見出し画像

【読書感想文】立ち止まるな、道は自ら開ける『まんがでわかるD・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」3』

本書は、デール・カーネギーの名著『道は開ける』をベースに、漫画という親しみやすい形式で、人間関係の改善や自己啓発のヒントを提供する一冊。『まんがでわかる』シリーズのカーネギーシリーズ最終巻として、これまでの集大成にもなっています。

物語の中心人物は、芸妓を目指す長村こずえ。彼女の成長と挑戦を通じて、読者は人生の進路を切り開くための心の持ち方を学びます。こずえは、自分の成長に疑問を感じたり、周囲の人々の問題を解決できない自分に失望したりする場面がありますが、そこから立ち直り、前向きな姿勢を保つための方法を見つけ出します。

この書籍の見どころは、実際の人生の悩みに即した具体的なエピソードが豊富に描かれている点です。例えば、こずえが師匠との関係に悩むシーンでは、尊敬と自立のバランスをどのように取るかが描かれています。また、友人の失恋をどう支えるか、という場面では、共感と助言の適切な配分が示されています。

特に印象的なのは、こずえが自身の未熟さを認め、それを乗り越える過程です。彼女は、自分の弱さを受け入れ、それを成長の糧に変えることで、人生の道を切り開く力を得ます。このプロセスは、カーネギーの教えを具体的な行動に落とし込む素晴らしい例となっています。

また、nevのイラストは、物語の感情を豊かに表現し、登場人物たちの内面を読者に深く伝えます。視覚的な要素が加わることで、カーネギーの教えがより身近で理解しやすいものになっています。

悩むことは立ち止まることではなく、前進するための一歩であるというメッセージは、多くの人にとって勇気となるでしょう。自己啓発書としてだけでなく、心の平穏を求めるすべての人にお勧めしたい一冊です。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?