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物価上昇に左右されない優等生?

中国(上海)における物価の上昇は、日本の高度経済成長期のようなものだと思います。四コマ漫画の中で「100円の価値が下がったな」という言い方で物価の上昇を嘆く表現がありましたが、私たちの肌感覚でも100元札の価値は変化したように思います。昔は100元を崩すとなかなか使いきれず、10000円札のようでしたが、最近ではあっという間になくなってしまいます。1000円札とは言いませんが、以前のような重みは感じません。

中国の物価は、公共料金や交通費のように相対的に安く、私が上海に来た2000年当時に比べ上昇率の低いものがある反面、不動産のように10倍以上になったものもあります。上海の平均賃金が5-6倍くらいになった印象があるので、当然といえば当然ですが、私たちの身近でもほとんど価格の上昇が感じられない「優等生」が存在します。日本食の「ランチ」です。

2000年当時、日本料理店のランチは平均で40-60元くらいでした。当時は「ローカルお弁当」が5元くらいからありましたので、「日本料理=高い」という印象を植え付けられました。市場が小さく、調味料や食材の流通に課題があったからかもしれません。写真の「青椒肉絲(チンジャオロース)定食」は、上海市の虹橋開発区にある日本料理店のランチメニューで、50元です。ランチは集客目的もあるため、多少リーズナブルな価格設定になっていると思います。コスパのいいお店は大人気です。

一方、私のオフィスビルで買うことのできる「ローカルお弁当」は23元と28元の2種類です。包装はきれいで清潔感もあり、食材や調理器具にも注意が払われていると思います。しかし、選べるおかずの品数が5品→3品に減少し、価格が4-5倍になっているため、あのころに比べれば「高くなったなあ」と感じます。

面白いのは、中華料理は経済発展に伴い、相応に値段が上がってきたのですが、日本料理や他の外国料理はこの20年であまり値段が上がっていないものが多いです。お寿司のように食材の値段の要素が大きい料理は別ですが、以前に比べ「割高感」が解消され、ランチに日本料理を選ぶ人が増えてきています。「明朗会計」とか「健康的(油が少ない)」という好印象が、健康志向の中国人や中華料理が苦手な外国人を引き付けているようです。あまり日本料理を食べたことのない中国人の皆さんにも、お手軽な「ランチ」からチャレンジして欲しいと思います。

読んでいただき、ありがとうございました。

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