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【ネタバレ!】映画「blank13」

えー、ネタバレしてますので、この映画をまだ見ていなくて、内容知りたくない方は、読まないでくださいね。お願いします。

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「blank13」

原作は、現在放送作家のはしもとこうじさんの実体験に基づくストーリーとのこと。当初は、40分程度のコントの企画(ひかりTVの配信用オリジナル映像としての企画)だったのを、監督の斎藤工さんの提案で海外の映画祭へ出品することが可能な70分の長編映画として制作されたようです。(ウィキペディアより)

弟コウジを演じるのは高橋一生さん、
兄ヨシユキを演じるのは監督の斎藤工さん。
13年の間、音信不通だった父が余命わずかで見つかり、その父の葬儀で始まるこの映画。

隣ではお寺で立派な葬儀が行われ、こちらは小さな公民館でしょぼくれたお葬式。よりによって同じ名字なので、弔問客が必ず間違う。
受付のコウジの恋人(松岡茉優さん)は、「隣のお寺の葬儀に来られたのではないか」と一人ひとりに確認する。

こちらは弔問客も数人。
手提げ袋にギャンブル雑誌が入っているような人達。
ヨシユキは弟コウジに言う「なあ、向こうの寺の葬儀みた? 人の価値を教えられた気がした」
そして、コウジは幼い頃を回想する。

父を演じるのは、リリー・フランキーさん。
もう、ダメ男を演じさせたらこの人に敵う人はなかなかいないんじゃないか?というリリーさん。
今回も徹底的なダメ男っぷりです。
働きもしないで麻雀三昧。借金しても返すあてもなく、借金取りが来ると家族で息を潜めてやり過ごす。
そしてふらーっと出ていき、そのまんま消息不明になります。
でも、キャッチボールをしてくれたり、甲子園に連れてってくれた父をコウジは嫌いになれませんでした。
ダメな人だけど、いい所もあって憎みきれないこういう人は、リリーさん巧すぎですよね。

母を演じるのは、神野三鈴さん。
神野さんが出演している作品に外れがないと思うくらいの信頼と実績のある俳優さんです。
今回ももちろん名演です。
子供を育てるために仕事を掛け持ちするんですが、
新聞配達の途中に車にはねられて、それでもそのまま「急いでるんで」と言い残し、足を引きずりながら家に帰って、夜の仕事のためにお岩さんのようになった顔に化粧をします。
そして「じゃ行ってくるね、行ってきます」とコウジに明るく声をかけて出かけます。
こんなの神野さんじゃないと無理だ。


…結構内容を書いてしまいましたが、
これでも映画が始まって1/3くらいですかね。
いいシーンがいっぱいあるんですよ、この映画。
そして皆さんいい演技です。視線とか間とか言葉の発し方とか。
何度か見返すと、ほんとにいい映画だなあと思います。
斎藤工という人の才能は、計り知れないです。
何より映画への愛が凄まじい。

で、この映画、半分くらいの所で、「blank13」というタイトルが出ます。
そして後半が始まるのですが、雰囲気がガラッと変わります。
もう「斎藤工、ズルい!」としか言えません。こんなの大晦日にDウンTウンがやってる「Wらってはいけない○○」じゃないか!
もう、おかしくておかしくてお腹がよじれます。そんな中でも度々ジーンと来ます。


!!!!【追記】!!!!

僕は次男で末っ子という事もあり、コウジの心情が少なからず分かる気がします。やっぱり兄貴と僕とでは親父に対する印象が違うんですよね。
兄貴と親父は結構対立してケンカばかりだったけれど、僕と親父は仲が良くワチャワチャしてましたね。
親父も兄貴と僕に対する捉え方が違ったんだろうな。想像するに、兄貴は長男ということもあり親父自身と対等な関係で、僕は元々病弱だったしペットみたいな感じもあったんだったんだろうなと思います。

親父は12年前に肝臓がんで亡くなったのですが、最期の2週間は家で過ごさせてあげました。
もうベッドからは起きれなくなっていたので、毎日早朝に実家に行きオムツの交換をしてあげてたんですが、寝起きだからなのか、僕の名前でなく兄貴の名前を呼ぶんですよね。
勝ち負けではないんですが、やっぱり兄貴を長男として頼っていたんだなあと。…見終わった後、なんだかそんな事を考えてました。


エンディングで流れる「家族の風景」もオリジナルのハナレグミではなく、笹川美和さんがカバーしているんですが、これがいいです。家族それぞれの想いに寄り添い、しっとりとじんわりこの映画を締めくくっています。

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