【旅エッセイ】ラオスで挨拶したら、しこたま酒を飲まされた後、バイクに乗せられ山奥に連れ去られた話。(前編)
ラオスのルアンパバーンでのお話。
太陽もまだ真上にある昼に、街外れの方向に散歩していると、何もない路上に机を出して、飲んだくれている6-7人の若者たちの集団がいた。
…そして多分目が合っている。
異国では、
・ 笑顔
・ 挨拶
・ 感謝の心
の3つが大切と、誰だったか忘れたけど、誰かに教えてもらったので、これは挨拶をしなければ!!!
「さばいでぃー」
道の反対からだけど、聞こえてるよね…えっ!?
「※×△〇◆□~!!!」 × 6~7人
全員が口々に何かを言ってて、何を言っているのかちょっと分からなかいけど、とりあえず全員が全力で手招きをしてきてる。
車が1台も通らない道の左右をしっかりと確認して…渡ったらもう一度改めて挨拶をしてみる。
「さばいでぃー」
「※×△〇◆□~!!!」 × 6~7人
またみんな口々に好きな事を私に言ってきているが、全員一緒に話してくるから何言ってるのか分からないし、
そもそも私は、ラオ語は「さばいでぃ(こんにちわ)」と「こいはっちゃお(愛している)」しか知らない。
そして戸惑っている間に、すでに机に車座になって座っていたのを、詰めて椅子を持って来てくれて私のスペースを作ってくれてた。
椅子に座ると、ラベルもない瓶から謎の透明な液体がコップになみなみと注がれる。
「とりあえず飲もうぜ!」
笑顔と身振り手振りでそう言っているような気がした。日本人なので、空気を察する能力が長けていてよかった。
飲むと…お酒のことはよくわからないが、多分これはめっちゃ強いことだけ分かる。ビールコップ2杯で酔えるアルコールに対するコスパ最高の私には、これはかなりキツイ…が、相手の善意は全力で受け取るタイプの私は、注がれるがままに飲んでいた。
頭もかなりぼんやりしながら、その飲み会を眺めていると、言葉は分からないが、日本の大学生的なノリで、お互いを茶化したり、じゃれたりして、時折私を話の落ちに使っている事は分かる。お酒だけじゃなく、そんな、ずーっと笑顔で話しているラオ人の若者たちの雰囲気の心地よさにも、酔っていたのかもしれない。
1時間くらい経っただろうか、そんなゆっくりとした楽しい時間に身を任せ、くつろいでいると身体の異変を感じた。
んん?
しだいに少し眠たくなってきた。
もしかして、これって睡眠薬かなんかを盛られてる?
でも、これって同じ瓶から注がれたものをみんな飲んでるよね?
やばい…少し気持ちも悪いし、そろそろトンズラしないと行けないか。
そんなことを思い、席を立とうとした時、ラオ人の若者たちが動き出し、数人はほうぼうへ去っていった。そして、残っている2,3人は、後片付けをしながら飲んでいる。
今日の飲み会は終わりで、解散なのか?
後片付けをしばらく手伝いながら、キリがよさそうな感じになってきたので、
「楽しかったよ!ありがとう! じゃ、私もそろそろ…」
そう口から言葉を吐きだそうとした、その時!
机の周りに数台のバイクが取り囲んだ。どうも、さっきほうぼうへ散っていった若者たちだった。
残っていた者たちが、バイクのリアシートに乗って、
「あ!なるほど!今からきっとみんなで遊びに行くんだ…いってらっしゃーい!」
と思っていると、リアシートの空いている1台のバイクが、私の目の前に止まった。そして、そのバイクを運転している若者が私の目を見て、笑顔でリアシートを叩いている。
もしかして…乗れと?
なされるがままに、私はリアシートに乗った。
バイクは、街から外れどんどん山の中へと進んでいく。
私は一体どこに連れていかれるのか…
つづく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このお話は、Instagram「ルアンパバーンで泥酔した時の話」と言うタイトルで上げております。画像があるので、よりイメージをしやすいと思いますので、こちらもぜひ★
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?