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メディアの話その136 近所にあったら絶対毎日行きたい! 稲城市立図書館のすてきなスタッフのつくったすごい書棚

今日、取材の帰りに、稲城市立図書館に立ち寄った。
2022年1月、こちらの図書館で講演をおこなったのだ。
「国道16号線と多摩の未来」というタイトルで。
もともと、こちらの図書館の担当の方々からお声がけをいただいたのがきっかけだった。「国道16号線」を面白がっていただいたのだ。
講演の模様と、イベントまでのあれこれは、稲城市立図書館のnoteをご覧いただきたい。

この図書館で担当くださった三人の女性図書館員の方々が、実にエネルギッシュでアイデア満載でホスピタリティに溢れていた。地方都市の図書館が、いかに重要な「メディア」であり、「教養」と「教育」のハブになるか。実際に講演に顔を出してくださった知人友人、そして地元の先生がたをみて、思った。

というわけで、2ヶ月後の今日、こちらの図書館に顔を出したわけである。
もちろんアポなしである。
挨拶して、おしまい、のつもりだった。
ところが、本日いらした二人の女性館員の方々が
「せっかくですから、うちの図書館、みていきませんか?」

もちろんです。

「こちら、みてください。新着図書、すぐに借りられるように、カウンターの脇に「新着図書コーナー」設けているんです」
「マニアックな本ばっかり! この『東京ヴァナキュラー』いま借りたいですよ。
ほんとにすごい。ご時世か、ウクライナ語とグルジア語のテキストも入荷している。


「はい、この新着本コーナーがあると、いま話題の本、すぐに借りられるんですね。好評です」
好評でしょうとも。
それにしても稲城市民の知性はすごい。
こちらの新着図書のラインナップ見てください。
お、成田亨さんの『怪獣と特撮』もある。
御厨貴先生の「日本政治史講義」も。

「それからこちらの棚も好評です。毎日特集が変わっちゃう棚なんです。私たちがどんどん作ってどんどん変えちゃう」
「あ、昨日亡くなった西村京太郎さんと鉄道特集! 新刊書店でもなかなかここまでやらないですよね」


「毎日どんどん変えちゃうんで、私たちも何やったか忘れちゃいがちなんですが、こちらもとっても好評です」
「好評でしょうとも」
「それから、ノンフィクションをもっと読んで欲しい、と思って、ノンフィクションコーナーもつくりました。近年の大宅壮一賞や小学館ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞などの年表もつくってます」

「すごい! これ、ノンフィクション、読みたくなりますね」
「はい。それからスタッフおすすめコーナーもあります。こちらです」

「さらに、大河ドラマに連動した企画も・・・」
「イラスト、かわいい! このあたりも鎌倉街道通ってますよね」
「はい、いざ鎌倉企画です」

「それから書棚にあると、なかなか手をとってもらえない分厚い小説コーナー、カウンターの近くにつくりました」
「すごい!スーザン・ソンタグまである!」

「ただ、中学生や高校生は、受験勉強するだけで本借りてくれないんですよね。なので、こんな企画を。。。。」
「ラノベ執筆企画ですか。稲城からティーンズラノベ作家うまれるといいですね」

どうです。すごいでしょう。本屋さんでもここまで毎日手をかけている書棚、なかなかないかもしれない。図書館員の方々の創意工夫で、書棚のみせかた、プレゼンのしかたで、30万の蔵書が生きてくる。図書館が都市の「メディア」になる。

勉強になりました。というか、稲城市立図書館、近所にほしい。

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