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精進料理に目覚める3歩前 #49 山梨

どっぷりと居心地の良いお宿の炬燵に入って
ぬくぬくゴロゴロと過ごしていたワタクシである。

季節は確か6月。

6月に炬燵と疑問に思うが
富士山の麓であるので窓を開けて過ごす日もあれば
まだまだ朝晩は炬燵でぬくぬくするのが心地良かったりもする。


さて。
このnoteはワタクシがアトピーさんと
体調不良さんから逃げ回るために
食事を精進料理の方向に進めていくものである。

あくまでも途中。

なので。
まだお肉も食べたいし
お腹を壊す原因のニンニクも食べたい
小麦粉使って揚げ物も食べたい。。

などなど。
数々の誘惑に立ち向かいながら
進んでいるような進んでいないような状況を記している。



5月の続きを語る予定が
そう宣言した事さえすっかり忘れて
野生のフルーツの魅力をツラツラ綴ったワタクシは
今回梅雨を忘れている6月へと大ジャンプである。

レンタサイクルを借りる為に
扉を開けたゲストハウスに一目惚れをして
自転車を借りると同時にお宿に飛び込み予約をして
ルンルンなワタクシは

富士山を眺めながら
スイスイとママチャリさんと移動する。

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さすがに昼間の絶好調な太陽に照らされて
自転車をエンヤコラしていると
汗がじんわりと登場する。


そういえば

今までのワタクシの身体であれば
汗がちょっとだけコンニチハと登場すると

ヤッホーヤッホーと
目立ちたがりなアトピーさんまで追いかけて
表舞台となるワタクシのお肌の表面まで出てきては
そのままわっしょいわっしょいとお祭り騒ぎを始めるのである。

強制的にお祭り状態に突入した
身体のあちこちのアトピーさんを
その存在を出来るだけ小さくした爪で追いかける
ワタクシは高速盆踊り状態である。

ああ懐かしきアトピーさんとワタクシの夏祭り。


最近のアトピーさんは
自身が汗と相性が良かった事を
うっかり忘れているように思う。

どうかこのままその相性の良かった頃の記憶に
二度と開けられない程の重い蓋を載せて
恋人の聖地にズラリと並ぶあの南京錠のように
厳重にロックをかけたロックな存在になって頂きたい。


居心地のいいお宿を見つけてしまった
ワタクシの6月に戻ろう。

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居心地の良いお宿は
ちょうど登山シーズンが始まる前で
近くの遊園地でイベントが開催される週末以外は
のんびり営業中であるらしい。

ゲストハウスの
お台所の様子を覗いてみる。

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調理器具も調味料もひと通り揃っていることを確認。

カップラーメンに湯を注ぐのに忙しい電気ポット氏と
オーナーさんが手作りしてくれているパンを焼く
トースター氏以外の
冷蔵庫氏やコンロ氏はいつも退屈そうにしているので
これはチャンスであると

ワタクシは食材を調達する為
近くのローカルスーパーへと向かう。

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このスーパーの虜となったワタクシは
お宿から坂をえっちらおっちらと登って
毎日毎日通い続けたのである。

手作りのぬか漬けやローカルなお惣菜
そしてアトピーさんの大好物であるので
見ないことにしようとしたけれど
その格安なお値段故にあっという間に売り切れる
揚げ物さんに心を奪われて

アトピーさんに気づかれぬようにゲット。

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お惣菜に並ぶのは
旬のお野菜をたっぷり使った逸品。

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お値段以上である。


そして

有難いことに
のんびり営業日であればオーナーさんが
ワタクシのワガママに付き合って
ママチャリではたどり着けない場所に
あちこち案内してくれたのである。

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オーナーさんにトコトン甘えて
河口湖方面、山中湖方面、忍野八海
浅間神社さんにも連れて行って貰えた
絶好調に幸運なワタクシは

オーナーさんの可愛らしい愛車の
ジムニーちゃん助手席の窓から
富士山の色んな表情を眺めては
うへうへ愉しんでいるだけである。

その帰り道には
避けて通ることの出来ない魅惑の場所
道の駅に寄り道。

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新鮮お野菜を手に入れる。

伸び伸び成長したブロッコリーは
スティックセニョールとお洒落なお名前であるらしい。

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地元のおばちゃん達の手作りの漬物やお味噌こんにゃくの並ぶ棚を
片っ端から眺めて悩みに悩んだ挙句


ご飯のお供に
山椒味噌とちりめん山椒を選択。



更に更に
アトピーさんと交際中である事を告げた上で
ご当地名物を尋ねたワタクシに

ほうとうや うどんの1番の名物を選択肢から外した
超難問をぶつけられたオーナーさんは



うーーーーーん




うーーーーん






と悩みながらピコンと💡
頭上の電球に光を灯して


ミルキークイーン

の存在を教えてくれたのである。

富士吉田のミルキークイーンと出逢う為
お米屋さんやお土産品店を巡ってみたが
どうやらそう簡単に手に入るものではないらしい。

グーグル大先生に尋ねてみると
どうやらお宿からクルマで5分くらいのところにある
お米屋さんでは取り扱いがあるらしい。

閉店時間の19:00まで
あと10分である。

翌日
自転車を漕いで行ってみよう。

そう思っていたところ


クルマならすぐだから行ってみる?



オーナーさんから鶴の一声。

オーナーさんがふむふむと場所を再確認。
駆け足でクルマに飛び乗って
明かりのついたお店の前に到着。

扉を開けて
店内に飛び込んだワタクシは
店員さんを見つけて
すぐさま

ミルキークイーンありますか?

と質問を投げかける。


そっちにあるよー。


店員さんが案内してくれた場所をみると

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あるではないか!!
念願のミルキークイーンが
幟を掲げて。

遂に出逢えたミルキークイーンちゃんについて
店の主人とあれこれとおしゃべり。



奥さまのお兄さんが情報発信をしてくれているので
あまり詳しくはわからないんですけどと
前置きしたうえで


ミルキークイーンを買いに
東京からお客さんが来てくれたりもするんですよ。

と。
更に

ご家族の分もまとめて買って行かれるかたもいます。

とも。

そしてこのミルキークイーン。
夏あたりには売り切れてしまうほど
人気なんだとか。


奥さまのお兄さんが営んでいる店舗が本店で
ワタクシが飛び込んだ
店舗の方が姉妹店となっているんだとか。



ミルキークイーンちゃんを抱えて
ルンルンでオーナーさんの車に戻って
車の中で待っていてくれたオーナーさんに
ドヤ顔でミルキークイーンちゃんをお披露目。

お宿に戻ってニヤニヤしながら
ミルキークイーンちゃんを飾って眺める。

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さて。
お米も食材もこの土地のお惣菜も色々と揃ったので
そろそろ食事を紹介しようかい。

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新鮮なブロッコリーちゃんは
もちろんそのまま塩茹で。

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確かこの頃持ち歩いていたのは
天の橋立のお塩である。

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茹で上上がりを
ハフハフしながら次から次へとつまみ食い。

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お気に入りのローカルスーパー
マルシゲさんの手作りこんにゃくは

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ちぎって茹でよう。

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しいたけさんを焼いて。

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道の駅で手に入れたご飯のお供をミルキークイーンに載せて
マルシゲさんのこんにゃくには
道の駅で手に入れたお味噌を載せる。

伸び伸びブロッコリーにはオリーブオイルとお塩を用意して
二十日大根の葉はお味噌汁に。

実はカットして
これまたマルシゲさんのぬか漬けと一緒にカリカリ食す。

お台所を広々と使わせて頂いて
贅沢な食事である。

沢山の地元食材のお相手をする事になった
ミルキークイーンちゃんであるが

歌も味も音痴なワタクシの口に入った感覚は
お味も食感も初めましてである。


初ミルキークイーンちゃんに浮かれていたワタクシは
炊きたて写真を見事に撮り忘れて
ご飯のお供に おにぎりにと夢中でガツガツ愉しんで
1回目を食し終えたのだが

冷めても美味しいと幟に掲げてあった
ミルキークイーンちゃんである。

炊飯器の電源を切ってスッカリ粗熱をが取れた頃
晩ご飯の時間を迎えてお茶碗に入ることとなった
ミルキークイーンちゃん

並んでいるおかずとの相性は
言うまでもなく冷めても最高である。



時間がバラバラと自由に動いている
今回であるのだが


ミルキークイーンちゃんに出逢えたのは
滞在期間後半である。

お宿に飛び込んでから
ミルキークイーンちゃんに出逢うまでの期間に戻ってみよう。

夕方。
オーナーさんの手作りパンの焼ける香りに
お宿全体が包まれる頃

ちょうどお腹と背中がくっついているワタクシは
アトピーさんにバレないように
オーナーさんから焼きたての1番美味しい場所を
切り分けて頂いて

ホフホフとパンに齧り付く。

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ワタクシとアトピーさんの関係を
既に知ってるオーナーさんは
アトピーさんの登場を心配しながらも

パンの焼ける香りに我慢出来ずに
ウキウキソワソワしているワタクシに

小麦粉が大好きなアトピーさんに気づかれぬよう
焼きたてのほっかほかなパンを手渡してくれるのである。



アトピーさんが
ワタクシがパンを食しているのに気づいて
飛び出す準備で手のひらにもぞもぞとし始めた頃

ワタクシはしれーっと主食をホフホフなパンから
ミルキークイーンちゃんに変更する。

作戦大成功である。

ワタクシはパンのことはあまり詳しく分からないのだが
オーナーさん手作りのこのパンには
バターやマーガリン、牛乳など使っていないんだとか。

いつかまた
アトピーさんに気づかれぬよう
こっそりとホフホフしたいものである。



季節がちょうどよかったようである。

お宿の壁に飾られている昔の地図を眺めながら
昔の街並みや富士山信仰について

オーナーさんから
色々とはじめましてな情報を頂いていたワタクシは

ひじきとじゃがいもの煮物の存在を教えて貰えたのである。

説明はこのページに頼る事にしよう。


ワタクシも富士吉田市に訪れて初めて知ったのだが

富士山信仰で訪れる信者にお宿を提供して
おもてなし をしてきた家を御師さんと云うらしい。

富士山山開きの7月1日に振る舞った

じゃがいもとひじきの煮物

富士山に登る際の安全と無事
暑い夏を健康に過ごせるよう祈願するものとして
富士山や神棚に供えたと伝えられているんだとか。

海のものと山のもので開山をお祝いする 

らしい。

そして
100年以上も前から食べられている
伝統的な食べ物であるんだとか。



現在でも習慣として山開きの日には食べられていて
この煮物を見ると今年も夏が来たなぁと感じるんだとか。

新じゃがが出回る5月から10月頃まではの間は
おうちご飯のおかずとしても大活躍であるらしい。

人参干ししいたけひじきの入ったこの煮物は
栄養バランスもバツグンで夏の強い味方になってくれるようである。


ふむ。
じゃがいももひじきも
どちらも煮物の主役であるが
よく考えると同じ鍋に入っているイメージではない。

気になる。

いつか出逢いたい。

そう思いながら3歩進んで
すぐに忘れるのがワタクシである。



傾向と対策大作戦である。
このまま買い物に行けば忘れないであろう。

さっそくお気に入りのマルシゲさんへ。


お気に入りの手作りお惣菜コーナーで
タケノコやワラビなど季節のお野菜を使ったおかずを
隈なくチェック。

ふと振り返ると
そこに運良く先程オーナーさんから話に聞いた

じゃがいもとひじきの煮物を発見。


ラッキーな出逢いにフンフンしながら
そのまま調子にヒョイと乗ったワタクシは

イカフライとコロッケと
アトピーさんにバレないように
こっそり20円のハムカツまで手に入れて

坂道を転がるように
お宿へと戻ってオーナーさんにすぐさま報告。

お昼頃でも晩ご飯でもない時刻
おやつにしては豪華すぎる品々をお皿に載せて

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いただきまーす。

噂のじゃがいもとひじきの煮物は
どちらも煮物の主役であるだけあって
相性バツグンである。

ふむ。
ワタクシもいつか台所のある生活ができるようになったら
夏に作ってみるとしよう。


半年ほど殆どワタクシの頭上に降り注ぐことのなかった
雨であるが

この日は久しぶりに傘が必要になるくらい
ザーザー降り注いでいる。


こんな日は

そう。


温泉日和である。

オーナーさんに近くの温泉を尋ねてみる。

オーナーさんは方向音痴なワタクシにわかりやすいよう
地図を広げて市内にある温泉を紹介してくれる。

その中のひとつ。

不動湯は
何やら皮膚病に効くと有名であるらしい。


アトピーさんと気まぐれ交際中のワタクシには
何ともありがたい温泉である。

しかしながら場所がかなり山の奥の方であるらしい。

行くんだったら送っていくよ〜と
のんびり営業中のオーナーさんは

またしてもワタクシに手を差し伸べてくれたのである。

お風呂セットをポイポイカバンに詰め込んで
すっかり定位置感のあるオーナーさんの車の助手席へ。

オーナーさんにおんぶに抱っこなワタクシである。

ママチャリで走ったことのある道から
更に坂を登って細い道を進んで
不動湯に到着。

受付でお支払いをして館内の案内をして貰う。

お湯は同じであるのだがお風呂は2箇所。
1つは広めの大浴場。
もうひとつはお肌の治療の方が入るお風呂になっているらしい。

ほほう。
ありがたいシステムである。

アトピーさんが絶好調だった頃は
お風呂のお湯の熱さにさえも喜んで飛び出して来ていたので
お風呂で身体が温まると
アトピーさんは喜んで大暴れである。

そんな大喜びのアトピーさんに爪を立てて
気づけば皮膚はぺローンと剥がれていたりするので

爪を立てたワタクシ本人でさえもびっくりするのだから
アトピーさんに馴染みのない方々からは
驚きの光景であろう。

今はだいぶアトピーさんと縁が薄くなっているワタクシは
どちらのお湯に入るかお風呂の前でウンウン考える。

お肌の治療の方向けのお風呂を開けて
中を覗いてみたところ


誰もいない。


ほほう。
それではこちらにお邪魔する事にしようと

お風呂に入る。
熱いお風呂とその隣には痒くならない温度の温かい水風呂。

蛇口から流れているお水は飲むことができるらしい。

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身体の芯までお湯を浸透させてみようと
頑張ってみるがカラスな気質のワタクシである

ワタクシには充分な入浴時間であるが
他人からみると行水のような時間である。

お肌もツルッツル気分である。
通い続けたら
アトピーさんと完全に絶交することができるかもしれない。

が。
相棒が居なくなるのも何だかなぁである。


さてこの超長文をそろそろ終わりにしよう。

一目惚れして長々とお世話になったお宿が
ゲストハウス結さんである。

結さんの魅力を
このままガリガリ描いていきたいところであるが
日にちが変わってしまいそうなので
レコトリさんに書いたワタクシのご紹介を
ペタっとしておこう。


この結さん
ワタクシも一目惚れしてしまうくらい
魅力的なお宿であるので
どうしても1日満室の日があったのである。

その日は
結さんから独立した方が営業中のお宿
花さんを紹介していただいて1泊お引越し。

花さんも
アットホームな居心地の良いお宿であったので
ワタクシの紹介をペタっとしておこう。



それでは皆さま。
また次回。







の前に。
紹介しきれなかったお菓子屋さんの写真を
貼っておこう。

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丸屋さんの温かいおだんご🍡。

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80歳を超えたお喋り大好きなおじいちゃんの
レトロな趣味のぎっしり詰まったお店金太郎さんのピンポンマン。

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今度こそおしまい。
それでは皆さま
また次回。





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