スクリーンショット_2018-12-21_22

最新テクノロジーを使った企画で重要な「意義」と「意味」/AR(拡張現実)の企画で重要なこと

どうも、gataです。ちょっとタイトル長いんですが、ARに限らず、最新のテクノロジーを提供している方に読んでいただければと思います。

普段、制作・企画会社にAR作成ツールを使ってもらうことが多いのですが、最近ARの企画をやっていて、様々な会社から同じようなことを言われるようになりました。

ARについては前回の記事の最後に簡単にまとめているので、記事の最後らへんを見たりググってください。

最近、ARの企画をして上手くいかなかった時に、良く言われる代表的な声を2つ挙げています。

①『良い企画だと思ったのに、全然反響なかったよ。ARはまだ早いね』
②『失敗の原因は、アプリダウンロードのハードルが高いことだ』

いやいや、ちょっと待ってくれ。そうじゃないよね。と思うわけです。では、QRやVRなど別のテクノロジーを使ったら上手くいっていたのか?多分、上手くいかないケースが多いです。

そもそも企画の範囲を間違って認識している人が多いため、このような発言が出てくるのだと思いますが、順番に解説していきます。

【TOPICS】
▪️ARの「意義」と「意味」
▪️AR体験だけに全力を注がない
 1、ARは魔法のツールじゃない
 2、体験も重要だが、動線はもっと大事
 3、ARが目的になっている
▪️まとめ:結局、どうすれば良いの?

ARの「意義」と「意味」

まず、ARの「意義」「意味」についてしっかりと理解することが重要です。
AR業界では有名なMESONという会社のCEO梶谷さんがARのConcept Designについてまとめられているので、その資料を元に今回のテーマである"企画"という視点で図にしたのがこちらになります。

意義=サービス自体の価値
提供する企画は利用するユーザーにとって良い体験になっているか?
→技術自体は確かにすごいが、だから何?とならないように注意する必要があります

意味=ARの必要性
ARだからこそ実現できる企画になっているか?
→それってyoutubeやWebでコンテンツ見せれば良いんじゃない?というように別のテクノロジーでも実現できるものになっていないか注意する必要があります

よって、ARではこの「意義」と「意味」を企画ごとに考え、どのような体験をさせるかがとても重要です。
企画を考える上では当たり前のことなのですが、話を聞いてみると「最先端の技術を使うこと」自体が目的になっており、意義と意味を見失っているケースが多いように感じます。

実際、ARの企画をして上手くいかなかった時に、良く言われる代表的な声でアプリをダウンロードしてもらえないという内容を挙げましたが、正直、アプリDLとかあまり関係ないと思っています。
QRコードを使ったプロモーションもやっていますし、WebARというアプリを使わないARも提供しているので分かりますが、アプリDLネックは本質ではないということですね。大事なのは、「意義」と「意味」です。
※もちろん、ユーザーとのタッチポイントと接触時間などを加味すると、例外も多くあります(本当にアプリDLがネックである時もある)が、今回は例外については触れません

AR体験だけに全力を注がない

先ほど、「意義」と「意味」を網羅した体験が重要と話しましたが、とは言え、これで上手くいくほど甘くはありません。
これに関しては、日頃頻繁に起こっていることを図でまとめてみました。

『POINT』
1、ARは魔法のツールじゃない
2、体験も重要だが、動線はもっと大事
3、ARが目的になっている

前述した「意義」と「意味」をしっかりと網羅し、これは絶対に面白い企画になるな!と確信していたけど、上手くいかなかった。。。というケースもあります。それが上の図になります。

POINT1:ARは魔法のツールじゃない

ARの企画ばかりに集中して、結果的に集客(認知)が上手くいかないパターンがあります。これは、企画側が「AR」を体験させようとするのに対して、ユーザーはARを体験しにきている訳ではないからです。

「AR」と聞いて行きたい!体験したい!と思う人はほどいないでしょう。

この場合、Aは企業がどのような技術が体験できるのかを訴求しているのに対して、Bは非日常空間での思い出作りを提案しています。
様々な販促ツールがありますが、打ち出し方が違うとユーザーが理解する深さに差が出て、どこまで具体的なイメージを持ってもらえるかが変わってきます。

この例は極端ですが、Aのように技術を全面的に押し出して結局何が出来るのかがわからないということが多いです。
もちろん、Aの見せ方が有効な場合もありますが、テクノロジー自体より、テクノロジーによって何ができるのか、なぜ体験した方が良いのかをユーザーに訴求する方が良いですね。

POINT2:体験も大事だが、動線はもっと大事

どれだけ素晴らしいサービスやコンテンツを提供していたとしても、気付かれずに体験してもらえなければ意味はありません。

どういう体験をさせるかにリソースを割くからか、これじゃ誰も気付かないよ…というケースが本当に多く見られます。

体験させる内容 > 体験させるまでの動線

このような企画は、ARの意義と意味を網羅できているのに効果が出ない典型的な例です。

POINT3:ARが目的になっている

ここでお伝えしたいのは、AR活用時にKPIやROIの判断基準を作っていないケースが多いということです。
ARで企画を実施すること自体が目的になっているケースは非常に多いですね。結果的に、どうなるかと言うと、言わずもがな。

【①担当者の声】
・結局、良かったのか悪かったのか分からない
・楽しんではくれたけど、ROIどうだったのかな
・企画自体のKPIは達成したけど、AR自体がどう寄与しているかは不明
【②担当者の声】
AR使ってインパクトあるし、SNSに投稿してくれたらいいなー!インパクトがあれば投稿して拡散されるでしょ!

上記の結果を見ればお分かりだと思いますが、ARを活用する目的やKPI設定をすべきですし、SNSもFacebookとインスタではやるべきことも違いますし、そもそもそう簡単に投稿もしれくれません。

目的が不明確だったり、成功の定義を決めていないのに、イベント後にROIの検証を行うなどがないようにしていく必要があります。

まとめ:結局、どうすれば良いの?

「入口」と「出口」を明確にして、ARを使う「意義」と「意味」を網羅した体験を提供すると、企画の成功に近づく

まとめると、こんな感じかなと。
入口:認知、集客部分で適切に訴求できる内容になっているか
出口:結果的にユーザーにどういう行動を起こさせたか、それによって企業側にどのようなROIがあったのか

上記を明確にして、ARの「意義」と「意味」を網羅した体験を提供することができれば、結果がどうであれ、改善はできるので企画としてはOKだと思います。

今日は、ARにフォーカスしてお話をさせていただきましたが、提供するサービスの「意義」と「意味」に関しては、新しいテクノロジーを提供する上で必ず認識しておくべきことだと考えています。

「新しいテクノロジーあるある」ですが、これって何のためにあるの?すごいけど、別にいらなくね?ということにならないように、今日の話を参考に企画を練っていただければ嬉しいです。

#テクノロジー #AR #ビジネス #ノウハウ #企画 #仕事 #デザイン

サポートしていただいたら、すべて子供に還元させていただきます!