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キャリア教育

私の勤務する市では、キャリア教育の取り組みが活発に行われています。このプログラムでは、市にゆかりの偉人、三人の教えを基に、「懐く」「励む」「挑む」という精神をキーワードに、子どもたちの社会的・職業的自立に向けた基盤となる能力や態度を育てることを目指しています。

この取り組みの一環として、勤務校のある中学校区では職業人を複数招いて行うキャリア教育が導入されています。これは古代ギリシアの哲学者ソクラテスと青年たちが対話の中で学び、時代を切り開いたことに由来する少人数・対話型の講義です。

小学校では、六年生が対象で、様々な立場の職業人を講師に招いています。例えば、会社経営者や消防士・警察官・大学教員・市役所職員・パティシエ・スポーツ選手などが話をしており、今の職業に就いた理由や仕事内容、日々感じている生きがいややりがいなどを子どもたちに伝えています。

子どもたちは講義を通して職業への理解を深めるだけでなく、自分自身を振り返り、社会との関係を考える貴重な機会を得ています。参加した子どもたちの中からは、公務員の重要性についての共感や他者を喜ばせることと可能性についての心に残る言葉を持ち帰ったという感想もあります。

この職業人を複数招いて行うキャリア教育は、小学校から中学校まで一貫して行われています。小学校卒業から3年後に中学3年生で再び実施することで、自己と周囲の関係性や考え方の変化を自覚し、自己の生き方についてより深く考えることができるとされています。このようなアプローチにより、キャリア教育の実効性を高め、9年間の義務教育の最終年にふさわしい価値を提供しているという点も大きな意義があります。

キャリア教育は特別な授業だけではなく、教育課程全体を通じて資質・能力の育成を図る取り組みが重要とされていますが、職業人を複数招いて行うキャリア教育はその一環として、子どもたちの成長と未来への準備をサポートしているでしょう。

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