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52歳、女癖が悪いゲス男の娘は、親ガチャに負けずに素敵な人と結婚したの巻

親の存在って、どのくらい子どもに影響をするのだろうか?

最近、「親ガチャ」というのが流行しているようで、自分は娘にどう思われているのだろうか?なんて考えてみたりする。

「昨日結婚をした」というLINEが25歳の長女から届いたのは、先週の話である。結婚式はしなかったようで、ウエディングフィトが送られてきた、167センチの娘と向かい合って、愛を誓っているように見える男性は、スラットして背が高く、韓国に俳優さんにように見える。

彼女が高校生の時に離婚をしてから、数回しか会っていない。僕は彼女にとって、どんな親だったのだろうか?



家を出て行った父親

簡単に、僕の自己紹介をすると、52歳でフリーランスのコンサルタントをしていて、年収は1000万から1500万円の間くらい(年によって変動する)。

25歳で結婚をして、結婚生活は20年で、7年か8年前に離婚をした。娘は二人いて、現在は二人とも社会人になっている。離婚をしたのは、二人の娘が高校生の時で、親権は元妻が持つことになった。

結婚をしている最中、僕はパワハラ夫で、「俺が食わしてやっている」と本気で思っていた。だから、常に元妻を見下した発言を繰り返していた。浮気もしていたので、労りもなかった。

仕事が忙しいこともあり、娘たちにも構うことがなく、お金を稼げばいいと思っていた。しかし、リーマンショックあたりから収入が激減し、家族の生活を支えることが難しくなった。当時、東京郊外に一戸建てに住んでいたので、住宅ローンの支払いがあり、娘たちは私立に通っていたので、学費もそれなりに必要であった。毎月に生活費も稼ぐことができず、借金をして生活費に当てていた。最終的に借金は2000万円ほどになり、毎日、僕はイラついていた。

元妻には仕事をしなくてもいいと言っておきながら、収入が減ったら、妻がお金を使うごとに猛烈に腹が立っていた。

娘たちは、そんな夫婦関係を見て育ったのである。悪い影響を与えてしまった具体例は、長女が高校3年の時に、パニック障害になり、次女は社会人になってから、適応障害を発症し、うつ病になり、現在も入退院を繰り返している。

40代前半から付き合っていた彼女と結婚をするつもりで、離婚をしたのは40代の半ばだった。元妻は仕事をしていなかったので、生活費を毎月40万円と住宅ローン(月142,000円)を支払うという約束をした。普通は、娘が大学を卒業するまでなのかもしれないけど、僕はそれからも支払いを続けた。やはり罪悪感があったのだと思う。途中で、やはり収入が減り、最終的な毎月の支払いは、月20万円と住宅ローンになった。

たぶん、娘にとって僕は、仕事の浮き沈みが多く、母親にいつも苛立っていて、自分たちに関心を持たず、勝手に家を出て行った父親でしかないはずだ。



娘の知らない僕

彼女と別れてから4人の女性とお付き合いをした。年数で割れば、誰とも1年も続いていないことになる。

1年半ほど前から、僕は婚活アプリを使って、結婚相手を探した。何人にも会い、お付き合いをした人もいたけど、結婚どころか3ヶ月も続いたことがない。

娘と会ったのはもう何年前になるだろうか。電話で何度か、LINEのビデオ通話で一度話したことがあるくらいだ。今の僕がどんな生活をしているのか、娘は知らない。僕も彼女のことは知らず、大手のアパレルメーカーに就職し、今年の春に店長になったという話だけを聞いた。



100万円

僕が結婚をした時、式と旅行の費用は親に出してもらった。だから離婚をしたけど、二人の娘には、きちんと式を挙げさせたくて、毎月5万円の仕送りを続けてきた。ここからは予想になるけど、そのお金は仕事をしていない母親に渡っていたと思う。

今年、僕の収入はずいぶんと下がった。コロナを言い訳にしたくはないけど、少し厳しい状況にあるのは確かだ。フリーランスなので、この先のことも不安がないと言えば嘘になる。

突然の結婚に慌てたけど、おめでとうと言い、お祝いをするために、旦那さんになってくれた人の名前と口座番号を聞いた。旦那さんの口座を聞いたのは、僕なりの感謝と信頼の印であった。

そして、僕は翌日に100万円を振り込んだ。

この金額が多いのか少ないのかはわからないけど、今の僕にできる精一杯の金額だった。お金を振込む日時も金額も二人には伝えなかった。



手紙

お金を振込んだ日に、娘からLINEがあった。彼がお礼の手紙を書きたいとのことで、僕は住所を教えた。


●●様
この度は大切な娘さんである○○さんと結婚させていただくことになりました。本来であれば、ご挨拶に伺うところですが、恐縮ですが、お手紙にてご報告させていただきます。入籍前にご挨拶が叶わず、ご報告が入籍後になってしまい、順番が前後したことをお詫び申し上げます。
また、この度は祝福のお言葉とお祝いをいただき、誠にありがとうございます。お仕事のことで大変に深刻な状況にあると伺っておりますが、そんな中、私たち夫婦の新しい門出を祝うお心遣いに感謝申し上げます。「娘をよろしく頼む」という強いお気持ちを受け止め、一層身が引き締まる思い出ございます。必ずや幸せにすると誓います。
○○さんは、優しく聡明な方で、ご両親の育て方の賜物かと思います。○○さんの心からくる温かみにもいつも助けられております。そんな○○さんと人生を歩みたいと思い、今回結婚させていただく運びとなりました。
遅ればせながら、私についてですが、現在は民間の会社に勤務し、通信系の会社でスマホの開発に携わっております。
性格は柔和な方と思い、金銭感覚は質素倹約であります。面白みのない性格ではございますが、真面目さだけが取り柄ですのでご容赦ください。娘さんを大切にするとお約束します。
最後に、改めてお祝いのお礼を申し上げます。
まだまだ暑い日が続き、コロナも落ち着きを見せない状況ではございますが、どうかお体にお気をつけてお過ごしください。
                                  ●●

娘のウエディングフォト

手紙と一緒に送られてきた写真。
見た目も性格も、ここまで父親と違うタイプの人を選ぶというのは、僕にとってこれ以上の感謝と安心はない。

本当にありがとうございます。娘をよろしくお願いします。


「アノネ 親は子供を みているつもりだけれど 子供はその親をみているんだな親よりも きれいな よごれない 眼でね」
相田光雄


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