見出し画像

蔵出し:「テキサス州ダラスで見たこと、聞いたこと(その1)」from 野菜さらだの『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(第33回)

※この蔵出しシリーズは、1996年~2002年までアメリカに留学していた野菜さらだが後半の1999年~約三年間、週2回発行していたメールマガジンの記事をそのままそっくりお送りするものです。今回は、毎日更新していきますので、お楽しみいただければ幸いです!

**********************************
  野菜さらだの
   『アメリカは、住んでみなくちゃわからない!』(愛称アメすん)
         (1999/9/21発行) 第33号 (火・金曜発行+日曜版)
**********************************

 先日の日曜版でちらりとお伝えしたのですが、実はこの間1週間程、テキサス州ダラスにうちのダンナの妹と二人で行ってきました。今回は、観光というより大学の先生に会ったり、いくつかの施設を見学するのが主な目的でしたが、空いた時間にはもちろんあちこちを探検してきました。ダラスに到着するまでは「この間、コロラドのことを書いたばかりだし、今回は『アメすん』の記事になりそうなネタはないだろうなあ」と漠然と思っており、実は33号用の記事も別に書いてありましたが、やはりそこは人間の浅はかさ。ダラスで今までにない体験をすることができました。そこで、今回と次回の2回は急遽予定を変更し、「ダラスで見たこと、聞いたこと」をお送りしたいと思います。

◆本日のテーマ「テキサス州ダラスで見たこと、聞いたこと(その1)」

・エピソードその1「久しぶりの異国気分?!」

 ダラスに実際に降り立つまでは、実は取り立てて大きな期待を持っていませんでした。「アメリカ中南部にある大都市、きっと他の大都市と同じようなものなのだろう」位に思っていました。この「同じようなもの」というのは、高層ビルが立ち並び、バスや電車の便はそこそこ良く、通りの名前も似たり寄ったりでしかも碁盤の目に作ってある、そしてアジア人を含めいろいろな人種が行き交っている、そんなところでしょうか。

 空港からダウンタウンに向かう高速道路からは確かに林立する高層ビルが見え、こういう風景はいつも他の都市(東京を含め)とダブって見えます。バスや電車のシステムも他の場所と同じでした。ところが、違ったのは人種の比率具合でした。この街では、ほとんど出会う人が白人、黒人、あるいはヒスパニック系の人たちだったのです。これまでどの都市でも中国人を始めとするアジア系の人をよく見かけたのに比べ、ダラスでは本当にアジア人の比率が低い、そういう印象でした。

 自分のこの印象が裏付けられたのは「Old City Town」というダウンタウン
の南側にある観光スポットを訪れたときのことでした。これまでこういう「観光地」で係の人と話すと、大抵「日本人観光客は多く訪れる」という感想を聞いたものですが、ここでは「一番多いのが英国から来る人、日本人はかなり少ない」韓国、中国といった他のアジアの国からの人も多くない、そういう話を係の人から聞きました。ですから、行くところ、行くところの係の人に「どこから来たのか?」と尋ねられ、最近アメリカに居てもアジア人が珍しくない場所ばかりにいたためか、ダラスでは久しぶりに「異邦人」の気分でした。

 今回ダラスで宿泊場所を提供してくれた、アメリカ人の友人にこの話をすると「日本からアメリカに観光で来る人がダラスを選ぶと思う?大抵、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロス、なんかじゃない?」とダラスに日本人が少ない理由を説明してくれ、言われてみれば確かにその通り、と納得しました。

 これがダラス郊外にある、ある大学の構内に一歩足を踏み入れると途端に情景が変わりました。多くの大学に設置されている、いわゆる学生会館の中では多くのアジア人学生がそこここに集っていました。これはある部分予想通りの情景でしたので、驚くというよりむしろ実際にこの目で見て確認した、そんな感じでした。

 なお、ダラスにはロデオ見物ができる場所や隣町のフォート・ウオース
(Fort Worth)にはカウボーイの町みたいなのもあって、結構楽しむところも
あります。一度訪れてみるのもおもしろいのでは、と思います。(つづく)

==================================
◆お断り:この『アメすん』は、かつてアメリカのオレゴンに住んでいた野菜さらだが個人的に体験した、おもしろい話を友だちや家族に話すようなつもりで書いたものです。アメリカの他の場所とは違う、というエピソードも中にはあるかと思いますが、まあ、気楽に読んで楽しんでください。
==================================

#創作大賞2023

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?