帰り道、今日はやたら車が込んでいた。しょっちゅう渋滞に捕まって車がなかなか進まない。
そうやって渋滞の中であちこち見ていると、国道沿いの理髪店の窓際、ソファにふんぞり返っている人がいるので、「客かな?」と思ったけどどうやら他に客もいない様子で、どうも店主のように思われる。
外は雨なのでいつもよりだいぶ暗く、店内は煌々と明かりが点いているのでその様子は外に丸見えだった。店外に設置された電光掲示板が営業時間やサービス内容を伝えているけど壊れているみたいで一部文字が表示されていないし、多分理髪店とは全然関係ない目的で使われるであろう汚い自転車が店の入り口を入ってすぐのところに立てかけられていて、明らかに客にとって邪魔だ。
ソファにだらーっふんぞり返っている店主の頭髪は薄く、お世辞にも身なりに気を遣っているとは思えない。店内の方を向いているので表情までは分からないが、たぶん弛緩しきった顔をしていると思う。
車列が全然進まないので、私はその店主(らしき人)がどういう人なのか想像してみた。
そんな事を考えながら車をえっちらおっちら進めていた。すると橋を渡った次の交差点で、レイザーラモンHGみたいなサングラスで細マッチョな男(全身デニム)がそのへんを走るタクシーでもなんでもない車に向かってやたらと手を上げているのを見かけたので、その男がどういう男かまた想像してみたが、もう書かない。
結局家に着いたのはいつもより20分も遅い時間だった。なんであんなに車が混んでいたのかよく分からないが、渋滞は本当にうんざりするなぁと思う。