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恐ろしきは、鏡に映る・・・

証明写真を撮影する前に、美容院に行きました。後頭部を鏡で見せてもらいながら「これでいいよね。前回のカットだけど、時間が経ってどうだった?崩れは気にならなかった?」と聞かれましたが、「後頭部見るのは、前のカット以来だわ。」と言ったら、友人である美容師に「おいおい」と呆れられました。

証明写真はマスク部分も晒すので、久しぶりに念入りに化粧をしました。メガネの照り返しを防止するために素顔で撮影しました。そして撮影の画像確認をしたら、そこには目が落ち窪み、頬骨が目立ち、肌がどす黒い老婆が映っていました。先週見た歌川国芳の安達原の鬼婆の浮世絵みたいでした。
「怖すぎる!自分の顔!?」と叫びましたが、写真屋さんの女性はツッコミも入れてくれずに淡々と業務を進めて行きます。ますます孤独感が強くなりました。

画像の私は、さらに何処かで見たことのある顔でした。母方のおじさん、おばさん。それに仏間の先祖の遺影。私は母に、母は祖母に、そして数々の先祖の遺影からご先祖様への過程なのです。それが類人猿まで続いていく様が想像できました。
いやもっと最近会ったことある気がしました。そうディズニーアニメーション「リメンバーミー」に出てきた陽気なガイコツに似ていました。
「恐ろしい。あまりに自分の顔が恐ろしい・・・」なんとかしなければと、
気休めでメガネをかけて撮影し直すことにしました。

再び画像を確認しました。メガネをかけると、少しはガイコツ感が減りました。顔色の悪さなどは、明るくデジタル修正してくれました。それでも基本的にガイコツや鬼婆感は否定できません。コロナ禍のここ数年、マスクと帽子で完全武装して歩いていましたが、直視しない間に老化は思うより進んでいました。

見たくないもですな、「老い」という現実は。この歳になったら、お化けよりも年金額が心配ですし、何が怖いと言ったら、知らぬ間に進んでいる顔の老化です。「ああ困ったもんだ。とにかく人目に晒さないように、こっそり生きよう。」
心に固く誓いました。


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