朝の忙しい中、妻が昨日蛇を見たというエピソードを昨夜に引き続き執拗に話してくる。妻は蛇がたいそう苦手で、蛇を見ると震えあがる。その妻が蛇を見て嬉しそうにしている。

聞けば、妻が目撃した蛇は、まるで金運が急上昇するみたいに壁を上手にするすると昇っていったそうだ。妻は「これは金運が上昇する兆しに違いない！」と、この出来事を超ポジティブに受け止め、喜んでいる。

この前のナナフシの件といい、私たちはあまりにも金運アップという願望に取りつかれて、目の前の事象をそういうフィルター越しに見ている感がある。色んな出来事を「金運アップ」に結び付け、現状から目を背け、無理矢理目線を上へ上へと向けている。

でもそれって素晴らしいことじゃないかと思う。少なくとも卑屈でネガティブになるよりは良い。以前より家の中が少し明るくなったような気もするし。

願わくば、願望が結実し、その結果としてガツガツする事がなくなり、もう少し品が出て、ゆとりが生まれ、お互いを思いやれるようになれると良いと思う。「アンパンマンパン食べすぎじゃぼけ！」とかもう言いたくない。