夜坂

オリジナルの短い話を載せています。本や日常にまつわるエッセイのようなものも書きます。

夜坂

オリジナルの短い話を載せています。本や日常にまつわるエッセイのようなものも書きます。

最近の記事

一月十二日

今年の1月12日は、祖母が亡くなってからちょうど10年になります。 もう、10年なのか。 まだ、10年なのか。 この10年という年月の中で私の環境はがらりと変わりました。そりゃもう、10年前の自分に教えたらびっくりするだろうなというほど。 でも、私は未だに祖母の死、というものを受け入れていない気がしています。 どこかへ出かけたとき、ちょっと何か買っていこうかな、と思ってお菓子のコーナーにいくのですが、どうしても祖母の分も買いそうになって、「あ、そうだ、おばあちゃんはもうい

    • Coccoのこと。

      最近私のCocco熱が再燃してきている。 最初のはまりは高校のとき。確かすぐに活動休止しちゃったんだけど。 好きな人も嫌いな人もどうでもいいひともいるだろうけど、私は好きなんだ。 何でだろう?って考えても答えは見つからない。 ただすき。 それだけじゃあだめかな? まあそんな話はおいといて。 Coccoの活動休止のドキュメンタリーをyoutubeでみた。途中までだけど。 (part5のUPを切に願う) 最初はドキュメンタリー映画、「だいじょうぶであるように」の映像がないか

      • ヒキコモリロリン

        「俺が生きてる今が、この時が  「嘘です夢です本当は君死んでます」  って言われたそんな時に   「はい、そうですか」っていう命になりたくないから  ・  ・  君が生きてる今が、この瞬間が  「嘘です夢です本当は君死んでます」  って言われたそんな時も 笑えるよう  「こんな幸せ夢だったかあ」って 」 RADWIMPS 2 より 「ヒキコモリロリン」歌詞抜粋 半分衝動買いしたRADWIMPSのアルバム。 新品で70パーセントオフだったから買ったんだけど、 大当たりで

        • = ~イコール~

          (「≠ ノットイコール」「≠ Side He」の続きとなります) 走って走って、彼はようやく彼女に追いついた。 彼女はやはり、彼が教えた裏道にいた。立ちすくみ、おそらくは涙を流しながら。 「――!?」 その様子に驚いて彼は一瞬足を止めそうになったが、泣いている様子のほうが気になって、一気に彼女のほうへと足を進めた。 すると、彼女も足音に気づいたのだろう、うつむいていた顔を上げて、それが彼のものだったことに気づき驚く。 反射的に逃げようとする彼女に彼が「待って!」と息を切らし

        一月十二日

          ≠ ~ノットイコール~

          彼からは本当に大切なものをいくつももらった。 私は彼と出会って初めて、学校に行くのが楽しみという感覚を覚えた。 でもそれはただ彼が優しいからだ。 優しいから、私みたいに独りでいる人間を放っておけなかっただけなのだ。 そして今日。 「話がある」と呼び止められて聞いた言葉。 うれしかった。飛び上がりたいほど、うれしかった。本当は受け入れたかった。でもわかっていた。彼は勘違いしているのだ。彼が私を気にかけてくれるのは小さな弟妹にするそれと変わらない感情だ。あとは、たぶんほ

          ≠ ~ノットイコール~

          ≠ side He

          『貴方は優しい人だからもっとふさわしい人がいる』 数分前に言われた言葉が頭の中をリフレインする。勇気を出していった、いわゆる愛の告白の、答え。 目の前にはさっきまで彼女が飲んでいたアイスコーヒーのグラスが汗をかいていた。その滴がつーっと下に流れていくのをぼんやりと見つめながら、どうしてこんなことになったんだっけ、と思った。 話がある、と呼び止めて大学近くにある小さなカフェに入った。ランチタイムも終わり閑散としていたそのカフェで、俺は彼女に「好きなんだ」と告白した。そうい

          ≠ side He

          「モモ」

          今日は私の大好きな「モモ」という物語について語ろうと思います。 あらすじは「町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。(Amazonの紹介文より引用)」 とまあ、こんな感じです。 主人公のモモには二人の大切な友達がいるのですが、その一人の掃除夫ベッポについて今日は語ろうと思います。 「とっても長い

          「モモ」

          はじめましてのご挨拶

          これを読んでくださっているあなた。そう、そこのあなたです。 初めまして、こんにちは。見つけてくれてありがとう。 このnoteでは私は、短い物語や、本の感想などを載せていきたいと思っています。もしお時間があったら読んで行ってくださるととてもうれしいです。 よろしくお願い致します。 2021年4月7日 まだ外が暗い朝に。

          はじめましてのご挨拶