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「ビートルズなんて、もうウンザリだ」⑬「Norwegian Wood 」って、「ノルウェーの森」ではなく「ノルウェー産の木材」のことだった。

皆さんご存じだと思いますが、「Norwegian Wood (This Bird Has Flown)」という曲があります。そして、私はビートルズの曲の中でも、この曲はかなり好きな方なんです。

私の選出する「ビートルズベスト10」には入らなくても「ベスト20」には入るかもしれません。
それぐらい好きなんです。

でも、その好きな理由に「ノルウェーの森」という題名の、何とも言えない小粋な響きという要素も入ってないとは言えない。

もっと正直に言えば、「ノルウェーの森」という響きがかなり好きで、大切な要素なんです。

そこで一つ問題点があります。

「Norwegian Wood 」って、直訳すると「ノルウェーの森」ではなく「ノルウェー産の木材」という意味なんです。

正直言って、がっかりしませんか?


「ノルウェー」ってどんな国があまり知りませんけど、きっと北欧で、素敵な森があって・・・
そんな情景がこの曲を聴くと頭に浮かぶわけですよ。

それが、「ノルウェー産の木材」ですよ。
「ノルウェーの材木屋のおっさん」の歌かと?
「おっさんの飼っている小鳥」が逃げたんかと?

変な情景が浮かんでしまいます。

要するに誤訳ですな。

この誤訳については、ビートルズファンの間ではよく知られている話でしょうし、私も以前から耳にしていたものの、そんなに気にしてませんでした。

何故ならば、私は日本語であれ英語であれ、歌詞のことはあまり気にする方ではないからです。
語感が良ければそれでいいし、世の中のほとんどの歌は、イメージ的というか、意味が分かりませんからね。

でも、この曲名が、「ノルウェー産の木材」と言われると、「ベスト20」が「ベスト30」ぐらいに下がるかもしれない。

こんなことを言うと、この名曲を冒涜していると非難する人もいることでしょう。
自分でもそんな気がして自分のことが嫌いになりそうです。

でも、これを読んでいるあなたも、ちょっとぐらいそう思ってませんか?

まあいいでしょう、
それぐらい「ノルウェーの森」という曲名が素敵だということですよ。
いや、日本においては貢献度が高いと言わざるを得ない。


それで、「Norwegian Wood (This Bird Has Flown) 」ってどんな歌詞だったっけ?と思い、検索してみたんですね。

すると、たくさんの方々が、日本語に訳してくださっています。
それを参考に自分でどんなことを歌っているのかイメージしてみました。
直訳しても意味が通りませんから意訳ですね。


『ノーウェジアン・ウッド「小鳥は逃げた」』


ちょっと前に女の子を引っかけた。

いや、僕が引っかったのかな?

そして家に誘われたんだ。

「ノルウェー調のお部屋、素敵でしょ」と彼女は言った。

「今日は泊まっていってね、
好きなところに座っていいわよ」って言われたけど、椅子なんてなかった。
(変なことを言う子だな)

だから僕はラグに座ってワインを飲んだ。
彼女とおしゃべりしながらチャンスを待っていたんだ。

2時になると「もうベッドに入る時間よ」と彼女は言った。
(おおっ!!)

そして「朝から仕事だから」と笑って、本当に寝に行ってしまった。

僕は仕事も予定もないのにな・・・
(おちょくられたのかな?)

僕はとぼとぼと風呂場に行って寝た。

目が覚めたら僕はひとりぼっちで、
かわいい小鳥ちゃんはいなかった。

だから僕は火をつけた。
ノルウェー調の部屋は確かに素敵だね。

※()内は自分で付け加えた心の声です


はたして、彼は家に火を付けたのか?
そこは、それぞれのご想像にお任せしましょう。
タバコに火をつけたのかもしれないですし。


では、今一度、事実というか、何が起こったのか?順に追ってみましょう。

①酒場かどこかで、ある女の子といい雰囲気になった。
②家に誘われた。
③ラッキーあるかも?と思ってついて行った。
④椅子もないのに好きなところに座れとか?酔ってる?もしくはラリってる?
⑤とにかく、やらせてくれそうだから、ワインを飲みながらいい雰囲気になるのを待った。(直截的な表現ですみません)
⑥2時になって、その子は「ベッドに行く時間よ」と言った。
⑦僕は、よっしゃ!!と一瞬思った。
⑧でも、彼女は「明日は朝から仕事だから」と言って、本当に寝に行ってしまった。しかも笑ってるし。
⑨おちょくられたのか何なのか?意味が分からないが、ひとり取り残されてしまった。
⑩がっかりしすぎて、ずるずる這うようにしてバスルーム(のトイレ?)に行って、そのまま寝てしまった。
⑪目覚めたら独りぼっち。かわいい女の子は出かけた後だった。
⑫だから火をつけた。
⑬素敵じゃん「Norwegian Wood 」って


①から⑪までは分かる。
男性の方なら一度や二度は似たような体験をしたことがあるでしょう。

でも⑫と⑬は分からん。
この男性もそんなに腹を立てている様子でもない。
むしろ、「さみしいなぁ」ぐらいにしか思っていない感じが出ている。


歌のことですから、デフォルメして表現いるとして・・・

「嫌な気持ちになったわけではないけれど、
心の中で家を燃やして、ざまあみろ、よく燃えてるなぁ、さすがノルウェイの木だなぁ、などとスカッとした気持ちになった自分を想像している。」

そんなところでしょうか?

もしくは、
「淡々と火をつけて、ぼんやり燃えていく家を見ている。
ああ、よく燃えてるわ、素敵なノルウェイ産だもんな。
というように、ちょっといかれた女の子の話と思いきや、本当にいかれているのは男だった・・・という落ち。」

まあ、どっちでも好きな解釈でいいと思いますし、もっと色々な解釈が可能でしょう。


ところで、この曲はAメロとBメロだけで作られています。
イントロから歌、間奏も含めてです。
そんなこと、何かの本で指摘されているのを見るまで気が付きませんでした。
聴いていて飽きないし、変だとも思わない。
あらためてビートルズの凄さを感じた次第です。


あと一つ。長くなって恐縮ですが、今気が付いたことがあります。
あの村上春樹さんの小説の題名は『ノルウェイの森』なんですね。
ビートルズの『ノルウェーの森』からは引用していないのでしょうか?
誤訳と知っているから少しだけ変えたとか???





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