見出し画像

【熟成下書き】小劇場で輝く人たちを応援したい話

(画像)見つけにくい灯りだとしても

Twitterで私のツイートをよく見る人は、私がいくつかの小劇団を応援しているのはご存知だと思う。

ちょうど1年近く前の秋のこと、
原稿に行き詰った私はなぜか突然「よし、シェイクスピアを見に行こう」と思い至り、シェイクスピアとは程遠い、
お笑い系アングラ小劇団の「ハムレット」へとたどり着いた。

(こういう所は私の生き様の象徴みたいな感じなのだが
この話はまた後にしよう。)

本当にそれは、デビュー作と心中しかけていた私にとっての
「運命の出会い」といっても過言ではなかった。

私は彼らの在り方に酷く感銘を受けた。
次々繰り出される様々なタイプのギャグの数々。恐れを知らない表現。
それは余りに凄まじく、余りに刹那的で、演者の一人一人がまるで死を恐れないようなそんな恐怖すらも感じた。

脳を搾り取り器にかけでもしない限り、いや、かけたとしてもそこまでのものは作れない。

なぜ、彼らが世間から認知されていないのだろう。
不思議に思った。

しかし、太陽の光を浴びて幅広く知られている劇団は、おそらくほんの一握りだと思う。
私のような演劇を何も知らずにいた人間がもともと知っている劇団は
せいぜい大人計画さん、新感線さん、TEAM NACSさんの三つぐらいだ。
キャラメルボックスさんだって、演劇を好きになってから名前を覚えた。
「サマータイムマシンブルース」の劇団はどんなに頑張っても思い出せない。(追記:ヨーロッパ企画さんでした。本当にすみません)

そういう業界の仕組みであれば必然と言っても仕方がないが、それでも納得はいかない。出版業界で、僅かながらでも日の目を浴びるのと違い過ぎるからなのかもしれない。

公演を終え、舞台を降りた彼らは世界レベルの美女・美男子に居並ぶほどにカッコよくて美しい。
なぜか、どんな悲惨な役やギャグ要員であれ、不思議な力とても綺麗で尊い存在に感じてしまう。

私の好きなお芝居の瞬間は、二度と再現不可能な公演をたった数十人。(現状)多くて100人余の観客と共に共有する、贅沢な秘密がある。これを秘密にしておくのは本当に勿体なくて申し訳なくて、お金では買えないほど価値のあるチケットを格安で取らせて頂くことができ(勘違いさせてしまうので言うが、定価が1000円~とド格安なのだ)

そんな彼・彼女らに何か恩返しがしたいと思っても結局、こうして記事を書く以外はささやかな差し入れか、重い愛をつづった手紙を届けること以外、何もできない。

今まで、「推し」という言葉を使っていたが、(今も使うが今後控えたい)
そういう表現は本当はしたくなくて
自分自身の中で、「恩人」というニュアンスを紛れ込ませている。
もはやただの言い訳だが、それでも実際文字にするのは「推し」よりはばかられる重たい言葉だ。
今までも、これからも、彼らの作るものに救われたという事実は絶対に揺るがない。

できれば、そういった世界の美しさをお話にしたいと思っているが、
現在のところ大人の事情で苦戦中である。

私は恩人たちの次回公演が見れることを常に祈っている。
チケット代から有り余るほどの楽しい時間が与えられることを楽しみに、尊い時間にしたいと祈っている。

この記事が参加している募集

熟成下書き

サポートありがとうございます! 頂いたお金は「私の進化」のために使わせて頂きます。私が大物になったその時はぜひ「矢御あやせは私が育てたんだ」と自慢してください!