見出し画像

電車に乗ってる時におすすめ!ー🍃風の時代に、大人が読んでも面白い✨高学年向け児童書選①

『博物館の少女』冨安陽子著

キーワード

【ミステリー】【不思議】【物の怪】【文明開花】【骨董目利き】【職業婦人】【明治時代】

評価

  • 総合    ⭐️⭐️⭐️

  • 世界観   ⭐️⭐️⭐️⭐️

  • ストーリー ⭐️⭐️⭐️

  • キャラ   ⭐️⭐️⭐️

  • 筆力    ⭐️⭐️⭐️⭐️

主な登場人物

花岡イカル     主人公 13歳
河鍋トヨ      友人 イカルの遠縁にあたる少女 15歳
田中芳男      博物館館長
トノサマ(織田賢司)博物館の老人
アキラ       トノサマの奉公人

あらすじ

イカルは、大阪の古物商の娘として生まれた。父を亡くし、母を亡くし、複雑な家庭環境から、東京の老夫婦の大澤夫妻の元へ預けられる。大澤夫人は、イカルのために、行儀見習いをみっちり教え込もうとするが、家の中にばかりいることに、日々辟易としていた。そんなある日、夫妻の娘から観覧券を貰い、友人のトヨと博物館へ行く機会を得る。

初めての博物館に心奪われるイカル、そこで偶然出会った父親の知り合いの博物館館長に声をかけられ、博物館で働くことになった。「トノサマ」と呼ばれる博物館の老人のもと、奉公人のアキラと一緒に、ガラクタ蔵と呼ばれる古蔵の整理から仕事が始まった。しかし、そこに保管されているはずの黒い蓋つきの箱「黒手筺」の盗難が発覚する。持ち前の強い好奇心と骨董への造詣を武器に、イカルは「黒手筐」の行方を追っていく。しかし探るほどに「黒手筐」は不思議な因縁を放ち、ますます謎が深まって行くのであった。

感想

博物館で起こる怪事件「黒手筺」の盗難。「黒手筐」はガラクタ蔵と呼ばれる古蔵に置かれていました。そんなあまり注目されないないような骨董品が、なぜ盗まれたのか、謎を追ううちに解き明かされていきます。

「黒手筐」ミステリーを楽しみながらも、博物館の歴史、骨董商の裏事情など当時の文化を知ることのできる作品です。古い骨董品の背景にある歴史と人の思いが、現代風な児童文学の形を借りて、伝わってきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?