スクリーンショット_2018-11-16_20

降り落ちる雨は、黄金色#1

 高校の頃、日本と北朝鮮の国交状態は最悪でこちらの都合などかまわずに北の将軍様は弾道ミサイルを早朝から派手にぶっ放した。その時、私は十七歳だった。

 ネットニュースの見出しは、連日ミサイルのニュースをトップで飾った。テレビは視聴率を気にしてか、芸能人の不倫ばかりを取り上げる。早朝の駅のホームで電車を待っていると、小学生の話し声がひそひそと聞こえる。

「北朝鮮の人は朝からミサイル飛ばすの好きだね。早起きだね」

 無邪気な子供達とは対象に、朝からスマホを見つめ情報を収集する黒い服を着た大人達。みんなスマホに操作されてる奴隷みたいだ。異常な空間だが誰も叫ばない。絶対にあんな風になりたくない。私は本を読み、一人で抵抗活動をしていた。

 その当時の私は、やりたいこともなくミサイルが落ちる日を待ちわびていた。何もしたくなかった。こんな世界消えてしまえばいい。 周りの子は皆、志望校を決めていた。進路希望調査標を白紙で提出したら、放課後に担任教師の森下に呼び出された。

つづく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?