「苦痛の無い死」の迎え方について考える
▼はじめに
誰もが知る通り、生きている以上「死」というものは避けられません。死にたくはないけれど、死ななきゃいけないときがやってくる。であれば、「せめて肉体的に苦痛の無い死を迎えられないものか?」という問いについて考えてみるのは、自分にとっても周囲にとってもいざという時に役立つのではないかと思い、あれやこれやと調べてみることにしました。
▼一般的に知られている方法についての調査
上記の問いについて、まず僕がパッと思いついたのは「安楽死」と「練炭自殺」でした。
【安楽死】
安楽死は、2023年1月現在の日本では合法とされていない手段です。一部の欧米の国では合法で、医師が致死薬を注入する方法や、処方された致死薬を服用することが出来るそうです。
(参考: https://shiruto.jp/culture/1175/)
じゃあ日本人は安楽死出来ないのか?というと、そうでもないようです。合法化された国の支援団体を頼って認可を受ければ、その国に渡航して施術してもらえるのだとか。実際にその手段を用いて死を選択した日本人もいらっしゃいます。
(参考: https://qr.paps.jp/NbqdK)
【練炭自殺】
練炭自殺というのは、苦しまずに死ねる自殺方法として認知されているものだと個人的には思います。自動車の中で練炭を焚いて、一酸化炭素中毒になって死ぬという方法がフィクションの世界だったり実際のニュースだったりで見聞きしたことがあります。
でも調べてみると、この方法は「実は結構苦痛を伴う」らしいのです。高濃度の一酸化炭素を吸引が出来れば即座に意識を失えるようですが、徐々に濃度が高まる状況だと中毒の症状として「頭痛・めまい・吐き気・錯乱」などが起こってしまうそうです。
(参考: https://qr.paps.jp/9FHBE)
▼一般的ではない方法についての調査
【鎮静(セデーション)】
苦痛の無い死を調べていた時に、たまたま知ったのが鎮静(セデーション)という緩和ケア措置です。ざっくり言えば「強い睡眠薬の処方によって眠ったりまどろませたりして痛みを感じさせないようにする」という処置になります。
(参考: https://qr.paps.jp/9jx9N)
断続的に睡眠薬を投与したり、継続的だったりと鎮静の中にも種類があるようですが、「亡くなるまで継続的な投与を続ける」と医師や家族の合意が取れた上でその処置が行われると、その後はほぼコミュニケーションを取ることなく最期を迎えるようです。
この鎮静というものは、日本でも合法的な処置であるところが大きなポイントです。とはいえ、病院や医師によっても鎮静への理解度の深さが違ったりするので、もし予め鎮静を選択肢に入れて入院を考えたい場合は、動けるうちに理解の深い病院探しをしていくことが推奨されます。
(参考: https://www.jspm.ne.jp/)
【拳銃自殺】
日本での拳銃所持は違法ですから、日本国内でこの方法を採用するのはなかなかに困難ですが、銃社会のアメリカであれば、永住権を持っていれば銃の購入が可能なようです。(旅行や短期滞在などでは購入できないそう)
(参考: https://hb-plaza.com/mygun/)
とはいえ永住権の取得のハードルはそこそこ高く、アメリカ国籍の配偶者がいるとか、抽選に当たるとか、会社の重役になるとかそういう要素が必要になって来るのだとか。
(参考: https://www.usavisa.jp/howto/five-way-acquire.html)
もしそういう状況になったり、あるいは仮に今後日本が戦争に参戦して徴兵されて戦場でどうにもならなくなってしまった時の手段のひとつと思っておいてください。
さて、でははたしてどのように自分を撃ったら苦しまないのかということに焦点を当てると、結論としては「口にくわえて脳幹に撃つ」というのが即死するのに一番確率が高い方法のようです。
映画ではこめかみに銃を当てて自害するシーンなどもありますが、頭蓋骨が衝撃を和らげてしまったり、弾丸の軌道を変えてしまったり、そもそもきちんと固定されていないから撃った時にズレてしまったりするようで、失敗のリスクもあるのだとか。
【人為的な気絶】
例えば雪山で仲間が致命的な怪我を負ってしまった時など、「見捨てざるを得ない」という状況ももしかしたら訪れるかもしれません。そういう時にどう楽に行かせてあげるかを考えたら「人為的な気絶」が有効な場合もあるのかなと思いました。雪山で言うなら、気絶させてあげて意識を失っている間に、崖から落とすなどの確実に即死する手段を講じてあげるような。
気絶の方法としては、「睡眠薬で眠らせる」のがひとつ主だった方法かと思います。悪用も出来得るものなので具体的な薬品名は伏せますが、効果が強いものなら15分で効き目が現れるものもあるようです。
また、「脳震盪を起こす」というのもアリかもしれないなと思います。プロの格闘家から直接話を聞いたことがあるのですが、一番有効なのは「アゴ先にフックを入れる」という打撃方法だそうです。それが最も脳がシェイクされてすぐに落ちるのだとか。とはいえ素人が簡単に習得できるものでもないようなので、予めジムに通うなどのトレーニングが必要だとは思います。
あと、「頸動脈を締める」という方法も気絶に至るらしいですが、フック同様にそれなりの筋力やトレーニングが必要でしょう。
ちなみに、気絶というと「スタンガン」を思いつく人もいるかもしれませんが、スタンガンで気絶するのはフィクションの世界のお話で、現実ではめちゃくちゃ痛いだけのようです。同様にクロロホルムを口に当てて気絶というのも現実では無理なようです。
(参考①スタンガン: https://www.body-guard.jp/page-9458.html)
(参考②クロロホルム: http://www.aomorih.johas.go.jp/guide/umineko/2020/6.php)
【痛覚の除去】
極論で考えたときに「最悪の場合、痛覚取っちゃうって出来ないのかな?」とふと思い浮かんだので試しに調べたら、それに似た方法がありました。
レシニフェラトキシン(RTX)という成分を神経に注射することで、半年(あるいはそれ以上)の期間、痛覚を麻痺させることができるのだとか。
(参考: https://wired.jp/2018/11/24/resiniferatoxin/)
アメリカでは一定の条件下で行われているようですが、日本で認可されたという情報は得られませんでした。ただ、塩野義製薬が関節痛への処置のためのRTX含有薬品を取扱いはじめており、今後適用範囲が広がっていくかもしれないので、気になる方は動向をチェックしておくと良いでしょう。
(参考: https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2022/8/220804_1.html)
▼おわりに
こんな風に具体的に死に方について紹介してみたわけですが、決して自ら死を選ぶことを助長したいわけではありません。「なるべくなら生きたいけど、充実した生を送ることが難しくて死を選ばざるを得ない」といった時に選択肢として覚えておくと、精神的にも苦痛が少ないかなと思ってのことです。
また、「"苦痛が(たぶん)無い死"があるんだ」と知ることで、それが生きる支えになる人もいるのではないかと思います。全方位的に八方塞がりな状態ほど生きていて苦しいことはないはずですから。
望ましい死を迎えられるように願いながら、死を携えて精一杯生きる。少なくとも僕はそのように生きていきたいなと思っています。
(終)
もしめちゃめちゃ満足して頂けるようなことがあれば!