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日系アメリカ人には顔になるひとがいない

先だっての投稿でも書いた通り、現在とある日系アメリカ人一族の話を書くべく取材を重ねています。

その過程で痛感させられたのは、以下のようなことです。

現役の日系の有名人というと、歌手のリナ・サワヤマでしょうか。
しかし彼女は日系英国人。
作家のカズオ・イシグロも英国人です。
やや古いですが、鉄板焼きレストランの成功で富豪となったロッキー青木の娘で、モデル兼女優のデヴォン青木はアメリカ人でした。彼女は『ワイルドスピードX2』やブルース・ウィリスが出演した『シン・シティ』に出演していましたが、いまいちメジャーになり切れませんでしたね。

さて、そんなこんなで政治の世界を別とすれば、世界的に名前が知られた日系アメリカ人はほとんどいません。
そんななかで、気になる人物を見つけました。
ノブコ・ミヤモトです。

彼女は1970年代、公民権運動の時期に活躍した歌手で、クリス・イイジマとチャーリー・チンの三人でフォークトリオを結成。
代表曲は「黄禍論(Yellow Peril)」をもじった「Yellow Pearl」。それからアジア系アメリカ人の歴史を歌った「We Are The Children」で、どちらも公民権運動のドキュメンタリー映像でふれられる機会が多い作品です。
レコードデビューも果たし、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが主催したコンサートに出演するなど着実に成功への階段を上っていました。

しかしショービジネスでのキャリアを嘱望されながらも、彼女は別の道へ進路を変えてしまいます。
活動家への転向です。

「歌の力で世界を変える」というスタンスから「直接行動で世界を変える」というスタンスに舵を切ったのです。

2023年は彼女のアルバムリリース50周年の年で、それを記念するかのように自伝が発売されました。
翻訳もされています。


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