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いつもの公園と水たまり、そしてエアコンと別府、大谷さんなど(2024.03.02)

午後にエアコンの修理のため業者さんが来てくれる事になっていた。最近、リビングのテレビの上という特等席に設置してあるうちのエアコンが俄然調子が悪くて、とんと暖かい空気を吐き出してくれなくなっていたのだ。

その業者さんが来てくれる時間帯が当日9時~10時の間に届くショートメールによって伝えられるという。「えっ、そんなぎりぎりにならないと訪問時間も分からないものなの!!?」という妻に半ば同意しながらも、「いや、それぞれ事情があるんだよ。仕方ないよ」となんとか宥めていた。

そして9時ちょっと過ぎにようやく件のショートメールが届いたのだが、その内容というのが、「交通事情などにもよりますが、12時~16時の間に訪問致します」というものだった。私と妻は異口同音に「どんだけ時間の幅もたせんだよ!」と思った。そして実際言ってみた。そしてよっぽど色んな事情が絡まり合ってんだろうなと思った。エアコン修理業者は大変だ。

そんなわけで休日のど真ん中、誰かしらが家で待機しておらねばならず、我が家の行動は制限された。なので手っ取り早く午前中はすぐ近所の公園に皆で出かけた。

公園に着くとブランコの下に大きな水たまりがあって、私は心底がっかりした。つい先週もこの公園でブランコの下に水たまりがあって、ブランコ遊びができず、その代わり子供たちはその水たまりに落ちていた椿の花を投げ込むなどして遊び、結果どろだらけになってしまったのだ。

楽しみにしていたブランコでろくに遊ぶことができない長女(4歳)。それを見た私は公園の隅っこに先日から落ちている街灯の庇みたいなやつ(1mくらいの大きさ)を使って、水たまりの水を掻き出す作業を始めた。

最初の方は順調に水を搔き出す事が出来たものの、その「庇みたいなやつ」はそういう道具ではないので、浅くなった水たまりに対してはあまり効果的ではなかった。たまに長男が「やらせてよ」というのでやらせてみるが、要領が悪くて水かさが全然減らない。私がやり方を指導するものの、すぐに飽きて鬼ごっこなどして妻と楽しそうに遊んでいる。

私は色々と試行錯誤して、ついに効果的に水を搔き出す方法を思いつき、実践したところ、みるみる水たまりはかさを減らしていった。途中から来た近所の親子も遠巻きにそれを見ていた。妻も「おお、すごいじゃん」と言ってその様子を見ていた。

やがて水たまりの水はすっかりなくなり、仕上げに近くの砂を寄せ集めてブランコの下に敷き詰め、ようやくブランコは遊べる状態になったものの、もうエアコンの修理業者が来る(かもしれない)時間が迫っており、ついに誰もブランコで遊ばないまま私たちは帰る事になってしまった。

願わくば、どこかの知らない子供たちがあのブランコで楽しく遊んでくれれば良いと思う。

帰宅して、結局エアコン業者は13時頃にやってきた。そして2時間程の作業でエアコンは元の調子を取り戻してガンガン暖かい空気を出してくれるようになったので、良かった。

そして気になるエアコン不調の原因は「熱交換機の部品の腐食によるガス漏れ」だったのだが、なぜそんな事が起きたかというと、そのへんのあちこちにある温泉に含まれる硫黄の成分が空気中に漂っていて、それが銅で出来たエアコンの部品を腐食させたというものだった。

業者の兄ちゃんは「だから別府ではみんな高いエアコンは買わないんです。すぐやられるから」と言った。つまりようやく調子が戻ったうちのメインのエアコンも、また3~4年すると同じように部品が腐食してガスが漏れ、温かい空気を出さなくなるのだ。

「はぁぁまいったなぁ。そんな事エアコンをチョイスする時住宅メーカーの人は言わんかったけどなぁ」と私たちは落胆したが、とりあえず目の前で勢いよく温かい空気を出しているエアコンを見て嬉しい気持ちになった。単純だから。

エアコンを業者さんが修理している最中、私はキッチンの蛇口が水垢でくすんでいるのが気になってひたすら磨いていた。おかげで蛇口は新品みたいにピカピカになった。業者さんが来ている間子供部屋で昼寝などしていた妻はそれに多分気づいているはずなのだが、何も言わなかった。

夕方、妻のご両親がやってきて、刺身とかステーキ肉とか、100個はあろうかというみかんやその他もろもろの大量の食糧をくれた。ご近所の方々もこの前おいしい卵を差し上げたお礼にと、それぞれブリカマとか新鮮な野菜とかを持ってきてくれたので、我が家の冷蔵庫はひさびさにパンパンとなった。

エアコンは調子よくなったし、大量の食べ物も頂けた。蛇口もピカピカになった。良いことだらけだ。案外私が水たまりの水を搔き出したのが、「風が吹けば桶屋がもうかる」理論でめぐりめぐってこうして返ってきたのかもしれないと思った。あと大谷さんに倣って、最近そのへんに落ちているゴミを拾うようにしているのも良いのかもしれないと思った。

大谷さんも結婚するし、もう、明るい未来しか見えない。


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