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YAMATO
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若者のすべて〜アジアプロ野球チャンピオンシップ2023

若者のすべて〜アジアプロ野球チャンピオンシップ2023

2023年は3月のWBCで始まり空前絶後の熱狂を生んだ。野球ファンにとって幸せなスタートとなり、コロナ・ウイルスで闇に包まれた野球界に光明がさした。来年はプレミア12が控えており、3年後のWBCも今から待ちきれない。満腹、大満足の2023年だが、なんと国際大会のデザート、最後のシメが残っていた。

『アジアプロ野球チャンピオンシップ』

初耳の人も多いだろう。WBCに比べて知名度、注目度ともに低く

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ライオンの夢

ライオンの夢

新宿から387円。待ち時間を入れても1時間1分。新宿駅は溢れんばかりに人でごった返しているのに西武新宿駅はガラガラ。ゴールデンウイーク4連休の真ん中、今井達也vs.リバン・モイネロのプロ野球最高の投げ合いでもチケットが取れてしまう。埼玉という地理がそうさせるのか。

所沢から西武池袋線に乗り換えると、ぶつかりそうな距離の家々の間を抜け、下山口駅を越えると木々の緑が深くなる。野球場が近づくシグナル。

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黄金週間のベースボール

黄金週間のベースボール

みどりの日の意味は知らないが、野球を観るなら深く澱んだ緑のベルーナドームがふさわしい。新宿から西武線に揺られて387円。朝10時50分に西武球場前駅に着くと、抜けるような青空が迎え入れてくれた。

首位と最下位の対決。本塁打王の山川穂高、近藤健介、柳田悠岐。日本を代表するホームランヒッターを擁するホークス。ライオンズはこれといった打者がいない。まんべんなく全員でコツコツとホームランを積み上げる。何

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そうだ、東京ドーム行こう

そうだ、東京ドーム行こう

思い立ったが東京ドーム。雨に誘われ巨人vs.中日戦。仕事がひと段落して「そうだ、水道橋いこう」

東京ドームは新宿駅から13分。急にプロ野球が観たくなっても30分で間に合う。平日ならチケット完売はない。2階三塁側20列目、2200円。当日券、一眼レフ無し、球場メシ無し。傘、スマホ、競馬の本だけ持って総武線へ。パッと見てパッと帰る。水墨画の野球観戦。

相手の涌井秀章は37歳。ここまで3試合、17イ

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この男、度会につき

この男、度会につき

3月の球春から11月の晩秋までの9ヶ月間。長いプロ野球シーズンで4月は最も面白くない月でもある。「死月」と言ってもいい。ギアは1速、気候も寒い。レギュラーを選別するための見極め期間であり、シーズン後には2軍にいる新人やベテランも試合に出る。良いスタートを切っても本番は夏以降。その代わり、色とりどりの野球が楽しめる。

今年のベイスターズのスローガンは「横浜進化」。今永昇太が海を渡り、ソトが東京湾を

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スタジアムからの贈り物

スタジアムからの贈り物

関内駅の赤煉瓦を背に、数メートル歩くと野球場が見えてくる。ドーム球場が増え「ボールパーク」「フィールド」の名称が次々と輸入された令和。「スタジアム」の呼称はZOZOマリンとMAZDA、そして企業名ではなく地名が残っているのは「横浜スタジアム」だけになった。

企業名が入ると愛称が生まれない。横浜スタジアムは地名があるからこそ「ハマスタ」の愛称が生まれ、球場名から風を感じられる。

昼は赤煉瓦、夜は

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用心棒

用心棒

日本のプロ野球には「助っ人外国人」の伝説がある。最も有名なのはランディ・バースやウォーレン・クロマティ。いや、アレックス・カブレラの180メートル本塁打かもしれない。李承燁(イ・スンヨプ)とロベルト・ペタジーニがいちばん好きだった。暴れん坊ガルベスや乱闘男グラッデンも忘れてはいけない。巨人ファンとしてはヤクルトのジャック・ハウエルが怖かった。”放火魔”ミセリ、”神のお告げ”グリーンウェルも懐かしい

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Rookies

Rookies

プロ野球における新卒採用がドラフトであり、マンネリ化を防ぐ新陳代謝。坂本勇人がいないと別のチームになってしまうジャイアンツにおいて、フレッシュな顔ぶれは重要だ。巨人は浅野翔吾という球史に刻まれる逸材が入った翌年。どうしても期待が下がってしまうが、とんでもない逸材が入った。

ドラフト3位の佐々木俊輔。帝京高校から東洋大学、日立製作所を経て日本一の野球企業である巨人へ。高校、大学、社会人の三段活用を

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Open Your Eyes

Open Your Eyes

プロ野球のオープン戦に来るのは22年ぶりだ。大学入学の直前、甲子園で観た巨人・阪神戦。高校の同級生で入試に受かった3人、不合格で浪人した2人。カオスな面子だった。桑田真澄と星野伸之の投げ合いで、今岡誠(タイガース)のレフト前ヒットを見て「これはすごい選手になる」と言ったら翌年、首位打者に輝いた。

プロ野球の「オープン戦」のなにがオープンなのか?別称で「プレシーズンゲーム」「春季非公式試合」とも呼

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大阪球場物語

大阪球場物語

「この球場のいいところを教えて」
「屋根があって雨の心配がないところさ」

冗談のような会話が真実を帯びてしまう。訪れた人は目と鼻の先の甲子園と比較して良いところを探すが、辿り着くのは最初の言葉。

京セラドーム大阪は東京、福岡に続く3番目のドーム球場として1997年に誕生した。6つのリングを重ねた天井は宇宙船に入ったような気分。たこ焼きドームの愛称、スタンドが真円形で、すべての席が二塁ベース後方

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ネバー・エンディング・ストーリー

ネバー・エンディング・ストーリー

昨年の3月11日はWBCのチェコ戦だった。新宿のスポーツBARで観戦したが、まさかWBCの書籍を出版するとは思わなかった。あれから1年。3月6日、7日に行われた侍ジャパンvs.欧州代表には4人のチェコ代表選手が出場。これまで「点」で終わっていた野球の国際大会が「線」になった。振り返れば昨年のチェコ戦は「そのとき歴史が動いた」瞬間。

東京ドームから大阪ドームに場所を移し、チェコの4選手は守備で魅了

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球春を待ちわびて

球春を待ちわびて

プロ野球の春季キャンプが始まると代表監督の動きも活発になる。3月と11月に侍ジャパンの試合が2年連続であるのは球史で初。晩秋の大一番に向けて春と秋がキャッチボールする。

現在の侍ジャパンはWBCや五輪の幕間の扱いを受けているが、むしろ去年がプレミア12のためにある。祭りは本番より準備が楽しかったりする。サビよりイントロが良い歌もある。リハーサルは無限の可能性に満ちている。

去年の球春は熱かった

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Baseball 5

Baseball 5

室内でやる野球があるという。ドーム球場ではない。体育の授業で使うような広さの空間。その名を「Baseball 5」という。

5人制、5イニング、道具はゴムボールだけ。18mの正方形のコートの中で行う超コンパクトなスモール・ベースボール。小学生の頃に休み時間や放課後に校庭で遊んだアレだ。憧憬の遊戯。キューバで始まったといわれ、「ストリート・ベースボール」と呼ばれていたらしい。2017年に世界野球ソ

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おすすめの野球本〜活字ベースボールのすゝめ

おすすめの野球本〜活字ベースボールのすゝめ

70年代、アメリカで売れない本の2大巨頭が日本人の本、野球の本だった。野球は止まっている時間が長いスポーツ。考える時間が長く、頭のスポーツ。映像で分かるのは氷山の一角。最も頭を駆使するスポーツであり。活字ベースボールに触れることで、野球の真の楽しみに近づく。

スローカーブを、もう一球山際淳司、角川書店、 1981年、285ページ。

八月のカクテル光線

江夏の21球

たった一人のオリンピック

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