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引かれあう二人(2024.04.23)

仕事で別府市の市役所に来ていた。

私の職場は大分市だが、どうしても別府市役所で調べなければならない事があったのだ。もうすぐ5時の閉庁間際。調べものを終え、慌ただしく市役所を出た私は、上司に報告の電話をしながら駐車場に向かっていた。

そうしたらふいに通話が途切れて、上司の声が聞こえなくなった。その直後クラクションが二回鳴って、背後から「パパー!」という声。

びっくりして振り返ると車に乘った妻。こちらに手を振っている。

私は別府市役所から直帰して良いことになっていた。だから丸々帰宅にかかる時間が浮くわけで、その時間を利用して温泉でも行こうかなと思っていた。車にはタオルが常備してある。ぬかりはないつもりだった。

しかし、まさかこんなところで妻に見つかるとは!あと10秒でもずれていたらこんなところで会うはずはなかったのに!

妻はそのままどこかへ走り去ってしまい、私は一度途切れた上司への電話を再びかけた。そして報告の続きと、妻に見つかった事を伝えた。

上司(女性)は楽しそうに「二人は引かれあってるのね」と言っていた。否定できなかった。

私は妻に電話を入れた。妻はさっき私を見つけた時、車(私が乗っていたフィット)のスピーカーから上司の声が突然聞こえてきたと言う。

先日フィットに乘った際に、Bluetoothで私のスマホとつないでそのままにしていたから、あの瞬間私のスマホとフィットがBluetoothでつながったのだ。

「このサボリーマンがよ」という妻。私はけっしてサボっていない事を弁明した。そして私は大人しく買い出しに行き、それから子供たち全員のお迎えに行った。

神様っているんだなぁと思った。色んな意味で。

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