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UXデザイン「調査手法」の基礎

Xデザイン学校ベーシックコース#3で学んだことの考え方整理です。
今回は、UXデザインにおける「調査」について学ぶ回でした。

調査を行う際には、どの「分からない」を「分かる」にしたいかを考え、手法を選びます。

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今取り組んでいる案件(仮説)は、明確な課題がまだ見えていない状況なので、「仮説発見型」のフィールドワーク(エスノグラフィ)を行います!

エスノグラフィについて

「エスノグラフィ」は、人類学や社会学で、特定の民族や風習を観察し理解するために使われていた調査手法とのこと。
ビジネスの場でユーザビリティ研究が行われ始め、いかに自分のもつ先入観を排除し、対象となる人の視点から見えている物事(or 見えていないこと)を理解できるかがカギになるようです。

...と、言葉だけではいまいちピンとこなかったのですが、講義の中で「自分で見たものを正しく相手に伝える」ことの難しさをプチ体験しました。

▼講義で行ったエクササイズ
まず「見る人」と「書く人」に分かれます。ある写真について、「見る人」が文章として書き出し、そのメモを基に「書く人」が絵に起こし、最後に写真と絵を見比べて、伝え方について意見交換をしました。

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私は「見る人」を体験しましたが、うまく伝えられたと思っていても、伝え切れていなかったこと・違った解釈を生む表現だったと気づきがありました。

ここで重要になってくるのは、以下の2点でした。

●現場の状況を本当に理解できるのは、その場にいる人だけ
●いかに適度なポイントを観察し、正確に記述できるかが大切

インタビューについて

次に、エスノグラフィにおける「インタビュー」について。
インタビューだけでは観察の代わりにはならないが、観察では得づらい情報を得るために有効な手段であるとのこと。

「人々が言うことと人々が行うことと人々が行っていると言うことはまるで違う(マーガレット・ミード)」

という言葉には、すごく共感。(自分の行動を考えても思い当たる節がありすぎる)

観察によって「現場の状況を見ること」と、「インタビューによって話を聞くこと」の両方から見ることが大切。

インタビューについて学んだことをざっとメモ。

●エスノグラフィでは主に自由回答法が取られる
●回答者が自由に表現できるよう、インタビュアーは柔軟に質問をしていく必要がある(質問の順番を変えたり)
●リサーチのゴール(目的)に沿って「これだけ聞けば最低限のリサーチが成立する」というシナリオ(構成)を作っておく
●観察中、分からなかったことをその場で聞き出せると「即興性」が高くなる(観察を妨げないタイミングや程度で)
●回答者が答えやすいような信頼関係を作る(こういうことを知りたい、評価するわけではない、と伝えて安心してもらうのも重要)
●誠実であるよう努める(露骨に話を遮ったり時間管理を徹底するなど)

質問の仕方についても、「はい・いいえ」で答えられる質問が多くなりすぎないようにする、「なぜ」を聞く質問はタイミングが重要である、誘導するような質問をしない、2つ以上の論点が含まれる質問は避ける...など、頭では分かっていても実際にインタビューするとなると難しそう。。

私は受託系の制作会社なので、実際にユーザー調査をする機会はあまりないですが、クライアントやターゲットユーザー(に近い人)から話を聞く際にこのポイントは役立ちそうだなと思いました!

フィールドワークについて

今回の宿題は、実際にフィールドワークを体験し、フィールドノーツにまとめる(グループで共有し合う)というものでした。
駅や繁華街に行って、街行く人を観察しに行く予定です。
(うまくできるか、怪しい人に思われないか...ドキドキ)

フィールドワークをする場所や観察するポイント(性別・気候・服装など)をグループで話し合ったのですが、先生からは以下のフィードバックをもらいました。

●考えるより、まずは現場に出て実際に観察してみよう
●「そこで何が起きているのか?」をベースに観察してみよう
(プランに沿った穴埋め式の観察にはならないように)
●そうすれば、後からの分析で予想外の切り口が見つかるかも

もちろん設定した「ゴール」と「リサーチクエスチョン」に沿って観察する必要はありますが、難しく考えてしまう前にまずは現場に行ってみるべし!

どうしても定量的な答えを出してしまいがちですが、現場で見るべきなのはデータだけでは見えてこない、行動の周辺にある状況
「1人の男性が何時ごろ何を買うか」等の情報は、クライアントがすでに見ている情報であって、求められているのはもっと裏側の情報。
どんな人がどんな格好で、周りにどんなものがあり、その時の表情や行動、その後どこに向かうのか...etc
その辺りを意識して観察してみようと思います。

また、観察の間は興味を切らさないことも大切とのこと。
何も起こっていない間も、「何も起こっていないことが起きている」「周りで何かが起こっている」など、見るべきポイントがある。
...これは実際に体験してみないとピンとこないような気がします。

次の講義は2週間後。
その中でフィールドワークと、グループへの共有、コメント付け、発表のためのまとめ...となかなかタイトスケジュールですが、街中で知らない人をちゃんとウォッチングするという初めてのことにワクワクします!
フィールドワークができたら、またnoteに書いていこうとも思います。

Illustration by Freepik Stories

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