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『やまと新聞』への寄稿 国際政治経済学者 山下英次 大阪市立大学名誉教授・経済学博士

7月8日、日本の国にとって大変な悲劇が起こったが、あの日から優に1か月以上が経過したにもかかわらず、本来、喫緊に済ませておかなければならない重要な事がいまだに何もなされていない。

それは、警察の責任を内外に明らかにすることである。

言うまでもないことであるが、安倍総理の暗殺という歴史に残る重大事件は、一義的には奈良県警とSP(要人警護を担当する警視庁の警官、Security Police)の大失態である。いまだに、何の処分もなされていないとは、一体どうしたことであろうか?マス・メディアも、本来はこの点に注目すべきであるが、統一教会と政治家のかかわりの問題ばかりに焦点を当てていて、警察の責任追及にはほとんど切り込んでいないように見える。
また、政府としてなすべきことで一番重要なことは、事件の徹底した真相究明である。世界的にも極めて重大な事件なのであり、総理大臣が指導して、警察から完全に独立した精鋭の識者たちによって構成される国を挙げて、事件の全貌を調査対象とする真相究明委員会を立ち上げるべきである。これが、なぜいまだに立ち上がっていないのかも不思議でならない。

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