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バックステップ車掌室-わたしのヘタこ記

車掌室。
鉄道好きな方には申し訳ないけど完全に縁の無いお部屋。

この未知の空間での出来事。

田舎の電車も朝晩は混む

それはわたしが調子こいてた大学生のときのこと。

田舎暮らしのわたしの町までいく電車は一時間に一本。
朝と帰りはスーツという戦闘服に身を包んだ戦士たちでギチギチ。

学生さんもちょっとはいた。
でもほぼ戦士。
たまにかっこいい秘書さんみたいなお姉さんもいたけど他は戦士。

しかも4両。1時間に2本。
だからわたしの町の電車通勤戦士がたくさん乗ってる。

短い電車だから、踏切待ってるときダダダダンくらいであっという間に通り過ぎてくの好きだった。

それはテストが終わったお昼の車内

わたしは当時、調子こいてオシャレさん気取ってた。
あの時のことはキッチリ思い出せる。
服装も。

  • 左手には資料入りのクリアケース

  • 頭にはニット帽

  • 控えめなスタジャン

  • 中にセーター

  • 長めのスカート

  • スニーカー

  • リュック

はい、想像

あなたは今日は久しぶりの有給。
ふらりと電車に乗って一人でおでかけ。

お洒落ランチも一人で食べて素敵な休日。
でもやっぱり一人寂しい。

なんか足も疲れたし明日も仕事。
帰ったら食べるお菓子ちょっと買ったし、
「まぁいっか」
で、結局昼過ぎに帰ってるとこ。

なんとなく座った席から、車掌室のほうに貼ってある広告を見てる。

こんな感じのお姉さんになりきって。
あなたが立派なおじさまだったとしても、たまに女子になるのも良いと思う。

電車の中ではとにかく距離確保

わたしは電車の中ではとにかく人と距離をとりたい。
痴漢こわいのもある。

それよりも近くに人がいること自体がそもそもちょっと苦手。
異性は当然だけど、同性でも慣れるまでにホントに時間かかる。
年単位。

普段はドアの近くに立つ。
何回か中のほうまで押し込まれて降りれなくなった。
「すみません」って言ってるのに聞こえない。
わたしは声が小さい。
頑張ってるんだけど声小さい。

席に座るのも苦手。
座るとけっこう距離を詰めて知らない方が横に来る。
前に人が立ったらなんて考えるとちょっと怖い。そんなんなったら降りられんくなる。

だからドアの近くに立つ。

ちゃんと乗って降りるという目的を果たす。
そのためにわたしはドアの近くに立つ。
ちょっと邪魔で申し訳ないけど。

どうかご容赦を。

これがあれか。あれなんだね。

その日の電車は空いてた。

乗ったのは一番後ろの車両。
車内はスカスカなのに既にわたしの居所とられてた。

別な車両に行くのもなんか変かなと、普段立たない車掌室の前に立ってた。
発車まで退屈だから携帯いじって暇つぶし。

あなたの視界には一人のかわいい学生さん。
※かわいい😬

「けっこう早く帰るんだな」くらいであんまり気にしない。
そろそろ出発だなって思ってたら、駅員さんの「ピーイピッ」。

グッって後ろ方向に引っぱられる。
例のあれ。
慣性の法則
ちょっとだけあなたは上半身をもってかれる。

そのときあなたは気づく。

「おん?いない。」

消えた。
携帯いじってたわたしが消えた。

バックステップ車掌室

車掌室の壁に寄りかかってたわたし。

発車のときの「グッ」のとき、わたしの後ろの壁消えた。
その場に残ろうとするわたしと、進もうとする電車のコラボ。

わたしの壁は壁じゃなかった。
車内から車掌室に入るドア。
壁じゃない。
なぜか寄りかかったら開いた。
スッて開いた。

そのままバックステップで車掌室。

お部屋に入った後も何ステップか踏んだ。

車掌さんのビックリ顔とも目を合わせながらさらに数ステップ。

さぞかし驚いたと思う。
わたしもだけど。

いつもの小さい声で「すいません」って言いながら退室。
恥ずかしさで視線あげられんくて、顔真っ赤にしながら下向いてた。

車掌さんはドアを強めに閉める。
鍵もガチャ。
さらにブラインドみたいなのまで、シャッて勢い良く閉めてた。

あなたはその光景の中で感じる。

「お、おぉ…」と。

そう。
笑うとかじゃなく引く。

このヘタこきから得たもの

お、おぉ…。
特にない。得たもの特にない。

・慣性の法則の実体験

・車掌室のドアは鍵がかかっていないとスッと開く場合がある

・こんなこともあるから、笑ってくれる人と常に行動するのが良い

せっかく読んでもらってこれは良くない。

⭐️車掌さんは自分のお部屋に無断で入ってくるとムッとする

この気づき。
この記事ではこの気付きをご提供。

これでご勘弁を。

そして、電車に乗るときはご注意を🚃

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