見出し画像

【遠出ミュージアム17】DIC川村記念美術館(千葉)

最初に行った時は友達に連れて行ってもらったのだが、その時に覚えていることといえば「遠いな、、」という漠然としたものと、企画展の五木田さんの絵が「すごい迫力だった」ということくらい。もともと音やリズムのような速さの感覚重視(感覚的テンポの会話って動物的かも)、なのに性質はのんびりしているので、人について行くと完全に準備不足状態で情けないことに感嘆詞的な言葉くらいしか残っていない。きっかけになってくれることもあるし経験するのはいいのだけれど、ちょっともったいないな、、と思うようになった。これは遅めの成長期なのだろうか?

しかし、再訪した時にはきちんとした目的があった。

その頃色彩に関する本を何冊か読んでいたので、印象派の巨匠の絵やその他色の歴史に関するたくさんの作品を常設展示しているDIC川村記念美術館で、その感覚を持ったまま多くのオーセンティックな作品群を見て、色に関することを論理的にも感覚的にも、全方位からできれば理解したかったのだ。

モネの時間と色、ルノワールの光と色、ロスコの恐ろしいほどの色の重なり、バウハウスで育った色彩の感覚、中でもジョセフ・アルバースの配色の設計の本はとても面白かったので、彼の作品を見れた時はなんだか嬉しくなってしまった。日本人の作品じゃないのに、こんなにまとまってあるなんてすごいの一言しかない。

展示スペースが広くとられていてゆったりと見られるところも本当にいい。見ているときは集中しているので、少しほっと息をつけるスペースがあると落ち着く。ふと見かけた景色が、そういえばロワールの古城でこういうところあったよなあ、と全く違ったことを考える既視に陥る感じもなんとも不思議でいい。

また庭も広く所々に野外作品があり、散策の道は土の匂いやその上を歩ける喜びもある。四季折々の木々が綺麗に手入れをされていて、きっといつ来てもいい所なのだろう。そして美しい水辺に白鳥なんかいたりして。噴水の一定のスプレーは眺めていると癒されるから何気に好きだったのだなと、写真フォルダを見て気づく。

美術作品を見るところは、トータルで美しいところであってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?