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避難はしごを降りた先

家を出ようと準備をしていたら呼び鈴が鳴った。人が訪ねて来るには珍しい時間帯だとか思いながら出てみると消防設備点検だと言う。ああ、確かにそういうものがあった。各部屋の結果が理事会のネタになっていたこともあったっけか。

ウチのマンションにおける専有部の消防設備とは、ベランダに設置されている「避難はしご」のことで、はしごのふたがちゃんと開くか、はしご自体が稼働するか、階下に大きな障害物がないかとか、非常用はしごが非常用はしごとして機能するかどうかを確認してくれる。

普段ならそのまま放置して結果を聞くだけなのだが、今回は一緒に見に行く。考えてみると、入居してからはしごのふたを開けたことはなかったからだ。

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築30年を超えるマンションの避難はしごは多少錆び付いてはいたが、そのウルトラハンドのように折り畳まれたはしごもちゃんと伸び、「多少下に障害物もありますが」と念を押しつつも降りられますとのことだった。大した高さではないが、この小さなはしごを使って降りるのは骨が折れそうだ。

点検するまで考えたこともなかったが、降りた先(今回実際に降りたわけではない)の一階の専有部は高い生け垣に囲まれていて、そこから外に出る道の想像がつかないことに気がついた。隣接する家との間に隙間なんかあったっけか。

それを聞くと、設備点検ははしごが機能することを確認するためのものなので、一階の部屋に入っての確認はしないらしい。つまり、そこから先の脱出ルートは自分で確認するしかないようなのだ。

これは意外な盲点だ。まあ、非常時なら生け垣を無理やり押し通ることも可能かもしれない。あるいは一階の専有部を3部屋分の通りすぎた先から外に出れるかもしれないが、一度確認しておいた方が良いかもしれない。と、多少不安の残る設備点検になった。

これまで住んできた場所でも、いま入居しているオフィスでも、非常口や避難はしごの存在は確認していて、何となく降りるところまでのイメージは持っていたが、降りた先のルートまで考えていたことはあまりない。消防や防災に強い人間なら入居時、下手すりゃ下見の段階で気がまわったりするのだろうか。

経験値が足りないことはたくさんあるな。

#日記 #防災 #経験

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