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やさしい日本語の基本ルール

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記事一覧

「手洗い」考②

「手洗い」考②

以前、「手洗い」を促す表現を検索したことがあります。

「手を洗ってね」「手洗いチェック!」「せっけん ごしごし」
「手を洗おう」「手洗いが基本です」「手を洗いましょう」…

一番スタンダードなのが「手を洗いましょう」ですね。
ただし、「やさしい日本語」的には
「手を 洗って ください」以外はだめです。
(ふりがなは省略してます)

上記のように、いろいろな言い方をするより、
「~て ください」に

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洗濯機のオノマトペ

洗濯機のオノマトペ

ズズズッ シャー ブーン キィーン
ポコポコ シュワシュワ ブオー ウィーン
シャバシャバ ヴォー

わが家の洗濯機の説明書には
「こんな音がしたときは」というページに
故障ではない音 としてこんなページが載ってました。

「やさしい日本語」開発当初のルールでは
擬音語、擬態語のどちらもNGでした。
近頃はアニメなどで日本語を勉強する人も多いためか
本当に音がしない擬態語のみをNGとしています。

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d版「やさしい日本語」掲示物編

d版「やさしい日本語」掲示物編

『これさえあれば!!「やさしい日本語」図鑑(カテゴリーⅠ対応)(2019)』には、174の掲示物が掲載されています。
今回はこの掲示物がどのように作られているかを説明しています。

 災害時に避難所で外国人住民向けの情報提供の一つとして、そのまま拡大コピーをして使ったり、手を加えて使う、書き込んだものをカメラで撮ってSNSで流すなど、色々と活用することができます。すべてカテゴリーⅠのレベルで書い

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d版「やさしい日本語」12のルール③

d版「やさしい日本語」12のルール③

「やさしい日本語」の基礎のルール③の内容をYoutubeに掲載しました。
ここで取り上げているのは下記です。
 (6) 擬態語は避ける
 (7) 漢字の使用量、漢字にはルビ(ふりがな)を
 (8) 時間や年月日の表記
 (9) 動詞の名詞化は避ける
 (10) あいまいな表現は避ける
 (11) 二重否定の表現は避ける
 (12) 文末表現はなるべく統一

 講座では、ルールのいくつかについて書き

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雨が降る?降らない?

雨が降る?降らない?

「やさしい日本語」では、あいまいな表現を避けるようにしています。
数年前の天気予報で、動画サイト2本に出てきた表現が以下です。

降る とみられています。
降る 恐れがあります。
降る 可能性があります。
降る 危険性が高まっています。
降る 状況です。
降る ところがありそうです。
降る ことが予想されています。
どこで降ってもおかしくない状況です。

私たち日本人は、同じ内容でもできるだけ表現

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d版「やさしい日本語」12のルール②

d版「やさしい日本語」12のルール②

ダイジェスト版「やさしい日本語」12のルールの②を作成しました。
弘前大学の社会言語学研究室のHPが、2020年1月に閉鎖されたため、これまでのように「詳しいことはHPを見てください」「様々な資料をダウンロードできます」と言えなくなったのが残念です。
 あくまでも、Youtubeに載せているのはダイジェスト版です。できるだけ、研究室の参考資料に忠実にお話ししています。ただし、実際の講習会、研修会で

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d版「やさしい日本語」12のルール①

d版「やさしい日本語」12のルール①

「やさしい日本語」12のルールについて、ダイジェスト版で動画にしています。今回は
(1)簡単な言葉にする
(2)一文を短く、分かち書きにし、文の構造は簡単にする

やさしさは、外国人の母国・母語、在日年数、日本語の学習歴、家族に日本人がいるか、いないか、仕事で日本語をどのくらい使うかなどなど、一人ひとり異なります。
「やさしい日本語」に書きかえた文には「正解」はありませんが、やはりルールや基準があ

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d版「やさしい日本語」の開発経緯

d版「やさしい日本語」の開発経緯

2008年に「やさしい日本語」有志の会を始めてから、様々なところで基礎講座をさせていただいています。
基礎的なお話をダイジェストで動画にしてみました。

まずは「やさしい日本語」が開発された経緯です。
有志の会で行う講座では、よりわかりやすくなるよう手を加えていますが
弘前大学社会言語学研究室が2013年に出された
『〈増補版〉「やさしい日本語」作成のためのガイドライン』
に書いてある内容を中心に

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日本語は最後に大切なことを言う

日本語は最後に大切なことを言う

「人の話は最後まで聞きなさい!!」
子どものころ、話し半分でつい動き出してしまう私に
母はよく怒ったものです。
そうなんです、日本語は最後の最後が重要なんです。
それをちょっと工夫してみませんか?

降る、降らない、ほめてるのか、悪口か

明日は 雨が 降ります。
明日は 雨が 降りません。
明日は 雨が 降るでしょう。
明日は 雨が 降ってほしいな。
明日は 雨が 降ると困るんですよね~。
ね、

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「やさしい日本語」と翻訳とのちがい

「やさしい日本語」と翻訳とのちがい


愛知県「やさしい日本語」の手引き

「やさしい日本語」には、基本のルールがありますが
元の文章をそのまま書き換えるのではありません。
愛知県が2013年に作成した「やさしい日本語」の手引きに
「やさしい日本語」を作るときの流れとポイントがあるので
見てみましょう。(p5)

「やさしい日本語」を作るときの流れとポイント

「やさしい日本語」を作るときの流れは以下です。

 1.数ある情報の中から

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