり離れたりしている。言葉遊びはくだらないのだがやめられない。これからの人生において、自分がするべきこと、やりたいことはある程

          過去と言葉と酒

          過去から逃げたい

           恨みつらみを書いていてもしかたがない。自分の人生を生きよう。主体性を失ってから長い時間が経った。人と会うのを避けてきた。人と出会い話していく過程で、嫌でも自分の思考も精神も変わっていく。私はそれが怖いのだろう。身体を悪くしてから人間関係をずっと恐れている。もっとも健康なときも人と話すことに積極的になれない臆病者だったので酒でよくごまかしてきたのだけれど。酒でなんとか人の輪に入れているところはあった。酒で身体を悪くして酒を断ってから正気でいる時間が増えた。心身が安定しているこ

          過去から逃げたい

          陰惨な文章ばかり書いて疲れてきた。ほのぼのした小説書いてみたいけど自分には無理かな。

          陰惨な文章ばかり書いて疲れてきた。ほのぼのした小説書いてみたいけど自分には無理かな。

          二元論など

           空間を把握するために重要な感覚器を順序付けると視覚>触覚>聴覚>嗅覚>味覚である。時間を把握するためにはほぼ視覚と聴覚でこと足りるが、時間の場合は感覚よりも精神や思考などの内面の力が寄与している。また、物の色、音、臭い、味などは、それらを把握する各個人、各生物によって差異が存在しており普遍性を持ちえず主観性の強いものであるが、物の形は各個人、各生物による差異はそれほど存在せず普遍性、客観性が高いと考えられる。また、人間が把握できる時間には主に三種類あり、物の動きを感じ取る身

          二元論など

          産業の話

           今日の私たちは人類史において空前の豊かさを手に入れた世界で生きている。イギリスから始まった産業革命によって工業化は世界中に広まり今日の豊かさが実現した。なぜイギリスで起こったのかは学問の世界で度々議論されている。理由についてまとめてみると、植民地政策により海外市場を持っており物資も手に入りやすかったこと、囲い込み運動によって農家は都市に移住しておりいち早く都市社会が形成されていたこと、多くの戦争で他の西欧諸国より優位に立ったことで植民地利権で優位に立ち金、銀がイギリスに流入

          産業の話

          過去、現在、記憶、イメージ

           すべては過去にあって現在も未来も抜け殻のようなものだ。過去のみが身体性を持ち、現在も未来も頭の中で作り出した理性的な概念みたいなものに思える。過去が最も実体として存在している感じがする。自分にとっては過去が最も存在が確かなものだと思う。  現在だけが実体を持つものであり、過去も未来も想像上の概念にすぎず幻想であるというのは、アウグスティヌスくらいからある議論らしい。確かに過去と未来は幻想なのだが、種類はまったく異なる。未来は頭の中で想像するのみだが、過去は一度経験した内容

          過去、現在、記憶、イメージ

          数と言語

           自分が苦しい経験をしてそこから立ち直って目の前に新しい世界が開けて、視界に入る新緑にいっそうの愛しさを感じてもその前後で数の世界は微動だにしない。数の計算の世界は何があっても不動であり、人間の感情が絡む世界から外れた領域にあるようにも思われた。小説を読みこんで自分で深い体験をして自己の意識も精神も大きく変わったと勝手に感じても、その前後で数の世界は何の変化もなかった。この事実が今でもうまく飲み込めていない気がする。おまえの感性と思考力が貧相なだけだと言われたらそれまでなのだ

          数と言語

          日本の話

           これからの日本の未来について色んな人が色んなことを語っているけれど、たいていは悲観的な内容になっている。少子化は変わらず進行しており、社会保障の問題が徐々に顕在化しているようだ。医療業界への風当たりが今後はきつくなるのだろう。人口動態の観点から考えると、地方ではさらに過疎化が進み、今後も田舎から都会への人口流出は続く。地方の鉄道、バスは廃止され、やがて電気、ガス、水道などのインフラも停止して人がいなくなっていく。家屋などの建築物や道路はそのまま放置され、徐々に自然に飲み込ま

          日本の話