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ブランディングと出版に関して相談されました

フリーランスのブックライターの看板を掲げていると、以下のようなコメントを寄せられることがあります。

●質問者
「集客とブランディングを目的に、電子書籍または小冊子の制作を検討しています。ご相談は可能でしょうか?」

実際のやり取りを一部編集しながら、僕なりの回答を提示してみたいと思います。

●回答

ご相談に乗ることは可能です。

ご著書の内容や方向性、コンセプト、アピールしたいこと、といった部分は決まっているでしょうか?
(こうしたことは、インタビュー中にはっきりしてくることもあります)

電子書籍で一般的な2万字以下の場合、1〜2回程度インタビューさせていただきます。
(その後、メールのやり取りで追加質問することもあります)

「電子書籍または小冊子」とのことですが、文字数はどの程度をお考えでしょうか?
電書で多いのは、1冊=1〜2万字です(追加オプション的な形で3〜4万字もありえます)。

費用ですが、2万字=10万円をひとつの基準にしています。
制作期間として、1〜2ヶ月(インタビュー+原稿執筆)みてください。

●質問者
将来の紙の本を出版を見据え、テスト的な位置づけで考えています。
電書とオンデマンド印刷の2本立てで薄めの本をリリースし、セミナー会場で販売するか、ホワイトペーパーのように配布することを検討しています。
印刷会社で小冊子を制作することも選択肢に入るかもしれません。
kindleでしっかりしたものができれば、ISBNもとれるし、売り上げも入るので最適解かな……と思います。
その一方、「売り上げを考えずに、一般書籍に近い文字数で書いた方が良いのでは」という迷いもあります。
どう思われますか?

●回答(1/2)

まずAmazonで自費出版ないしは本の自主制作する場合、以下の2種類があります。

・電書=Kindle
・紙の本=プリント・オン・デマンド(POD)

第三の方法として、印刷屋に持ち込んで本を作ってしまい、ISBNを取得してAmazonに卸すというやり方もあります。
(代理店を経由する方法もあるようですが、ここでは触れません)

kindleではISBNはとれません。Amazonのなかだけで通用するASINがとれるだけです。
そもそもKindleはAmazonの中でしか販売できません。したがってISBNを取る必要性がありません。

プリント・オン・デマンド(POD)で出せば、ISBNに対応できます。
つまり書店売りにも対応できます。
ただしこのままでは取次は通せないので、書店と直取引することになります。

……こう書くとPODが輝いて見えますが、PODは原価コストが高いので採算分岐点が高くつきます。
書店と直取引にもかなりの手間がかかりますから、書店売りでの部数はあまり期待できません。
(ただし初期費用は安く済みます)
販売ではなく配ることを優先するのでしたら、印刷一択です。

文字数は、ブランディングのことを考えるのであれば、一般書籍に近い文字数まであったの方が良いのでは、と考えています。

これはユーザーとしての主観ですが、無料で本を配られても積ん読になってしまい、読みません。
ただし薄めの冊子であれば、読んでもらえる可能性が高いです。
したがって無料で配布するなら、薄い方が良いでしょう。

個人差があると思いますが、一般論として日本人の読書の時間はどんどん削られてきていると思います。
したがって書籍は読んでもらうハードルが高いものの、内容が響くものであれば、読んでもらうことが出来、ブランディングにも役立つと思います。
逆に冊子を先に出して、反応をみるのも有効な方法だと思えます。

●回答(2/2)

書籍の文字数ですが、新書で8万字、単行本で10万字かそれ以上とされています。
電書であれば2万字程度(ケース・バイ・ケースですが)。
書籍は費用もそれだけかかります。逆に電書は参入障壁が低いのが魅力です。

もっとも電書を読んでもらえるかといえば、それはユーザーが「電書で本を読む習慣をもっているか」という部分に依存します。
紙の本であれば物理的に目に付くので「いまは読めないけれど、手が空いたときに読もう」という気になります。
しかし電書は、積ん読のまま死蔵しやすい傾向があるように感じられます。
アプリを開かない限り、貯まった本の存在を認知しないで済むからです。

したがって配るのが目的であれば、冊子の形で印刷されることをお勧めします。

ただしブランディングという観点からは、弱いかもしれません。

手前みそになりますが、今年都内の不動産会社の本を代筆しました。
自費出版ですが重版したそうです。
こうした「ガッツリ売る」やり方であれば、ブランディングに寄与すると思います。

●質問者
いろいろとご助言ありがとうございます!
不動産会社さんでの実績をお持ちとのことですが、伺えますか?

●回答

不動産会社さんの案件は以下の通りです。

・桝谷浩太「初めてでも安心!失敗しない家の売り方・買い方」(あさ出版 2023年)

渋谷の不動産会社「グローバルトラスト不動産株式会社」代表である桝谷浩太氏の著作の代筆を請け負いました。
同社が取り扱う東京都心部の物件を想定した家の売り方を中心とした不動産売買のノウハウを記しています。

桝谷さんからご依頼があったとき、すでにPODで冊子は出されていました。
独立前の会社時代の同僚が本を出したことに刺激され、書籍も出すことを決心されたそうです。

上記以外にもブックライティングの経験がございます。
ご相談は無料で受けたまわれますので、お気軽にどうぞ。

連絡先:yanvalou.deetee@gmail.com


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