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ブルーノートのCDを作って、販売する

 山野楽器でジャズのオリジナルコンピレーションCDを作ろうよ。こんな話が来たのは2012年の初めのことでした。この年は当社が創業120周年を迎える年、ジャズでも何か盛り上げようというムードがあったのです。

いろいろ案がありながら結局ジャズの王道、あのブルーノートレーベルの音源を使った、オリジナルのコンピレーションCDが作れることに。そこからどういうテーマ、タイトルにするか考えます。で、私が提案した、あまり発売されていなかった、ジャズスタンダード集の『ブルーノート・プレイズ・スタンダード』。ジャズメンオリジナル曲集『ブルーノート・プレイズ・ブルーノート』という企画が通り、各2枚組、計4枚のCDにまとめることになりました。

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▲ ブルーノートのロゴもまぶしい、もう10年近く前ですか・・

ジャズ批評社の「ブルーノート・ブック」などの資料をあたりながら曲探し。音源を借りたり、手持ちのレコードをひっくり返し聴きました。作るからには「らしさのある」他にはないものにしたい、そんな気持ちも芽生えます。例えば、スタンダード編にキャノンボール&マイルスの「枯葉」は入っていませんし、オリジナル編にも、ジャズメッセンジャーズの「モーニン」は入っていません(えーという声が聞こえそう)。その代わり!?私が大好きなズート・シムズの「コートにすみれを」や、グラント・グリーン「愛さずにはいられない」。オリジナル編には、ホレス・シルヴァー「ピース」、ジョン・コルトレーンの「モーメンツ・ノーティス」などを選んでいます。

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 ▲ こんな思い勝手な?選曲をしていました。

そんな選曲をしておきながら一方では、『ブルーノート・プレイズ・スタンダード』、『ブルーノート・プレイズ・ブルーノート』と大きく謳うのに、ジャズを代表するあの名曲が入っていないってどうかなという迷いも浮かびます。しかし当時のEMIミュージック・ジャパン、ブルーノートの担当者に選曲案を出すと、そのままあっさり了承が、ブルーノートの本国からもそのままでOKとの返事をもらいました。マスタリングをしてジャケットを決め、発売日は120周年が終わっちゃいそうな暮れの12月12日に決まりました。入荷前日に同僚たちと売場ディスプレイを設置、CDを並べたのもいい思い出です。翌日は朝から店に立ちました。で、何と午前中から、しかも2枚まとめて買ってくれたお客さまがいたのはうれしかったなぁ。この感激をなんといったらいいのでしょう。本当に昨日のように思い出します。

そしてその後のこの2作・・おかげさまで何回かの再プレスを果たしました。ただ2013年にEMIミュージック・ジャパンがユニバーサルミュージックに吸収され、そこからしばらくして残念ながら生産中止となりました。この仕事をきっかけにブルーノートをよく聴いたし、なによりもお客さまとジャズを聴く喜びを分かち合えてうれしかったです。2018年には続編を出すこともできました(こちらのスタンダード盤には「枯葉」「モーニン」が入っています。選曲をまったく変えています)。

※今回ご紹介した『ブルーノート・プレイズ・スタンダード』は(YMCJ-1001)という商品番号です。もしお問い合わせの際は、2018年発売の『GINZA×Blue Note Jazz Standards』(YMCD-10013)とお間違えのありませんように、ご注意ください。

※掲載商品には店舗・オンラインショップに在庫がないものが含まれます。あらかじめご了承ください。

2023年10月6日追記
ジャズ紹介サイト「YAMANO MUSIC ONLINE JAZZ」が、オープンしました。こちらもお訪ねいただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
| YAMANO MUSIC ONLINE JAZZ~山野楽器のジャズ紹介サイト~ (yamano-music-jazz.com)(神尾 孝弥)